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みな、やっとの思いで坂をのぼる

不知火海を見下ろす丘の上に水俣病センター相思社はある。 2004年の水俣病関西訴訟の勝訴にともない、「自分も水俣病ではないか」との不安を抱える数千の人たちが、いまも患者相談に訪れる。 著者は、相思社での患者相談などを担当する日常のなかで、自分の生まれ故郷でいまもタブーとされる水俣病事件の当事者たちと接するようになり、機関紙で「水俣病のいま」を伝えるための連載「患者相談雑感」を開始した。 本書は、本連載をもとに大幅に加筆して一冊にまとめた記録だ。 「やっとの思いで語り出した人びとの声」がここにある。 上製・特装版のカバーは水俣のアーティスト「HUNKA」によるシルクスクリーン印刷。

【目次 】
第1章 「私も水俣病だと、娘には言わないでください」/第2章 なぜ患者相談か/第3章 差別してきた人たちもまた患者となる/第4章 悶え加勢する/第5章 「息子に蹴られた背中が痛くて」/第6章 “私”が当事者だ/「あとがき」にかえて 問われて語り始めるとき/附章 水俣病センター相思社の紹介

【著者紹介】
永野三智 : 1983年熊本県水俣市生まれ。2008年一般財団法人水俣病センター相思社職員になり、水俣病患者相談の窓口、水俣茶やりんごの販売を担当。同法人の機関紙『ごんずい』に「患者相談雑感」を連載する。2014年から相思社理事、翌年から常務理事。2017年から水俣病患者連合事務局長を兼任。『みな、やっとの思いで坂をのぼる―水俣病患者相談のいま』は初の単著

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