見出し画像

Nice View#5 展示作品あれこれ

今週水曜日からMOUNT Tokyoさんでのグループ展が始まってます。

今回展示作品についてちょっとだけコメントを書きます。
今年(2021年)の展示ということを意識して制作したので、テーマについてお話ししとくのもいいかと思った次第です。

4枚の作品を展示してますが、全部の作品に共通するテーマは「〇〇越しの風景」。
言わずもがななコロナ禍で、「マスク越し」や「アクリル板越し」といったなにかひとつはさまないといけない状況になりましたが、これをやんわりと表現できないかと試行錯誤して、今回の展示にのぞみました。
「Nice View」という展示にお誘いいただいたのだから、すてきな風景を描くのはもちろんだけど、それだけでは終わらせんぞといろいろチャレンジしました。

「こっそり」

グループ展のDMやその他お知らせにも使っている作品。結果的に明るい作品がこの一枚になってしまったために、今回のメイン作みたいな位置付けになってしまいました。
わかりやすく「葉っぱ(ノブドウ)越し」の風景です。テーマへの則し方も一番素直かも。
赤と緑のコントラストを作ることで、クルマに視線を誘導しつつも、あらためて全体を見てみると「ノブドウも悪くないじゃないか…」とじわじわあざやかに見えてくることを狙いました。
綺麗な赤いクルマを遮っているノブドウですが、「遮っているモノ」も悪いモノじゃないかもと思ってもらえたらと構成しました。

「ひととき」
「ガラス越し」の風景は一回描いてみたいなと思っていたモチーフです。
中にいる女性が主人公ぽくはしていますが、本当の主役はガラスの映り込みですね。
店内の方が暗かった場合は外の風景がガラスに映りますし、逆に外が暗ければ店内がよく見えます。どっちかに焦点をしぼらず、同時にどちらも映っていて、どちらも見えていない状態を描けたら面白いだろうな…と企画した作品でした。
マスクをしたままお話しするような、曖昧さがあったらいいなと思ってます。

「おでかけ」
わんこさんです。おでかけのわんこさんを「窓越し」に見ています…。車の中にいるわんこさんが見えたときのあっ…という感じが描きたいという欲求に素直な絵になりました。
構成についてですが、窓ガラスの反射も気にしつつ、わんこさんがいることに気づいてもらえるにはどうしたらと悩みました。
一点透視の消失点を窓の部分に持っていくことで、車の中を見てもらえるようにしつつ、最後はわんこさんの首輪の赤で目を引く作戦になりました。
ライトの赤も絵の下の方にあるので散漫な感じにならないでくれるのではないかと期待しました。

上の「ひととき」の作品にも共通するテーマですが、近くにいなくても、話せなくとも、言葉ではない瞬間を受け取れるのは貴重だよね…なんてことを思ったりしました。

「あめどき」
水たまりの反射に意識を向けるなら「水たまり越し」ですし、水の垂れた跡に意識を向けるなら「ガラス越し」な作品です。今更だけどガラス越し3連続になっちゃった…
ガラス越しといっても、上2作と違う箇所をあげるとすれば、「あめどき」では建物の中から外の世界を見ているところでしょうか。
外の世界では何も起こってなくても良かったのですが、せっかくならと離れた場所になにかを送るツール…郵便をひっそり盛り込みました。「手紙越し」に相手の顔を見られたとしたら。こじつけに近くなってきましたがそんな想像を働かせてもいいのかなと。

スマホ越しとか、水面越しとかまだまだ描いてみたいものはありましたが、今回はこんな感じで。

ちょっとだけ書くつもりが長くなってしまいました。
よかったらMOUNT Tokyoでのんびりいろんなことに思いを馳せて見てみてください。

「Nice View #5」
10/6(水)-17(日)
11:00-18:00(最終日17:00まで)
休廊:月、火
MOUNTTokyo 駒沢大学駅徒歩10分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?