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[都議会]性暴力被害者への支援について(2018.11.28 警察・消防委員会)


少し前のことになってしまうけれど
昨年11月28日の
都議会警察・消防委員会の議事録が
ようやく出たので
その質疑について、書きたいと思います。

わたしは、その日の質疑の中の
大山とも子都議の
“性暴力被害者への支援”についての質問がとても重要だと思いました。


①被害者の望む性別の警察官が対応

まず、大山都議は
「被害者は心身ともに傷ついていますから、それ以上傷つけることがないようにすることは重要」であるとして
「被害に遭ったら、被害届は警察へ出すことになります。女性の警察官が対応するようになってきたとはいわれていますけれども、どのような状況になっているでしょうか。」と質問。

それに対する答弁は

大賀刑事部長:警視庁では、被害者の精神的負担を軽減するため、また被害の潜在化の防止を図るために、被害者の望む性別の警察官によって対応ができるように、本部や警察署の性犯罪捜査を担当する係への女性警察官の配置等の取り組みを推進しているところでございます。

というものでした。

わたしは、ここで
「女性警官」と言わず、「被害者の望む性別の警察官」と答弁したことは
とても重要だと思います。
実際、“異性のほうが相談しやすかった”という被害者の声を聞いたこともあり、
同性のほうが話しやすいだろう、とまわりが先回りして決めつけることは、してはいけないと思っています。


② 全ての警察官に対する教養の徹底

次に、大山都議は
「警察に行って、不用意な言葉がけで二次被害となることもある」と指摘し、
具体的には
“記憶があるといったのに、ところどころわからないというのがうそつきだとか、動悸と震え、過呼吸になって汗がぽたぽたと落ちると、震えずにしっかり話せとどなられた”というものを挙げました。
そして、
「被害届を出すのは被害に遭った場所の最寄りの警察署になりますから、直接対応する警察官はもちろんのこと、性暴力がどういうことなのか、被害者は心身ともにどういう状況になるのかということを初め、ソーシャルワークの基本的なことは全ての警察官が学習することが必要だと思いますけれども、認識と現状及び計画はどうなっていますか。」と質問。

それに対して

大賀刑事部長:性犯罪被害者の精神的負担の軽減、被害の潜在化の防止、こういったことを図るためには、特に被害者に対する対応が適切になされることが極めて重要なことであると認識をいたしております。
 そこで、全ての警察官が適切に対応することができるよう、警察学校の初任科入校時から性犯罪被害者の心情を理解し、その人格を尊重するような教養を行うとともに、捜査員に受講させる各種講習におきまして、犯罪被害者の心理に精通した臨床心理士の資格を有する警察職員による事情聴取要領等の講義を行っているところでございます。
 引き続き、全ての警察官に対する教養が徹底されるよう努めてまいります。

という答弁がありました。

警察での二次被害は本当に深刻だと思います。
被害を受けて深く傷つきながら
それでもなかったことにしたくないと
声を上げようとした人に
警察という本来被害者に寄り添うべき組織の人間が、心ない言葉を投げつけるようなことは
起きてはなりません。
そして、
いくら答弁で良いことを言ったとしても
現場の対応がそうならなければ、意味がありません。
「被害者に対する対応が適切になされることが極めて重要」と答弁するのなら、現場がきちんとそういう認識と対応になっていってほしいと強く思います。


③被害者以外の同席について

最後に大山都議は
東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援事業と連携して、SARC東京は警察などへの同行も支援していることに触れ、
「それは、被害者本人が心細くて、どうしていいかわからない被害者に寄り添う必要があるからです。同行して警察官が本人から事情を聴取するときも支援員が同席することは重要だと思いますけれども、いかがですか。」と質問しました。

それに対して

大賀刑事部長:被害者からの事情聴取に当たっては、その心情に配意しつつ、具体的状況に応じまして被害者以外の方の同席を認めるなど、適切に対応することといたしております。

という答弁がありました。

わたしは、
これも、とても大事な答弁だと思います。
支援員などが同席できるかどうかで
被害者の心理的負担は違ってくるのではないか、と思います。


性暴力で傷ついた被害者が
警察に行くことでさらに傷つくことがないよう、
警察の対応改善などを
わたしも、今後も求めていきたいなと思います。

都議会常任委員会の質疑は
総務委員会以外はネット中継がされておらず
(全委員会が中継されることは決まっている)
議事録が出るのも本当に遅いため
大山都議が性暴力被害者支援について質問した、と聞いてから、ブログに書けるまでに
こんなに時間がかかってしまいました。
議事録をもっと早く公開することも、求めていきたいと思います。

※写真は、2018年3月19日の警察・消防委員会。二次加工、SNS以外での無断転載はご遠慮ください。

#性暴力被害者支援 #都議会 #共産党 #大山とも子 #性暴力 #性犯罪



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