「これからは、おかあさんが幸せになるのが見てみたい」

還暦を迎えたタイミングで娘に言われた言葉をきっかけに、ちいさな町で古書店を開きたいという夢を叶えた中村恭子さん。
福岡の実家で家事や介護を経て、以前から一度泊まってみたかった滋賀県長浜市にある季の雲のホテルに1泊。水路が巡る城下町の古い町並みを散歩していくうちに、すっかり長浜のことが気に入り、2011年に『さざなみ古書店』をはじめた。
丸くて大きな図工机にやさしい光が入るさざなみ古書店には、恭子さんが集めた本と、地元の方が持ってきた本が、ジャンルごとにきちんと本棚に置かれていた。
「目標は、椎名誠さんが書いた『さらば国分寺書店のオババ』のような、恐いけどかっこいいオババになること」と明るく話す恭子さんのお店には、今日も本とおしゃべり好きな常連客が訪れていた。
お店を始めてから7年半。神戸に住む娘さんも、長浜が大好きで休みの度にお店に遊びに来ているそう。

『娘たちに幸せな姿をみてもらわないとね』と笑って語ってくれた。

三上

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