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20171015徳島部会特別講演~私の臨床~

本日、以下のとおり特別講演を行いました。

10:00~12:00 治療概要、症例解説
13:00~16:00 症例解説及び、臨床実技

今回は小泉智裕先生をお呼びしての特別講演です。
小泉先生は、馬場回生堂鍼灸療院の馬場白光先生、馬場道敬先生に師事されました。

冒頭部分では、白光先生の晩年の治療の考え方や、人となりをお話ししていただきました。
その中で印象的だったのは、不治の病を患った際に弟子に治療させたエピソードや、弟子の質問を『私に聞きたいことはないですか?』と積極的に受けるようになったということです。

徒弟制度では、「師匠に分からないことを直接聞いてはいけない」という暗黙のルールがあります。現在もそうですが、技術は見て盗むものという考えが根強くあり、それ故に年月をかけて習得することが当たり前でした。
白光先生はご病気の身になってから、自身の考え方を後進にもっと伝えたかったのではないかと思います。

白光先生の後進を育てる姿勢は、小泉先生の講義の質問への丁寧な返答や、臨床実技で惜しげもなく見せてくださるお姿から、しっかりと受け継がれていると思います。

また、午前の後半~午後にかけて、一般5症例・小児3症例・不妊5症例の症例解説をしていただきました。

小児の症例では、先天的に脳梁が欠損しており、更に滑脳症であったケースを学びました。
治療計画としては、『1ヶ月治療して改善されていれば継続して治療をする』ということで親御さんと合意し、治療に臨まれました。これは、馬場道敬先生が「毎日1か月治療を続けてみると変化があるかもしれない」という助言もあり、このように計画されたそうです。

近年の研究では、小児期(1歳5か月~3歳くらいまで)の脳細胞は再生するというデータがあります。この期間に治療することで、一般には適応症ではないような症状が、驚くような回復をみせることがあります。
「治療者側が治るかどうかの判断をしてはいけないと考えさせられた症例」と先生がおっしゃるように、たとえ適応症でなくともアプローチできる部分をみつける努力はすべきだと思いました。

一般症例では、飲食不摂生によって脾胃への負担がかかり、症状を悪化させた症例や、小泉先生が友人に食生活の改善を勧め、2~3週間ほど毎食の写真をみて助言をするというお話をされていました。
食生活改善を行った友人は、2ヶ月ほどで数値は概ね正常になったそうです。

このことから、治療行為だけではなくその人の病気になった大元の原因を正すことが最も重要なのだと分かります。このお話の場合は食養生でしたが、治療行為自体にも同じことが言えます。

治療に当てはめて考えてみると、六部定位脈診で部分的な虚実だけに捉われてしまうのではなく、全体の虚実をみて判断することが大切ということです。
私たちは治療した部分の経絡が整うことだけにフォーカスしてしまい、波及した先の症状などは見落としがちです。
今ある症状の原因がどこにあるかを、治療を受ける人の脈状、体表所見、問診の内容などからトータルで判断することが重要です。

今回の特別講義では、数々の症例解説や、臨床実技をおこなっていただきました。自身の治療に生かせるよう、精進していきたいと思います。


以上、徳島部会レポートを終わります。


徳島部会では、一年間のカリキュラムを通して指導しております。

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