新宿の南口の路上で。

「ちょっと、お話いいですか？」

と声をかけられました。

僕はそこでも何気なく
「大丈夫です。」
と断ったのですが
妙に違和感があることに気づきました。

（大丈夫じゃないのに
大丈夫って言ってるなあ・・）って。

ついつい出てくる「大丈夫」

「大丈夫？」と聞かれると

「大丈夫」って答えてしまいます。

コンビニで
「ストローつけますか？」と言われて
「大丈夫です。」と答えてしまいます。

どちらも本心は
大丈夫じゃないです。

「ちょっと辛いです。」
「いらないです。」

なんとなく、
英語のNOの表現に似ています。

英語の教科書に最初に出てくる
「I'm fine.」
の意訳が「大丈夫」なのも
不思議な縁を感じます。

知らず知らずのうちに
僕たちは「大丈夫」に
侵食されていたわけです。

便利なようで
非常にやっかいな言葉です。

大丈夫の9割は大丈夫じゃない

YESともNOとも受け取れる「大丈夫」

最近どうも、この言葉自体が
いろんな人間関係の歪みを
引き起こしているのでは！？と感じています。

「大丈夫」と答えられたせいで
処置が遅れることもよくあります。

「仕事進んでる？」と聞いて
「大丈夫です。」と答えられ、
本当に大丈夫だと思っていたら
納期ギリギリになってダメだったり

「大丈夫大丈夫・・」
と言っているうちに
熱中症で倒れたりします。

「大きな堤防あるし大丈夫だろう。」
と思っていたら
家中水浸しになっていたりします。

100人乗っても大丈夫！な物置きは
余裕とは言っていません。

「大丈夫」って言葉が出るってことは
ホントは大丈夫じゃないんです。

※本当に大丈夫なときは
「何が？」「どこが？」
と返ってくると思います。

大丈夫？って聞くのも問題

で、今言ったのは
答える側の「大丈夫」の例ですが

実は尋ねる側も
「大丈夫？」と聞いてしまうせいで
トラブルになることがあります。

明らかに体調が悪そうな友だちを
気遣っているのに
「大丈夫？」と聞いてしまうので
「大丈夫。」と返されてしまいます。

「大丈夫？」と聞いてしまったので
心配していても何もできなくなります。
力になれず、無力感だけが残ります。
そして事態が悪化すれば、自信を失います。

心配してくれたことを
嬉しく思う人もいる一方で
「大丈夫なわけないじゃん！！」
と言いたいけど言えないでいる人もいます。

心配しているのに。
心配してくれているのに。
反発したくなってしまいます。

すべては、

『大丈夫』

この言葉を使ってしまうからです。

大丈夫を禁句にしてみよう

大丈夫がやっかいすぎるので、使わないでみましょう。

心配されたい人も、
誰かにやさしくしたい人も、

「大丈夫」を別のフレーズに
置き換えてあげることで、
いろんなことが解決します。

元気ならば「元気です。／順調です。」
いらないなら「結構です。／いりません。」
体調が悪いなら症状を言いましょう。

もし、ついクセで
「大丈夫。」と言ってしまった場合、
「ありがとう。」を付け足しましょう。

「大丈夫です。お気づかいありがとう。」
と一言添えるだけでも
お互い余計なストレスになりません。

逆に尋ねる場合は、
具体的な提案に換えると良さそうです。

「大丈夫？」ではなく
「どこが痛い？」と
一歩踏み込んでみたり

「何か飲む？」とか「しんどい？」とか
提案や共感の言葉に換えます。

「（あなたは）大丈夫だよ。」
と励ますのではなく
「頑張ってるよ。偉いよ。」
などの別の言い方にします。

地味に「しんどい？辛い？」は強力です。

「大丈夫？」と聞かれると
「大丈夫！」と強がりたくなりますが

「辛い？」と聞かれると
「少しね・・」と甘えたくなります。

本当に心配なときは
「辛い？大変？苦しい？痛い？」
と踏み込んだ質問にしましょう。

相手に思い当たるものがあるときは
「大丈夫。」を嘘をつくか
「頭が痛いの。」
と具体的な答えが返ってきます。

本当に大丈夫なときは思い当たる節がないので
「何が？」「どこが？」
です。

提案型の気遣い

誰が苦しい顔をしているときに
うろたえてしまって言葉が出ないときも
何か提案をしてあげるといいです。

「大丈夫ですか？」ではなく
「席に座りますか？」とか
「手伝いましょうか？」などです。

気遣いを提案の形にするだけで
相手は答えやすくなります。

「大丈夫？」に逃げずに
提案型の気遣いができる人は
男女問わずモテる気がします。

人間として好かれます。

「大丈夫」を言いそうになったとき
この記事を思い出していただいて
違う言葉にしてみましょう。

少し状況が良い方向に変わるかもしれません。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

nagatouch