【KUMINO合宿回顧録】

先日の1泊2日KUMINO合宿@滋賀の疲れもようやく取れてきたので、楽しかった思い出を噛み切れない上ミノのように反芻しながらここに記録しておきたい。

僕がVALUに登録したのは2017年6月4日と初期組なので、KUMINOという木組みのつみ木を取り巻くVALU内での活動はずっと見てきたことになる。

まだKUMINOを良く知らない方は下記のリンクや、考案・製造されている井上さんのVALUをご参照頂きたい。

https://peraichi.com/landing_pages/view/kumino2

滋賀県の箕川集落での合宿はこれまでに2回行われていて、いつか行きたいなあと思いながらツイキャスごしに眺めていた。第3回目の今回は以前の合宿で伐採した木をソリに乗せて運び出し、皮を剥くのが目的とのこと。

『伐採した木を ソリに乗せて運び出し 皮を剥く』

サラッと書いてあるけれどなんて面白そうな響き!普通に生活していたらせいぜいリンゴの皮を剥くくらい。

スケジュールを確認するとちょうどその週末だけぽっかり空いていたし、今回がひとまず最後とのことだったのでエイヤとお願いして家族で参加させてもらうことにした。


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8月18日、合宿初日。

前日のお酒も残らずAM6:00起床。遠足に行く日のようにワクワクしたまま東京駅へ向かう。実は滋賀県自体が初訪問なのでそれも楽しみ。申し訳ないが琵琶湖、信楽焼、鮒寿司、T.M.Revolutionくらいの知識しかない。

無事予定のひかり503号に乗りのんびり駅弁を食べているうちに静岡県に入った。

最近、スズムシを飼って虫に目覚めた息子は、合宿用に買った虫カゴと網を大事そうに抱えて「どんな所なのかなー」と隣で言っている。幼稚園男児連れでの古民家への集団宿泊は少し不安もあったが、彼の思念は既に滋賀の山奥へと先に飛んで行っているようだった。

そして更に大きな不安が実はあった。

それは

『妻に VALUのことを 何も言っていない』

ということ。。

(さすがに色々と説明しないとな… 面倒だな…)

(VALUっていう評価経済の仮想通貨の SNSで香港のかえるのそんぷ〜さんがpolcaでやっているイベントで… だめだ。訳がわからない…)

先ほどまでワクワクしていたのに陰鬱な気分になって来たので車窓に目を向ける。ちょうど右手に富士山が綺麗に見えた。

じっと眺めていると良い合宿になる気がしてきた。

(まぁ、、なんとかなるだろう…)

考えるのを止めてハイボールを空け目を閉じた。米原まであと1時間をきっていた。


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9:44、定刻に米原着。はじめて降り立つ駅はなんだか無条件に嬉しい。ひこにゃんがゆるく出迎えてくれた。

到着時に鉄道総合技術研究所がチラリと見え、平成8年に443km/hrを記録したレア新幹線300Xを拝んで鉄分を補給。満足。琵琶湖線に乗り換え近江八幡へ。琵琶湖線なのに琵琶湖は見えず、彦根城の天守閣を遠目に眺めるのみ。

近江八幡駅に着いた。ドキドキしながら事前の指示通りに南口に向かう。

そこでふと気がついた。

よく考えたら、そんぷ〜さんとくぼたさん以外お会いしたことがないのであまり顔が分からない。。

ほとんど会ったことがない人達の滋賀の山奥での集まりに良く行くよなと自分でも思ったが、VALUごしにこれまで見て来て限りなく確信に近い信頼、安心感を持っていたのでそれほど抵抗は感じなかった。

実名じゃなくても、顔出ししていなくても評価されるものはされるし、その逆もまたしかり。まさに評価経済。

そんなことを考えながら階段を降りるとロータリーにそれっぽい集団が。

リアルターボさんを見つけたので「こんにちは、ターボs…」と言いかけて、スッと背中の方が気になった。

『ターボさんって何?ハーフの人?ター坊さん?』

(やめておこう…)

無難にこんにちはと顔合わせをして、3台の車に分かれていざ箕川集落へ。

天気は最高、KUMINO日和があったらこんな日のことを言うのかも知れない。

入道雲を追いかけ山の方へと走った。いよいよ合宿が始まる。


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市街地を離れ永源寺ダムを超えると一気に緑が色濃くなってくる。ここからまだ先に行くのかというのを数回繰り返したところで箕川集落に到着。東京から3時間でここにいる不思議。

宿泊先の古民家に荷物を置き、さっそく伐採木のある林の方へ向かう。

林の中はシンとして気温も低く涼しい。真上に見上げるほどのスギの木の迫力に圧倒され、長く見ているとこちらに倒れてくるような怖さすら感じる。

前の合宿で倒した木をワイヤーで引き下ろし、2mほどにチェンソーで切ってソリに乗せる。見た目はかなり重そうに見えるが、水分が抜けた木は大人3-4人で持ち運ぶことができた。はじめて会ってからまだ数時間でも、みんなで汗をかいて木を運ぶと自然と一体感が生まれる。

次はいよいよお待ちかねの木の皮剥ぎ。表面の硬い皮の下に竹べらを滑らせつるつるの面を削ぎ出していく。こういう単純作業は個人的にとても好きなのだけど、見ていると人それぞれ性格が出て面白い。

ちょっと剥いで満足する人、淡々黙々とやる人、力ずくでやる人、文明の利器を頑なに使わない人、綺麗に剥けないと気持ち悪い人etc.

