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旅の話.4 ダーウィン③

ある日の出来事

ホームステイ生活を始めて間もない頃、NightCliffに市民プールがあると教えてもらった。海沿いの岸壁の上の広場のような所にそのプールはあった。ちょっと遠いけど自転車で何度も通った。
50mプールと、芝生のプールサイド、あと空と海が見えるだけの、すごく気持ちのいい場所だった。水温だけ、ちょっと冷たすぎた。
芝生の上にレジャーシートを敷いて、泳ぎ疲れたらそこに寝っころがって、日光浴をしたり、文庫本を読んだりした。

ある時、目の前に「ボトッ」と何かが落ちてきた。
椰子の実かな?危ないな・・・と思ったら、それはエリマキトカゲだった。
子供の頃好きだったテレビ番組「わくわく動物ランド」で、見たまんまだった。2本足と尻尾で立って、手を前にだらんと下げて、テケテケと小走りしてどこかへ行ってしまった。
そうか、ダーウィンにはエリマキトカゲがいるんだ、と嬉しく思った。

それから、至る所でエリマキトカゲと遭遇した。
近所の公園にも、大学のキャンパスにもいた。
15cm位の小さいのから、50cm位の大きいのまで。
友人がふざけてちょっかいを出したら、怒ってエリマキを広げて威嚇して来た。エリマキトカゲの代名詞とも言えるこの行動。後で知ったが、これはなかなか危険だった。追い詰められたエリマキトカゲの「これ以上やったら、こっちもやるかんな」のサインだった。指をだしたら噛み千切られていたかも知れないと言われ、怖くなった。

エリマキトカゲに限らず、ダーウィンにはトカゲが多い。
夜になると家の窓に1~2匹張り付いている。光に寄って来る虫を食べる為だ。そう言えば、家にくもの巣とかも無かった気がする。虫にとってトカゲは天敵だ。

でもハエは多い。これはオーストラリア全域の話だと思うけど、アウトバックでは特に多い。屋外で飲食すると、コップのふちには当たり前のようにハエが数匹とまっている。最初は「げっ」と思ったけど、すぐ慣れちゃうもんで、飲むときに追い払えばいいだけの話だった。


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