今日、FGOで五度目の爆死を経験しました。改めてFGOの、ソシャゲの闇を知った気分ですし、これが当たり前なら今が転換点だなと思いましたね。FGOのキャラとストーリーだけは大好きなので、今後は気持ちを極力込めないで遊びたいと思います。
　あと、気持ちを整理して区切りをつけるために、雑感をつらつらと。
　もともとFGOのゲーム部分、バランスや味付けが自分には合わないと思ってたので、距離を取るいい機会かも。

　俺は自他共に認めるロボット大好き、ロボットアニメ大好きな男なんです。でも、いわゆるバーチャロンやアーマード・コアのような『パイロットとなって戦うロボットゲーム』は絶対に遊びたくないんです。俺が好むのは、スパロボのような『指揮官として戦うロボットゲーム』なんですね。
　その場その場で毎回異なるシチュエーションに対処し、リアルタイムで駆け引きを行うゲーム、苦手です。こんなこと言うとオコサマだと笑われますが、思い通りにならないからです。自分でも、こうした3D視点のアクション系ゲームが下手なの、わかってますから。大好きなロボが、自分の下手さ故にやられるの、絶対に見たくない。バーチャロンは少しやりましたが、無理でした。
　スパロボは、自分で思い描いた戦術を実践し、育てた好きなロボで比較的低難度の中で大暴れできます。リセットすればやり直しできるので、当てて欲しい攻撃は常に命中率100％ですよ。
　え？意識低い？
　ゲーマーとは言えない？
　いいんです、俺はストレス受けたくないんで。
　勝負や戦いは求めてないんです。ワクワクとかハラハラとかは、いらないんです。安定して『勝てる勝負に勝つ』という安心感、理想の結果だけを常に迎えたいんです。そのためなら、なんでもやっていいんです。
　俺は、戦いよりも『戦いの準備作業』が好きなんです。
　キャラのレベルを上げ、一番いい武器防具を集め、万全の体制になって勝利が揺るがぬ確定された未来になって初めて、戦いたいんです。戦いとは、始めた時にはもう勝負がついてなきゃ嫌なんです。だから俺は、RPGでは入念にレベル上げ作業をするし、常に相手を圧倒して苦戦せずに勝つことに快感を覚えます。
　想定した理想に、無事に着陸する。
　そのために、前準備を一生懸命工夫し、努力する。
　戦いが始まったら、一方的な虐殺で駆け引きせず勝ちたい。

　若い頃は格闘ゲーマーでした。いろいろな格闘ゲームで友人たちと鎬を削りましたが、これも同じです。新作ゲームが出たらまず、対戦は絶対にしません。一人用プレイで持ちキャラを見定め、必殺技やコンボを入念にチェックし、操作を練習してから対戦したいんです。前準備をしないで戦ったら負けるのが当たり前だし、勝ってもそれは自分が積み上げたものじゃないと思えるんです。
　で、準備万端でゲーセンに行くとですね……みんな、次の新作をやってるんですね。
　それでいいんです、それが普通なんです。
　俺がおかしいんです。
　それでも相手してくる友達もいたし、対戦を楽しんだ時代はいい思い出です。
　でも、俺がゲームに求めているのは、安らぎと癒やし、俺だけが完全に勝利し続ける『現実から切り離された世界』です。自分が満足するのは、思った通りにやり遂げられること。そのためにしっかり準備をする、その作業こそが俺にとってのゲームですね。

　FGOには、この前準備の段階がない。前準備での努力は極論言えば無駄です。FGOは究極的には『ガチャが全て』です。運がよければ強い鯖を沢山引けるし、お金があればその確率を少しずつ上げることができる。運と現金でしか、前準備ができないんです。
　だってそうでしょう？
　レベル上げだって、最強キャラをレベル上げることが最善手に決まってる。
　それ以前に、絶対に推しのキャラを育てたいけど、運と大金が必要になる。
　運は、鍛えることができません。
　金は、普通の人には限りがあります。
　FGOは『前準備に努力が必要ない、努力のしようがないゲーム』なんです。
　それでも自分なりに、石を節約し、せっせと集めて、欲しい☆5のために最低100連回せる環境を用意して挑みます。でも、この努力は確実には実らない。それがガチャなんです。逆に、前準備してない人が運良く☆5を引く。
　努力した者が報われないのは、俺は嫌いです。
　きっと『ながやん、あんなに沢山☆5引いてるじゃん！』って思う方もいるかもしれません。全然足りないんです。推しを全部集め、全員最強キャラに育てないと気がすまないんです。どんなゲームでも常にそうしてきましたが、FGOではそのための前準備を頑張れないんですよね。

