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木曜会レポート20180215

本日、以下のとおり勉強会をおこないました。

20:00〜22:00 実技練習
22:00〜23:00 類経輪読

類経輪読では前回の続きで、前半は六つの脈(緩-急、小-大、滑-濇)の甚と微によって現れる五蔵の病症のうち、腎について学びました。
また、後半は各脈の病理と刺法についての解説をしていただきました。

その中で、今回は腎脈について考えてみます。まず、本文に【緩甚為折脊】とあります。

これは、その字のとおり腎脈が緩甚ときは骨に異常がおきるということです。
少陰の脈は脊中を通っており、その陰気が失せて骨の支えが無くなるために起こります。

次に、腎脈が微緩の場合、【微緩為洞洞者食不化下嗌還出】とあります。

これは、少陰の気がなくなることで、下焦に引き下ろす力(命門の火による)が不足することを意味します。
この場合、引き下ろすことが出来ないので、本来は口内から入って下降するはずの食物が、消化できずに胃内に留まり続けたり、反対に気が上に突き上げてくる所謂<上衝>などの症状が起こります。

それに関連して、私の知人でこのような例がありました。
ある日知人は、一日中休まず外で働いていました。
そして、夕食後に心下部あたりに不快感を覚え、就寝後胸苦しさから夜間に吐き戻してしまったそうです。
その際、同時に咳や微熱のような症状があったため、胃腸風邪を引いたのかと思ったそうです。

しかし、今回学んだ内容を鑑みると、これらは腎気が虚したことによっておきた症状だと分かります。
つまり、重労働によって腎の陽気までなくなり、食物が胃内に留まります。それによって、心下部に不快感を覚えて、場合により行き場をなくした未消化物が押し戻され、吐き出してしまう事態になってしまいます。
また、降りられない陽気が上焦に残ったままになるため微熱や、上衝による陽気の突き上げで咳などが起こったと考えられます。

私たちは普段、西洋医学的な見方に慣れてしまい、症状を個々に判断しがちです。
しかし、今回学んだ内容のように、脈と病理病症の関係を理解し、東洋医学的な視点を持てば治療の新たな可能性を患者に提供できるのではないでしょうか。

以上、木曜会レポートを終わります。

https://note.mu/projectk/n/n682ea931b43f

毎週木曜日は以下の勉強会を行っています。

20:00〜22:00実技練習
22:00〜23:00類経輪読

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