【茅野】2年間をまとめ、そして来年度へ!〜本番当日編〜
茅野市民館での中間発表、当日の2月23日(木・祝)
この日は11時に「とっておきダンサーズ」も集合し、最終確認をします。
本番は14時開演。
受付の準備も着々と進められます。
たくさんのお客さまにお越しいただきました。
客席の灯りが消えると、みちのちのの特別な「オリジナル木遣り」が響き渡ります。
これは5月の御柱祭リサーチの際、出会って「木遣り」をご披露いただいた田島さんのお声です。
今回、田島さんにお願いして中間発表のために録音させていただいたもの。本編では存分に使わせていただきました。
「木遣り」とは御柱を曳いたり建てたりするときに力を合わせる合図となる、独特な節回しの掛け声のようなものです。
「とっておきダンサーズ」の加藤さんが、森下さんの八ヶ岳縦走の時に感じた思いを綴った文章を朗読し、その後ろでは森下さんご本人が「山」を登ってゆきます。
森下さんとともに転がり出てきました。
※開場してから30分間、実は石川さんはテントの中にいたのでした。
この曳き綱、茅野市民館が位置する塚原地区のもの。今年はトラックで運んだ柱がいくつかあり、実際曳行には使われなかったものをお貸しいただきました。
石川さんは一旦客席へ。
その後は、田島さんの木遣りに合わせて森下さんのソロダンスです。
実は森下さん、八ヶ岳縦走中に田島さんの木遣りで「かつてないかっこいいダンスを舞台上で踊っている自分」を夢に見たそう。
その時は田島さんにも舞台に上がっていただき、生で木遣りを「鳴いて」いたそうですが、今回は録音。本公演では田島さんとの生共演、実現したいものですね・・!
御柱祭をイメージした振りから始まるソロダンス。
4つの柱を立てると結界が張られます。
合わせて踊る曲によって、印象が全く違います。
森下さんはそれに関して、「音楽」というものに強い嫉妬と憧れがあるのだということを話してくれました。
同じダンスでも音楽によって、カッコよくなったりきれいになったり面白くなったり。
体は、動きは、音楽に左右されてしまう。持っていかれてしまう。
そのことに悔しさや、羨ましさを感じるのだそうです。
踊ることで音楽になりたい、そんなことも言っていました。
だからこそ、今回「木遣り」で踊ったことは森下さんにとっては、とても重要だったのかもしれません。
10分間の休憩を挟んだ後は、石川さんのトークです。
茅野市民館の久保さんからご紹介があり、石川さんが登場。
地図を見ながら、昨年出掛けた遠征先を振り返ります。
最後に質疑応答の時間。
「山へ向かうモチベーションはなんですか?」という質問に対して、石川さんが答えられた時の言葉が印象的でした。
その日は開演前と終演後、石川さんが好きだというジョン・レノンの「Beautiful Boy」という曲がかかっていました。(森下さんの選曲です)
その曲の歌詞の中で、
「Life is what happens to you While you’re busy making other plans.」
という部分を引用し、人生は自分で予期していなかったことが起こるし、思わぬ方向へ逸れて行くこともある。
うまくいかないと思うことも含め、 「こうなりたいと思う自分になれなかったりする」それが人生なのかもしれない、ということをおっしゃっていました。
この回答には、客席からため息のような
はっと息を飲むような空気を感じました。
去年の遠征の中で、石川さんはカンチェンジュンガという山へのサミットプッシュ(ベースキャンプから山頂を目指すこと)の途中、案内をしていたシェルパチームが道を間違えてしまい、一度里まで下りることになってしまったそうです。
その後、1週間ほど休養をしたのち、改めてチャレンジし目的の頂上へ到達しました。
思えば、茅野でのお二人の滞在は今年度、思う通りにならなかった事はたくさんありました。
蓮畑ダンスは実際に参加者の市民の皆さんと一緒に畑に入って踊る予定でした。
八ヶ岳登山は石川さんと一緒に「全山」縦走する計画でした。
「ピンク色に染まる八ヶ岳」を見るため、12月に訪れる目標は昨年度からまだ叶っていません。
しかし、その代わりに蓮畑ダンスはそれぞれのとっておきの茅野で踊った映像を集めることになり、より鮮明に多くの人に皆さんの「とっておき」をお伝えする事ができました。
全山縦走はできませんでしたが、部分的に石川さんと登ることはでき、残りの登山を今回の滞在でお客さまに発表するとともに石川さんに報告する事ができました。
まだ出来ていない、様々なことは4月以降の2023年度の滞在でまたいろいろな形に変えて実現されていくことと思います。
さて、来年度の本発表まで約1年。
森下さんと石川さんの茅野での滞在はこれから、さらに深化し、また市民の方々との繋がりは強くなっていくでしょう。
これまでで集めたリサーチの種は一体、どんな形で芽を出していくか
乞うご期待です!
(文・村上 梓)
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