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子供が通うプログラミング教室を見学しながらふと教室の収支計算をしてみる

現在、私の子供はプログラミング教室(小学生向け)に通っている。どちらも保護者の見学が可能であるため、授業の様子を見せてもらっている。

どちらも授業の時間は1時間で、講師は正社員の方が1〜2名、その他サポートとしてアルバイトで入る方々が数名という陣容である。ふと、この1教室で毎月どのくらいの収支になっているのか気になってしまい、全て仮定の数値を元に計算をしてみた。

  • 1クール当たりの生徒数は10名程度。

  • 平日は学校が終わってからの授業となり、16時、17時、18時の3クラスが開講していると仮定。

  • 一方で休日は朝から授業ができるので、9時、10時、11時、13時、14時、15時の3クラスが開講していると仮定。

  • 場所は東京の23区外。オフィスビルの一画であり、居住用マンションのようにトイレやキッチンがないシンプルなワンルームで面積は約60㎡。賃料・共益費は25万円と仮定。

  • プログラミングスクールの方はパソコン代、オフィス事務用品代、プログラミングコンテンツ代等合わせて初期投資300万円くらいはかかっていると仮定。オフィス事務用品のランニングコストとして3万円/月と仮定。

  • 講師数はプログラミング教室は1名(正社員)、サポート4名(アルバイト)と仮定。と仮定。

この前提だと、プログラミング教室の月別収支の推移、累積損益の推移はおおよそ以下の通りとなる。

月別収支推移
シミュレーションの前提となる仮定

月収90万円に対して約85万円の費用なので毎月約5万円の利益が手元に残ることになる。一方で初期投資が300万円かかっており、この投資回収(現在価値の概念はここでは適用しないこととする)の観点では300万円➗利益5万円=60ヶ月、つまり5年かかることになる。

もう少しこの投資回収を早めるにはどうすれば良いか。
①授業料単価を上げるか、②生徒数を増やすか、③もしくは講師等の固定費を減らすか、だろう。

①について:授業料単価は昨今の値上げ基調の中で受講生からも許容されやすいと想定されるため、以下では10%アップの11,000円のケースを想定してみる。

②について:1クラスあたり1人追加も想定したいが、これには顧客獲得費用が大きくかかるし、1クラスあたり1人の生徒を増やすのは労力もかかる。また、プログラミング教室は途中での退会(転校等の事由による)も想定されるため、ここでは退会分と新規顧客獲得をトータルし、10人のままと想定した。

③について:短絡的に考えればアルバイトの数を減らせばその分利益は残る。だが、その分プログラミング教室の授業内容の質が落ちると仮定し、人数は据え置きとする。

というわけで、一人当たり単価を10%値上げした場合の収支および累積損益の推移は以下の通りとなった。

授業料10%値上げ時の収支
シミュレーションの前提となる仮定

この場合、毎月約14万円の利益が手元に残ることになる。一方で初期投資が300万円の初期投資の回収期間は300万円➗利益14万円=21ヶ月、つまり1.8年(おおよそ1年と10ヶ月)まで一気に短縮する。このくらいの期間で初期投資が回収できる蓋然性があれば投資判断としてはGoだったのではないか。

子供のプログラミング教室の授業を見た後、値上げの威力を想像しながら妄想した休日であった。

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