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ギター・ソロがその重要な一部である曲/プリンスが覆す

(敬称略)

プリンス(Prince)が2004年
「ロックの殿堂」で弾いた
「While My Guitar Gently Weeps」の
ギターソロについてのネット記事です。

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ギター・ソロが
不可分なパーツである曲が
ありますよね。

一番有名なのは
「ホテル・カリフォルニア」だと思います。

あの曲の
ギター・ソロ。

あれを
アドリブで
レコードと全く別なものを弾いたら
(たとえそれがどんなに
技巧的にすぐれていようが)
納得するひとはいないんじゃないでしょうか?

スティリー・ダンの
「滅びゆく英雄」も
そうかもしれません。

ラリー・カールトンが
「幻想の摩天楼」全曲再現ライブに
ゲストで出るときに
「ギター・ソロはレコード通りに弾くべきか?」と
誰かに尋ねたそうです。

「絶対そうすべきだ。」と
聞かれたひとは答えたそうですが
そりゃそうでしょう。

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ビートルズ(ジョージ・ハリスン)の
「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウイープス」も
そういう曲のひとつだと思います。

近年リリースされた音源の
別テイクを聴くと
この曲のエリック・クラプトンのソロは
ある程度練りこまれたものだと
分かりました。

(借りたギターで
一発オーケーみたいなヤツじゃない。)

クラプトンが
「これじゃビートルズっぽくないよ。」と言ったので
ADTでダブリングしたと
ジョージ・ハリスンが語る記事を
読んだことがありますが
独特のサウンドが
くせになります。

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「ロックの殿堂」に限らず
この手のお祝い事の席で
演奏される曲は
賑やかではあっても
まとまりがなく
ダラダラしてるのが
多いと思います。

だけどこれは違いましたね。

プリンスがすべて
もっていってしまいました。

記事によると
本番まで
プリンスがどんなソロを弾くか
誰も知らなかったらしいです。

真ん中のソロを
オリジナル通りに
完璧に(そして凡庸に)弾いたのは
ジェフ・リンのバンドのギタリストだそうです。

(ずっと誰だか分からなかった。)

そして
エンンディング近く
歌のリフレインに被さるソロの途中から
プリンスが弾き始めます。

ジミヘンと
エディ・ヘイゼルと
アーニー・アイズレーが
まとまって憑依したような
見事な
破壊と再構築で
パフォーマンスを別次元の
高みに導きます。

「才能ってこういうものさ。」と
見せつけるようなプレイです。

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プリンス(Prince)が2004年の<ロックの殿堂>式典で披露した、
ビートルズ(The Beatles)「While My Guitar Gently Weeps」の
ギターソロ。
20年経った今でも称賛されるこの素晴らしいパフォーマンスについて、
ジョージ・ハリスン(George Harrison)の息子ダニー・ハリスン
(ダーニ/Dhani Harrison)が、
Live4ever Mediaのインタビューの中で振り返っています。

2004年の<ロックの殿堂>式典では、
ジョージ・ハリスンに敬意を表し、プリンス、トム・ペティ、
ジェフ・リン、スティーヴ・ウィンウッド、ダニーらが
「While My Guitar Gently Weeps」のパフォーマンスを披露しています。
この曲には2つのソロがあり、最初のソロはジェフ・リン・バンドの
マーク・マンが、次のソロはプリンスが演奏しています。

「本当に20年経ったの?なんてこった。
あれは最も現実離れした出来事のひとつだったし、今でもそうだ。

当時はあまり気にしていなかったけど、今となってはそういうことの
ひとつだね。
プリンスはインターネットに公開されることを嫌がっていたし、
彼が亡くなった後、彼ら(プリンスのエステート)は
インターネットから彼のものをすべて削除しようとしていた。

彼が亡くなった後、彼が所有していない唯一のものがあの映像だった。
だから、あのビデオは何億回も再生されているんだよ。

あの日何が起こったのか、本当に決定的なミニ映画が必要だ。
あまりにも多くのことがあった...ステージにいる人たちを今見てみると、
ジム・キャパルディはもういない。
彼は僕の大切な友人の一人だった。トム・ペティももういない。
彼は僕の親友のひとりだった。
だから、それを見ると、とてもほろ苦い気持ちになるんだよ。