工程で出た大量の木皮を側の焚き火にひたすら投げ込む。ヤニを含むからか良く燃える。パチパチと火が爆ぜる音を聞いているとぼんやりと思考が無になっていく。コンクリートジャングルにいては味わえない贅沢な時間。

日が暮れる前に古民家に戻り、BBQの準備。VR空間から出てきた春野さんとひたすら炭火をおこす。ビール、ワイン、そしてそんぷ〜さんおすすめの日本酒、剣菱をちゃんぽんで飲みながら話は尽きない。

空を見上げると満点の星空。皮剥ぎで竹べらを握った手のじんわりした痛みすら心地よい。どこか非現実的な長い1日がようやく終わろうとしていた。


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8月19日、合宿2日目。二日酔いもなく7時起床。

昨夜、集会所からどうやって帰ったか記憶が怪しい。崖から落ちなくてよかった。

古民家の見慣れぬ天井を暫くぼんやりと眺める。今夜には東京にいるというのがなんだか信じられない。

モゾモゾと布団を抜け出し外へ。女性陣が朝ご飯を準備してくれている間に、割り竹を組んでそうめん流しのレール作り。

竹の節にそうめんが引っかかりそうなのが気になって全てトンカチや持参のペンチで削っていたら、みんなに作業が細かすぎると言われた、、職業柄、いつも他人の性格のことばかり言っているけれど、人間自分のことはなかなか分からない。

KTRKさんから送られてきた小豆島のそうめん 島の光を竹に流すと子供たちだけでなく大人からも歓声があがる。森に囲まれ朝日を浴びながらのそうめん流し。贅沢な朝食。

お腹が満たされた後は工房に移動して井上さんのKUMINO作りを見学。機械でどんどんあのサイズのつみ木の原型が出てくるのかと思っていたら、一本一本手作業で削り、カンナをかけていて驚いた。

時折片目を瞑って寸法を確認しながら、真剣に丁寧に作業をする井上さんは職人という感じで、なんだか神聖な儀式を見ているよう。みんなで息を潜めるようにして見守る。木が細かく削れるたびに工房の中に木の良い匂いが拡がる。子供たちはかつお節のようなカンナ屑をもらって嬉しそうだった。

出来たてほやほやのKUMINOを持ち帰り刻印も自分で入れさせてもらう。そこに絵を描き本当にオリジナルの一本が完成する。なかなか得難い体験。

最後は川原に移動して大黒さんの指揮のもとで大量のKUMINOを使った造形作り。いい年をしたオトナがあーでもないこーでもないと試行錯誤しながら自然の石の上につみ木を組んでいく。真面目に遊ぶって楽しい。

疲れて汗をかいたら清流の中に膝まで入れば良い。ざるに冷やしてあるビールを飲みながら、鳥取の田淵さんから送られてきた梨を齧る。CMみたいとみんなで笑う。

子供たちはおたまじゃくしをすくい、イモリを捕まえ、とんぼを追いかける。こういう時間が必要なんだなあとあらためて感じる。

盛りだくさんのKUMINO合宿もいよいよお開きの時間に。口々に名残を惜しみつつお別れ。

箕川集落を出て山林を抜け大きな道に戻ると視界がひらける。一気に現実へと引き戻されるような感覚。時間の流れが再び加速して行く。車に揺られながらなんとなく『千と千尋の神隠し』を思い出す。

人、場所、物がそろうとこんなにも素敵な体験になる。大人も子供も成長させてもらった濃密な2日間だった。

帰りのひかり自由席は夏休みで混んでいたがなんとか座ることができた。荷物を置き、撮った写真や動画を見返しながら家族との会話も弾む。

心地良い疲れと満足感に浸りながらリクライニングを倒して軽く目を閉じる。子連れでの参加は当初不安だったが、とても楽しんでくれたようでやっぱり連れて来て良かった。

「パパのポイントも少しは上がったかな?あとは無事に家に帰るだけだね」

少し浮かれた調子で話しかけると、こちらの方に静かに振り向いて妻が言った。

「とっても楽しかったね。でも… 結局VALUってなんなの?」

突然、新幹線がトンネルに入り、ゴーッと大きな音をたてた。

東京までは長い帰り道になりそうだった。


(終わり)

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KEI

コメント2件

うますぎちゃんですね。文章。すごい。そして、クミノがなにかもよくはしりませんが、来年はクミノ合宿いってみたいなぁ
返信遅れてすいません汗 とっても楽しかったですよ
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