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[都議会第3回定例会]総務委員会を傍聴しました②


10月3日は総務委員会、
意見表明と採決が行われました。
共産党からは修正案、
立憲民主党・民主クラブからは付帯決議が出されました。
それぞれの内容と
各会派の賛否について
メモを取れた範囲で書きます。


はじめに、
立憲民主党・民主クラブから出された付帯決議について。
その内容は以下の通りです。

1.オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現に当たっては、東京都人権施策推進指針に掲げられている十七の人権課題を含めて取り組むこと。
2.都は、性自認および性的指向を理由とする不当な差別的取扱いがなされることのないよう、都営住宅への入居を始め、各種施策についての検証を行い、適切な措置を講ずること。
3.都は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動について、どのような言動が該当するか、具体的な例を列挙・明示するなど、都民等にわかりやすく示すこと。
4.都は、公の施設の利用制限について、必要不可欠な場合に限定するとの認識の下、利用制限する場合の基準を明確にするなど、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないよう具体的措置を講ずること。
5.都は、都民等の本邦外出身者に対する不当な差別的言動以外の表現活動が萎縮しないよう、積極的に啓発をすること。

わたしは特に②については
大切だなと思います。
また、③についても、あくまで“具体例である”ということに留意しながら、例を示すことは必要だと思います。

この付帯決議についての賛否は次の通り。

都民ファーストの会(6人):反対
公明党(2人):反対
自由民主党(2人):反対
日本共産党(2人):賛成
立憲民主党・民主クラブ(1人):賛成
生活者ネットワーク(1人):賛成
※議長は自民党であり、採決の人数からは除く


次に、共産党提出の修正案について。

《修正案の理由と内容》
公の施設の利用制限の基準は慎重かつ多角的に検討する必要があるため、条例第十一条で知事が公の施設の利用制限の基準を定める際に、審査会の意見を聴くという義務規定を下記のとおり追加します。
第十一条 原案通り
(追加)
2 知事は、前項の基準を定め、または改正するときは、審査会の意見を聴かなければならない。
人権を扱う条例の重要性を鑑み、施行後も不断の検討を行う必要があるため、附則の3で条例施行後、3年後に見直し・検討、必要な措置を講ずる規定を下記のとおり追加します。
附則 1及び2 原案通り
(追加)
3 都は、この条例の施行後三年を経過した場合において、この条例の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

①については
前日の質疑でも、都の姿勢は
知事から必要があるときに意見を聴く形で良い
というものであったため
とても重要であると思います。

この修正案に対する各会派の賛否は
次の通りです。

都民ファーストの会:反対
公明党:反対
自由民主党:反対
日本共産党:賛成
立憲民主党・民主クラブ:反対
生活者ネットワーク:反対


そして、
第169号議案
東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例
について、
各会派の賛否は次の通りです。

都民ファーストの会:賛成
公明党:賛成
自由民主党:反対
日本共産党:賛成
立憲民主党・民主クラブ:賛成
生活者ネットワーク:賛成

自民党以外が賛成し、
総務委員会で、この条例は可決、
5日の本会議で採決されます。

なお、この賛否は
あくまで総務委員会に委員を出している会派の賛否であって、
かがやけ Tokyoや、日本維新の会の賛否は
本会議で明らかになります。
現時点で、自民党のみが反対、とするのは誤りです。

自民党は、条例に反対し、
委員会の冒頭で、継続審議を求める動議を提出しました。
提出に際しての発言は
要約すると次のようなものでした。

◇政府・企業・区市町村との調整や、関係団体・都民の意見を聞き、理解を得るべきで、参考人招致も行うべき。
◇“不当な差別”についての定義が明確ではない。
◇ことさらに性的指向ばかり取り上げてはならない。
◇このまま成立させれば言葉狩りになり、意図せぬ対立がうまれ、当事者を傷つけることになる。

この動議には
自民党以外の全ての会派が反対しました。


改めてわたしはここに
この条例が「LGBT条例」と呼ばれることへの違和感を書きたいと思います。
これは、いわゆるLGBT当事者のための条例なのでしょうか?
わたしは、違うと思います。
性的指向も性自認も、LGBT当事者だけの問題ではないはずです。全ての人に関わることであるはずです。
性的指向・性自認=LGBT
ではないとわたしは思います。
ですから、
この条例を、LGBTに特化した条例、と呼ぶのは誤りであると思うし
そう呼んでほしくないと思います。

原のり子都議は3日の質疑で
この条例はカミングアウトが前提になっていないこと、性自認も性的指向も全ての人に関わることから
当事者だけでなく、違和感を感じている人などの支えにもなると述べました。
条例が施行されることは「あなたがいま悩んでいることで、差別を受けることはない」と言うことになる、と。

わたしは、原さんのその発言に
心から共感します。
ひとりでも多くの人に
条例をそう受け止めてほしいと思います。

自民党の、
性的指向をことさらに取り上げてはならない
なぜLGBTとヘイトスピーチだけを取り上げるのか
という批判は的外れであるということを
ここにハッキリと書いておきたいと思います。

5日13時からは本会議。
各会派が討論を行います。
人権条例について、各会派がどのような意見を述べるのか、注目したいです。
(インターネット中継もあります。)

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#人権条例 #性的指向 #性自認 #総務委員会 #原のり子 #日本共産党


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