(ジョージ・ハリスン追悼コンサートの)
『コンサート・フォー・ジョージ』と同じだよ。
マイケル・ケイメンがオーケストラを指揮し、ゲイリー・ブルッカーが
オルガンを弾いていた。
彼らはもうここにはいない、今は、まったく新しい人生を歩んでいる。

プリンスは言うまでもないよ! 面白いことに、
あの夜のことについての僕の見方は絶えず変化している。
たぶん、あの夜のことは、みんなに一番聞かれていることだと思う。
あのビデオで僕が笑っているのが見えたら、
それはこれから起こることがわかっていた緊張した笑いだったんだ。
トムとジェフは何が起こるか知らなかったと思うけど、
僕は知っていたんだよ!

(トラヴェリング)ウィルベリーズ(のメンバーだったトムとジェフ)と
プリンスの間の緊張感......彼らは必ずしもうまくいっていなかった。
彼らは緩衝地帯として僕を真ん中に置いたんだけど、
その緊張感がロックの殿堂史上最高の瞬間を作り出したんだ。
そのど真ん中に立っていて、何が起ころうとしているのか知っている
唯一の人間だったなんて、気が狂いそうだったよ」

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プリンス(Prince)が2004年の<ロックの殿堂>式典で披露した、
ビートルズ(The Beatles)「While My Guitar Gently Weeps」の
ギターソロ。
20年近く経った今でも称賛されるこの素晴らしいパフォーマンスについて、当時のショー・プロデューサーのジョエル・ギャレンによると、
前夜、バンドが集まってこの曲をリハーサルした際、
プリンスはソロをまったく演奏しなかったので、
どんなソロになるのか誰も知らなかったという。
そのため、関係者にとっても式典当日のパフォーマンスは
驚きのものだったそうです。

2004年の<ロックの殿堂>式典では、
ジョージ・ハリスン(George Harrison)に敬意を表し、
プリンス、トム・ペティ、ジェフ・リン、スティーヴ・ウィンウッド、
ジョージの息子ダニー・ハリスンらが「While My Guitar Gently Weeps」のパフォーマンスを披露しています。

この曲には2つのソロがあります。
最初のはジェフ・リンのバンドのギタリスト、
マーク・マンによるもので、エリック・クラプトンのオリジナルを
模倣した、地味ながら完璧な演奏です。

ジョエル・ギャレンは、前夜に行われたリハーサルについて、
2016年にプリンスの死を受け、ニューヨーク・タイムズ紙に
こう語っています。

「プリンスがやるはずの真ん中のソロになると、
ジェフ・リンのギタリスト(マーク・マン)がソロを弾き始めたんだ。
一音一音、クラプトンのようにね。
プリンスはただ立ち止まって、彼に任せて、リズムを刻み、
一緒に演奏した。それから、最後の大きなソロになると、
プリンスがソロに入るために前に出るんだけど、
その男(マーク・マン)がそのソロも弾き始めるんだ! 
プリンスは何も言わず、ただひたすらギターを弾き続け、
一部でリードを弾くけど、ほとんど何も印象に残らないものだった。

それでプリンスにそのことを話したんだよ。
彼を引き止め話をしたんだけど、彼はこう言ったんだ。
“いいか、こいつにやらせておけ、俺は最後に入るだけでいい。
最後のソロのために、真ん中のソロは忘れてくれ”ってね。
それから彼は“気にするな”と言って、彼は去っていったよ」

関係者が誰もどんなソロになるのか知らない中、
曲が3分半を迎えたところで、プリンスが前に出て、
後世に残る名演奏を披露しています。

2021年、プロデューサーのギャレンは、
これまで以上にプリンスが多く登場する再編集版の映像を
YouTubeにて公開しました。
ギャレンは「プリンスのこの素晴らしいパフォーマンスから17年後、
私はようやくこのビデオを少し再編集する機会を得た。
いくつかのショットが気になっていたんだ。
ディゾルブをすべて取り除き、すべてカットにして、
ソロの時のプリンスのクローズアップをたくさん追加した。
今の方がいいと思うよ」と当時述べています。


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