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背の高いサンタからの贈りもの

今日は夕方、仕事の合間に日本橋三越へ。
富良野塾後輩の高木誠君と、彼の作る人形たちに会いに行った。

俳優志望で入塾した誠君は、今や三越で展示即売会を開くほどの「人形作家」だ。富良野の森にある木や草花などを素材にした人形を作っている。

とても素敵な人形たちは、一体一体すべて彼の手作り。
なかでも『森のオーケストラ』は、バイオリンやチェロ、トランペットなど、様々な楽器が精巧に作られているだけでなく、奏でる人々の表情や動きまで細やかで、独特の温もりがある。じっと見つめ眺めていると、まるで本当に美しい音色が聴こえてくるかのようだ。

「僕が人形を作り始めたのって、5期の頃から始まったクリスマスプレゼントがきっかけなんですよ」にこにこっと、昔から変わらない屈託のない笑顔で、誠君は言う。

わたしは5期生なのだが、そういえば塾にいた頃、近隣に住む子供たちに、手作りのクリスマスプレゼントを渡していた。誠君(彼は11期)の創作のきっかけは、あのクリスマスプレゼントだったのかと思うと感慨深い。

プレゼントは、手作りのものと決まっていた。たしか、わたしは小さなチョコレートケーキを作ったような記憶があるが、誠君は塾地に落ちていた木の枝で人形を作ってプレゼントにしたという。
そこから彼の、「自然の森の素材で作る人形」たちが生まれ、創作の世界が広がったのだ。

サンタ役は先生が担っていた(たぶん誠君の時代もそうだっただろうと思う)けれど、ふと、背の高い誠君がサンタになった姿を想像した。

彼の作る人形たちは、あれから20年以上経った今も「クリスマスプレゼント」だと思う。純粋な心を呼び起こす、聖なる夜の賢者の贈り物。

そしてわたしも、背の高いサンタが作った贈り物をひとつ購入した。自分へのプレゼントに。

追伸。会期中は展示したままなので、届くのが楽しみ。


12月26日まで。日本橋三越5階

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