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風太郎がやってきた。

わが家に「風太郎」がやってきた。

富良野塾後輩、高木誠君の作品である。
昨年クリスマスに日本橋三越本店で行われていた展示会で購入し、年末には届いていたのだけれど、正月の鏡餅や花などもあり、置き場所に悩んでしまって、ようやく今日、窓辺のいちばん風通しの良い場所に飾ることができた。
風太郎の居場所が決まった、というわけだ。

誠君が名付けた「風太郎」は、富良野の野山を駆け回る妖精である。
いたずらっ子のように、ラムズイヤーの葉っぱの上にちょこんと足を置き、たんぽぽの綿毛を吹いている。

ラムズイヤーとはその名の通り「子羊の耳」のような葉を持つ植物だ。いつだったか富良野で先生に「触ってみろ。耳みたいだろ」といわれ、撫でたことがある。ほんとうに植物とは思えない、まさに羊の耳のような手触りで驚いた。そんな、懐かしいあの風景の風を「風太郎」は身に纏っている。

彼はわが家に「風」を起こしてくれるだろう。
どんよりと停滞した空気を、吹き飛ばしてくれるに違いない。
自然の魔法で「ふっ」と。気づかないうちにやわらかく。

そしてある日。わたしはふいに見つけるのだ。
綿毛がさりげなく、床に落ちているのを。

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