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表裏

 口は災いの元である。不用意に、無用なことを話さない方が良い。そうではあるのだが、なぜか「何かを書きたい」気持ちもあって、不用意に無用なことを、日々noteに書き連ねている。口も、筆も、災いの元。現代風に言えば、キーボードやタッチパネルは、災いの元。とにかく、表現は災いと表裏一体である。

 何かを表現することは、「私はこういう人間である」と表明することだ。世界に自分を投げ出す行為であり、投げ出したが最後、時に嫌われ、否定され、攻撃される。実は、反応があるだけまだマシで、世界にただ一人、孤立することもある。むしろ、その方が多い。一方で、暗いことばかりでもない。表現することで、時に好かれ、肯定され、応援されることもある。どうなるのかは、世界に自分を表現してみないとわからない。

 よくよく考えてみると、生きること、世界に存在すること自体が表現である。人は、積極的であれ、消極的であれ、何かしらを表現せざるを得ない。どのみち好かれ嫌われ、肯定され否定され、攻撃され応援される。そうであるならば、黙っているよりも、他者の表現を尊重する限りにおいて、自分を表現する生き方が、面白そうである。

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