　なにも、最強の人権キャラを宝具5にしたいって訳じゃないんです。推しの子を引かせてほしいんです。でも、俺には推しの子を引くための努力がなにもできない。運は鍛えられないし、お金は俺には増やせない。無職だから。
　推しを引くためにオカルトに頼ったし、一種のネタとして楽しんでました。
　絵師さんが『描けば出る』と言うので、俺は文字書きだからと毎回引きたい推しの短編小説を書きました。ガチャをタップする時『トレース・オン』って喋るのも試しました。これらはジンクスであり都市伝説、自分も本気にしてはいませんが。
　でも、それでも頑張ってやってきたのに、何度も爆死させられる。
　じゃあ、なにをどうやれば推しを引けるのか。
　☆5の排出率は1％、理論上は100回に1回の確率ですが、100回やれば必ず1回引ける訳ではありません。どこのソシャゲも、ガチャはメインコンテンツだし、収入源でしょう。確率の数字については、言うことはなにもないです。
　引きたいキャラを引いた時、歓喜より先に安堵が来る……俺はそういう人間です。
　俺には、推しを引けなかった時の怒りと憎しみを解決する手段がない。
　推しを引くためにできることがない、前準備なしに勝負を強いられるゲームは嫌だ。
　そういう訳で、これからはFGOに力を入れず流して遊ぶことにしたんです。

　FGOで一番楽しい時、それは『推しのキャラを育ててる時』です。でも、当たり前ですが前段階で推しを引かなければいけない。いないキャラは育てられないから。逆に、引けさえすれば自分のペースに合わせて育てられる。
　俺は駆け引きや勝負が嫌いです。
　FGOの理不尽で不条理なゲームバランスも嫌いです。
　だからもう、真面目に気持ちを込めて遊ぶのはやめます。
　でも、今まで育てたキャラを捨てられないから、やめられないんです。
　怒りと憤りが常に燻ってるので、友人とのFGOの話も極力避けます。
　もう、課金もしません、したくありません。
　それでも、本当にやめられない。

　こういう話をすると必ず『みんな爆死するよー、俺もしたよー、俺なんかさー』って言う人いますよね？でも、俺は人格が歪んでるから、つい思うんです……『他人の爆死は俺になにをもたらすんだい？なにか俺が得するのかい？いやされるとでも？』って。だって、同じFGOしてても、関わりがないですからね。慰め励ましてくれる気持ちは理解できます。ありがたいです。ありがとう。でも、嬉しくないんです。
　俺は小さい頃から、劣った人間でした。
　なにも成功体験をしないまま、病気になって、人間不良債権として暮らしてます。
　俺の中に、常に怒りがあって、怨嗟と憎悪に満ちています。
　そういう人間でしたので、必ず『人は人、俺は俺』を自分に言い聞かせてきました。そう思わないと、卑屈な劣等感で死にます。マイペースでコツコツやることしか、人と並ぶための方法を知らなかったんです。それしかないです、ホント。だから、新しい格ゲーが出てみんなが対戦しまくってても、俺は俺でコツコツとキャラの操作や基本コンボを練習する訳です。別にいいんです、人は人、俺は俺だから。
　そういう風に頑張ってきたため、他者との共感というものが凄く希薄です。
　親しい人が悲しんでる、苦しんでる時は力になってあげたい。
　楽しい時や嬉しい時を、祝ってあげたい。
　でも、俺が悲しい時、誰も俺を救えないと思ってます。なるべく見せないようにしてます。座右の銘は『秘すれば花』なんですが、最近は無様が続いてますね。
　俺が嬉しいことを見つけても、こっそり一人でほくそえむ、その程度でいいんです。喜びは他者と分かち合いたいけど、打ち明けたら馬鹿にされて台無しになることだってある。好きな作品を勧めても、嫌な顔をされることだってある。だったら、一人で楽しめばいいんです。

　FGOは俺には、難し過ぎるゲームでした。それを楽しそうに遊ぶ友人知人が、俺には別次元の宇宙人に見えてます。彼ら彼女らは、FGOを楽しむ能力を持ってる。俺は持ってない。それだけじゃないですか。友人知人にも嫌なことや悲しいこと、爆死の辛い経験があるでしょう。でも、それは俺になんの慰めにもならないし、逆もしかりだと思ってます。
　ずっと、FGOをやってると『嫌ならやめろ』って声が聴こえてました。
　もう、見えない声に悩まされることはなくなると思います。
　スッパリやめられないのが本当に悔しいです。苦労して集めた推しを、人質に取られてる気分です。嫌ならやめろって繰り返し言ってくる癖に、絶対にやめさせまいとしてくる。

　わかってます、俺は病気です。
　FGOは健全で健やかな健常者様の娯楽です。
　メンヘラなんざ引っ込んでろ、ってゲームですよね？
　俺は素晴らしい作品には金を払うべきと思うし、FGOは課金する価値があると思ってました。でも、逆なんです。課金しないと価値が生まれないのがFGOなんです。そして、課金しても必ず価値を生むとは限らないんです。
　そんなゲームに付き合ってられません。
　理不尽で不条理で、不愉快きわまりないゲームバランスにも憤慨しています。
　でももう、イライラしなくて済むようになりました。
　もう、繰り返し響く『嫌ならやめろ』って声も、聴こえなくなるといいなあ。