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サッカー三昧

うだるような暑さの夏が過ぎ、朝夕はもう秋の気配。
熱中症を警戒してややゆるやかになっていた息子のサッカーも、
9月に入り本格的に活動を再開した。

かなり歳を重ねてから息子を授かった。
幼い頃は弱虫で甘えん坊でやさしくて、すぐ泣いた。
保育園でおもちゃを奪われても、砂場でシャベルの順番が回ってこなくても、何も言えないで立ち尽くしてるか、力なく抗議しても利発なお友達に言い負かされてビービー泣いてしまうか。。。

そんな、よく言えばおっとりした、
わるく言えばぼーっとして要領の悪い子供だったように思う。
そしてそれは私の子供時代にそっくりで・・・そうだね、そうだね、と
私はよくギューッと抱きしめてはいい子いい子したものだった。

 小学校に上がる頃から、息子は少しずつ変わっていった。
ぽちゃっとした幼い体形からシュッと身長が伸び、プクプクだったほっぺたもその特徴を失い、そしていつの間にか気がつけば、
積み重なった跳び箱をひょいっと飛び越え50mを一番で駆け抜けるような、そんな子供になっていた。

今、息子はサッカーに夢中だ。
週に4日、その内2日は土日というスケジュール。
私はといえば、週末は食事の用意と試合の合間に摂る軽食を準備しつつ身支度を整え、息子と一緒に会場へ向かう日々。
平日はフルタイム勤務、土日はサッカーという、
1年365日、年末年始とお盆休み以外ほぼ休み無しの日々が、気付けば4年ほど続いている。

土日は他県へ出る事も多く、1日中外にいた日などは家に戻るともうクタクタで、それこそ何をする気も起きない。自分が運動している訳でもないのに身体が動かないのだ。疲れたー、からだ痛いー、と心で叫びながら、まあよく続けているなと我ながら感心してしまうのだけれど。。。それはきっと、なんだかんだ言いながら私自身がそれを楽しんでいるからなんだろう。

子供達のサッカーを観るのは、純粋に、ほんとに楽しい。

1年生はみんなで一つのボールをわーっと追いかける。
楽しくてたまらない、という様に。
2年生になるとドリブルごりごりの押せ押せサッカーになり、
ちょっと上手くいくと、ねえねえ!見てた?ぼくやったよ!と自慢気な顔をこちらに向ける。その愛らしいことといったら。
3年生、4年生とパスが上達するにつれ段々とゲームらしくなっていき、
高学年になれば大人顔負けのシュートを決めるようになる。
元々サッカーは好きだったけれど、息子を授からなかったら、きっとこんな身近に少年サッカーに触れる機会はなかったろう。

 『サッカーは人生の縮図だ』なんていう言葉がある。
選手は一人ひとり自主練で己れの技を磨き、鍛えて試合に臨む。そこでは各々の持ち場があり、自分の選択肢の中からチームのため最もいい判断を求められ、メンバー全員で如何に攻めるか、如何に守るかを問われ、全員でゴールを目指す。例えばこれって「仕事」も同じじゃないか。
   
またそれは子供であっても同じで、
子供は子供なりに自分の役割をちゃんとわかってて、それぞれのできる事を活かしてあくまで「勝ち」に行く。例え結果が伴わなくとも、闘いに勝ちたい!と挑んで行く。
そのために、普段の練習では仲間との間合いを確認したり、自主練した自分の技を披露しつつ「実戦で使えるかな?」と試したり各々チャレンジに余念がない。そして、最初は個人の中にある「如何に攻めるか、如何に守るか」をチームメイトと共有することで、だんだん形になっていく。

楽しまなくちゃね!とよく言われるが、
彼らには自主練も仲間との練習も練習試合も、そしてプレッシャーのかかる公式戦さえも、そのすべてが「楽しい」の延長上にあるようだ。
だから続けていられるのだ。

もちろん波はあって、
スランプもあるし、コーチに言われた事ができなくて落ち込んだり、涙を流すことだって。。。
だけど、辞める?って訊いても絶対そうは言わない。
そんな息子やチームメイトを見ていると何だか愛おしくてたまらなくなる。将来Jリーガーにならなくたって、中学や高校で他の事がしたくなり辞めたってかまわない。先にどういう人生が待っていようが、
今のこの時、好きな事に出逢えて夢中になった日々があるというのは、
とても素敵で幸せなことだ。

たまに試合が流れたり、雨でボールを蹴れない日があると、
「あー、サッカーやりてー!」と吠える息子。
あんなに毎日やっているのにまだやりたいのか!と心の中で突っ込む私。

子供が子供でいてくれる日々は短い。連れだって会場に向かう今の忙しくも楽しい週末は、きっとそう長くは続かない。
長い年月を経て、サッカーに明け暮れる息子と過ごした毎日を振り返っている自分を想像する。
きっと、懐かしさで胸がいっぱいになっちゃうんだろうな。

前を行く息子の背中を眺めつつ、今日も試合会場へと向かう私である。

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Grazie\(^-^)/
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nadi

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