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実力・能力はあるけれどコネ・知識がなくて困っている起業家向けのファンドをa16zが設立

題名のコンセプトのファンド、Talent × Oppotunity Fund (TxO fund)をシリコンバレー著名VC、a16zが設立。

従来のa16zファンドではシード以降のシリーズがほぼ大半であったがこのファンドの対象はさらにその前段階のプレシードのステージ。対象スタートアップのステージとしてはY Combinatorと一緒で、さらに両者共に、スタートアップ創業者に対して数ヶ月のトレーニングプログラムを提供する、という点も非常に似ている。以下、簡単に比較してみたい。

<Y Combinator>
・プログラム内容:期間中、週に1回ディナーを開催し著名なスタートアップ創業者やベンチャーキャピタリスを招聘、起業家に必要なソフトスキル(マインドセットなど)とハードスキル(エクイティファイナンスなど)をレクチャー。プログラムの最後に投資家向けピッチイベントを開催
・投資方法:$150k, 保有比率7%(ポストマネーベース)で出資
・資金拠出形態:SAFE(Simple Agreement for Future Equity)
・創業者の経営裁量を尊重するため、議決権・取締役就任などはスタートアップに要求せず
・将来の資金調達ラウンドでは株式持分比率維持のためプロラタベースで出資に参加
・尚、NPO法人に対しては返済義務のないDonation形態で$100k拠出

<a16z TxO Fund>
・プログラム内容:参加スタートアップは10ヶ月のプログラム(オンライン・オフライン両方を提供、メンター及びa16zがこれまで築いてきた豊富な外部ネットワークを通じたアドバイスを提供
・投資方法:不明
・ファンドサイズ:第一弾は$2.2M。a16zのパートナーによるドネーションが資金源
・将来の資金調達ラウンドでは株式持分比率維持のためプロラタベースで出資に参加
・ファンドリターンについては100%リサイクリング(再度スタートアップ投資に充当)

Yコンビネータのプログラムはそれ自体から収益を生み出すためのビジネスとして設計されている一方a16zのプログラムはまだ始まったばかりということもあり、またファンドの資金源が寄付、ということもあり、ここで儲けていこう、というよりはCSR的な観点の多い取り組みにも見受けられる。だが、a16zの豊富な外部ネットワーク・ビジネス開発ノウハウを活用できるのはスタートアップ にとって大きなメリットであり、もし自身のある人は応募フォームも公開されているので、挑戦してみても良いのでは。(ただし、初回プログラムは米国内のスタートアップ限定。。涙)

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