長浜ローカルフォトアカデミー

長浜ローカルフォトアカデミーメンバーによる、リアルな長浜を発信していきます!

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うらくろ通りに打ち水をした軒先があった。

「どうぞ、いらっしゃい」と開いた店内から声がした。店主の堤泰二さん(64歳)が週に一度だけオープンする、『気まぐれカフェ』。 二間続きの座敷、奥に趣のある中庭。土間には看板犬のロクがかつてない暑さにうなだれていた。店内は何処もが古さと懐かしさがぎゅっと詰まった佇まいだ。 昔は蝋燭屋、その後祖父の代に新聞屋へ変わった。『近江毎夕新聞』という地元密着の新聞を発行していたが後に廃業し、商業施設の煽りを受け商店街の客足も遠退いた。 寂しくなる通りを活気付けたい思いで、奥様の伸江

    • 「これからは、おかあさんが幸せになるのが見てみたい」

      還暦を迎えたタイミングで娘に言われた言葉をきっかけに、ちいさな町で古書店を開きたいという夢を叶えた中村恭子さん。 福岡の実家で家事や介護を経て、以前から一度泊まってみたかった滋賀県長浜市にある季の雲のホテルに1泊。水路が巡る城下町の古い町並みを散歩していくうちに、すっかり長浜のことが気に入り、2011年に『さざなみ古書店』をはじめた。 丸くて大きな図工机にやさしい光が入るさざなみ古書店には、恭子さんが集めた本と、地元の方が持ってきた本が、ジャンルごとにきちんと本棚に置かれ

      • 「娘の言葉がきっかけに」

        ふらりと旅行で訪れた長浜に「ここに住んでみたい!」と、一目惚れしたと言う中村恭子さん。 2011年に福岡から移住し、大学時代からの「古本屋をしたい」という夢を叶え、『さざなみ古書店』を開きました。 きっかけは「これからはお母さんのやりたいことで幸せになって...」という娘さんの言葉。 母の介護などもあり、ずっと人のために尽くしてきた中村さんは、その言葉に背中を押され、還暦を機に人生のスイッチが切り替わります。 現在では年に何度か遊びに来るほど、娘さんも長浜がお気に入り。

        • 次世代のティーライフを長浜から

          JR長浜駅から歩いて10分ほど、長浜八幡宮に向かう道中に趣のある町家をモダンに改装された「レルブロイヤル・ティーハウス」があります。 お店に入る途端、おしゃれな茶葉サンプル、たくさんのガラスポット、芳しいお茶の香りが店内を包み込みます。 こちらのオーナーである小林雅弘さんは、もともと家業が鍼灸業で家業を継ぐために世界中を飛び回っておられましたが、普段の暮らしのなかで自然に楽しめて健康を維持できるお茶の世界に興味を持たれ、町家を改装したお茶研究のラボを兼ねたカフェを構えら

        うらくろ通りに打ち水をした軒先があった。

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        • 2018.7.16の取材
          7本
        • 集合写真
          0本

        記事

          大好きな本に囲まれ、大好きな町で生きる。

          滋賀県長浜市の商店街から少し離れた場所に、『さざなみ古書店』という古本屋さんがある。 その店の大きな窓ガラスから中を覗くと、大きな丸テーブルと、センス良く飾られた小物たちと、 図書館をイメージする整った本の陳列が目に入った。 店の扉を開けると「こんにちわ!」と素敵な笑顔で迎えて下さったのは、店主である『中村恭子さん』でした。 自分の夢を還暦をきっかけに、7年半前、福岡から長浜に移住し、地域の人との関わりを大切にしながら 大好きな本を販売されている。 恭子さんは、201

          大好きな本に囲まれ、大好きな町で生きる。

          自分の足で集めた有機栽培茶。自身で行うブレンド。じっくり丁寧に抽出されたお茶

          小林さんのカフェで飲むお茶は「からだにおいしい」。すーっと浄化されていくような感覚。不思議な味わいがあった。 小林さんのご実家は、お灸の製造販売業を営んでいる。日本では最近、お灸は漢方と同様、対処療法として用いられるようになり、欧米ではセレブが嗜む「特別な」ものになっていた。いずれも普段の生活とかけ離れている現状があった。そんな中、販路拡大のため訪れたモンゴルで、木の枝を燃やし患部に近づける民間療法を目の当りにする。病を防ぐのに、必ずしも「お灸」でなくていい-。そう気づ

          自分の足で集めた有機栽培茶。自身で行うブレンド。じっくり丁寧に抽出されたお茶

          昔は蝋燭屋。祖父の代で新聞屋。

          その新聞屋を継いで現在は日曜と祝日のみ開店する“気まぐれカフェ”を営む店主の堤泰二さん。ライカのカメラと愛読書の中でお店に立ち、のんびりマイペースに喫茶店を営んでいる。 懐かしい蚊取り線香の香りと畳の感触がノスタルジックで一気に昔に戻ったような懐かしさがここにはある。 お店で出されたアイス珈琲にはかち割り氷が浮いていて「カラン」と良い音色を響かせ、暑さを忘れさせてくれる。珈琲の横にはちょこんとお砂糖のいっぱいかかった卯の花ドーナツがあり、一口食べると甘い素朴な味が広がる。

          昔は蝋燭屋。祖父の代で新聞屋。