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粘土何色灰色のやつじゃないの茶色なんだへえ

 今日から子どもたちは三連休である。
 娘の粘土を、春休みに、新しいのを学校がくれるかと思って、捨てたら、どうやら捨ててはいけなかったらしく、昨日、空の粘土容器を持って娘は帰ってきた。
 粘土どうしたの、と娘に訊かれて、捨てたよ、と言ったら、泣いて、お母さん嫌い、と言った。
 しばらく、お母さん嫌い、と言っていて、わたしは、だけど、粘土は手の菌があるかなって思って新しいの買ってあげるからさ粘土何色灰色のやつじゃないの茶色なんだへえ、とかぶつぶつ言って、その間ずっと娘は、お母さん嫌い、と泣いていた。
 わたしは、けっこう、すぐ捨ててしまう。
 この間も、娘が学校からもらってきた、新年度の保護者証の紙を間違って捨ててしまった。
 粘土は、間違って捨てたわけではないけど、捨ててしまった。ごめんとしか言いようがない。
 しばらくして、娘はキャラメルコーンを食べて、ピーナッツ入ってる、とわたしにくれた。娘はピーナッツアレルギーだから、キャラメルコーンのピーナッツは、全部わたしが食べる。子ども用に、ピーナッツ無しのキャラメルコーンも売っているのに、それは量が少ないから嫌だ、と娘は言う。
 わーピーナッツこんなに入ってるー、と娘は笑っていた。
 袋の底に溜まったピーナッツをわしわし食べるわたしを見て、お母さんはピーナッツ大好きなんだね、とにこにこしている。
 うん、大好きだよ、とわたしは言った。

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