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神々溝

神々溝 キングダムのロケ地

高千穂峰火山から流出した溶岩の末端部にみられる溝状の構造である。


神々溝位置図


空中写真 国土地理院に火山基本図(霧島山)を重ねた


火山基本図(霧島山)に赤色地図を重ねた


地質図 Tk:高千穂峰火山 安山岩溶岩及び火砕岩、Oh:御鉢火山 玄武岩質安山岩溶岩及び火砕岩
霧島火山地質図に加筆




神々溝

金子 弘二 ・流田 勝夫・荒武 裕子(1991) :霧島山・高千穂の峰火山南麓の「溶岩溝」,宮崎大学教育学部紀要. 自然科学 = Memoirs of the Faculty of Education, Miyazaki University. Natural science / 宮崎大学教育学部 編 (70), p45-53, 1991-09
を参考すると、以下のように説明される。

この溶岩流は連なりが三つの部分(A、B、C)に分けられる。

 溶岩の上流側(A)は、延長400m、幅4m以上、深さ10mに及ぶ垂直の谷壁を持つ顕著な溝であり、両側を構成する溶岩壁の凹凸が細かい条線に至るまで一致する部分が確認されていることから、pressure ridgeの一種であると判断される。
 下流側に位置する浅く広い溝状の構造を中央部に有している溶岩は、その形態から判断すると、恐らく一時的に立ち止まった溶岩流から次々と流動部が流れだして、二次的に形成されていったものと考えられる。

pressure domeとpressure ridge
火山学の用語では、pressure dome(tumulus)は玄武岩質マグマなどの流動性の高い溶岩流が、進路を妨げられたりして形づくる構造で、溶岩流内部のまだ流動性にとんだ部分にかかった圧力によって生じる楕円形の盛り上がりであり、それが直線状に延長しているときにはpressure ridgeと呼ばれ、大抵その頂部に割れ目を伴っている。

lava channel
lava channelは、その形成過程を問わず、一般的に溶岩流の通路となった所であり、結果的に溝状の凹所となることもある。

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