19/5/25 中央大学連続公開講座「LGBTをめぐる社会の諸相」第一回「LGBTと統計」レポート&感想

2019年5月25日(土)、中央大学による連続公開講座「LGBTをめぐる社会の諸相」の初回である「LGBTと統計」が後楽園キャンパスにおいて開催されました。初回のスピーカーは大阪市での統計で話題となった釜野さおりさん、エイズやセクシャルマイノリティに関する様々な統計調査を行ってきた日高庸晴さん。

/無料&予約申し込み不要です! 今年も是非来てね! 最新の研究やデータなどを扱う場合、webアーカイブを残さないとのことです!(初回は撮影してましたが)\ →2018年度の講座はyoutubeにあります。

釜野さおりさんのお話

まずはそもそも統計とは? 統計調査をする上で、結果を見る上で重要なことはなにか? という基本的なお話から。統計とは、「何かの集まりについて全体の様子を表す数、集まり」であり、統計調査は行政や地方自治体が行うもの、研究者グループによるもの、NPOやマスコミ、企業が行うもの……など実に様々。

統計を読むときに注目すべきは、①調査目的(なんのため? どんなデータが欲しいのか?)、②調査事項(何を調べているのか)、③調査対象(誰を調べているのか)、④調査方法(どのように調べているのか)が重要であるとのこと。ニュースでこういうデータが出ましたよ~って知ったときに自分がこれらすべてをチェックしているかと言われると自信はないです……。日高さんのときのお話にもありましたが、メディアはわかりやすくするためかなり簡略化して書くことがあり、ひどいときには一次ソースにあたりすらしないで書くことがあるようなので、鵜呑みにしないよう気をつけましょう。また、統計調査を読む際には、安易に因果関係を結び付けないことにも注意が必要です。

実際に釜野さんが携わった意識調査から実例を紹介していただきました。「性的マイノリティについての意識調査」(2015年全国調査)です。これは、

①性的マイノリティがおかれた状況を、世論を通して明らかにしたい、という目的のもと、②性的マイノリティに関する事柄を、③全国の20~79歳までの男女を住民基本台帳から無作為抽出し、④訪問留置訪問回収法(実際に調査員が家まで訪ね、回収。一部は郵送回収)で調べたものです。回収率は48.4%、質問数は全59問、157項目。

また、安易に因果関係を探ってはいけないという点について。「同僚が同性愛者だったらどう思うか?」(嫌ではない/どちらかと言えば嫌ではない/どちらかと言えば嫌だ/嫌だ/無回答)という設問があります。この設問に対し、年代別にすると若い人の方が嫌ではない(前者2つ)と答える人の方が割合が多いです。また、当事者が自分の周りにいるか・いないかで分けた場合にも、いる、と答えた人の方が嫌ではないと答える割合が多くなります。この場合、【若い人→同性愛者に否定的でない&当事者が周りにいる人→同性愛者に否定的でない】と関連づけられるでしょうか?

結果から言えば、今回の統計ではどちらも【関連】づけられます。しかし、年代別だけの回答をみて、安易に「若い世代の方が同性愛者に否定的でないんだな」と思うのはまずいのです。なぜかというと、次の当事者が周りにいるか・いないかを調べたときに、ここで年代別で差がなかったとしたら、必ずしも若い=同性愛者に否定的でない、とは言えないからです。また、当事者が周りにいるから同性愛者に否定的でない、と回答した人についても、そういう寛容そうに見える人だから周囲がカミングアウトするのかもしれないし、セクマイの知識がある人だから気づくのかもしれないし……というわけで、【因果関係】をこのデータから読み取るのは不可能です。

2019年 大阪市の調査について

まずLGBTAと答えた人の結果は、LGBT→2.7%、アセクシュアルを含めて3.3%となりました。性的指向の設問において、「決めていない・決めたくない」「無回答」の人たちについては、マイノリティと含めるかは繊細なところであるので、LGBTAに含めていないということでした。(まあ、クエスチョニングとかアセクシュアルとかは、私のような当事者にとっても自認が難しいところであります。確信できないってかね。ヘテロ?ではないかなあくらいの、相対的・消極的なものってカテゴライズできないし、する必要もないと個人的に思っています)。大阪市の調査では、特徴として、SOGIを尋ねる方法について事前に検討を重ねたこと(たとえば「異性愛者」は自分が異性愛であることを認識していない・考えていないことが多いので、性的指向の質問に【ゲイ・レズビアンではない】と書き加えたこと等)、恋愛感情を抱くか?性経験があるか?パートナーは?などのように性的指向を多角的に捉えたこと(同性とセックスしたことがあるからといって同性愛者ってわけではないですからね)、同性カップルや子育てをしている人たちの世帯数を把握できるようにしたこと、が挙げられます。

抽出法は住民基本台帳からの無作為で、配布数は15000人、18~59歳まで。回収率は28.6%。この59歳までというのがミソで、回収率が高くなる高齢の60代70代の人を入れなかったことが、回収率が低くなった一因でもある模様。また質問数が非常に多く、すぐに答えられないような込み入った内容のものが多かったため(年収も100万単位での区切りであるとか、父母の職業から会社の従業員数まで聞き出すなど)、釜野さんからすると、急にこんな分厚いよくわからない調査がやってきて回答してくれて、約3割でもありがとうという感謝の気持ちしかない……と。予算的にも、ボールペンを入れることと、督促を1回しに行くことで限界だったようです。

質問数をとても多くした(設問数55、14頁)のは、先述の因果関係の話と関係があって、一見無意味にみえる項目も答えてもらわないと関連性の分析ができないから、ということでした。たとえば「ゲイはリッチか?」という問に対して、ゲイとヘテロ男性の収入を比較して、それだけで判断するわけにはいかない、というのはまあ統計に詳しくない人間でもわかります。子供の頃から受けてきた教育レベルや職種や地位など仕事の中身を勘案しないことには……ということで、父母の学歴から勤め先の規模まで多くの質問を盛り込んだという経緯のようです。

時間的に釜野先生のお話は最後駆け足で終わってしまい、パワポ資料すべてを説明するまでにはいきませんでしたー残念! 最後の質疑応答のところで、海外のLGB人口の割合について触れられ(日本と海外で統計に違いがありますか?という質問)、名古屋の調査や大阪の調査と比べて日本が特別高い/低いということはない、ただ日本は「その他」と答える人の割合は多いとのこと。(曖昧な回答がちょっと多く出るというのは日本人っぽいといえばぽいのかな?) 資料に載っている調査はアメリカの2004-2013年のものと、カナダ・オーストラリア・イギリス・ノルウェーの2005-2010年のものなので、非欧米圏だとまた大幅に違うでしょうね。現時点で揃っている統計調査によれば、先進国間だとそんなに割合比率は変わらないって感じですかね。

日高庸晴さんのお話

これまでの調査実地の経験から、調査方法の違いや調査時の苦労、自殺未遂・いじめ・性被害経験に関する当事者と非当事者の差などについて語っていただきました。

まずはお手本となる調査について。1999年、全国性行動調査という代表:木原正博先生のものがあります。これは、住民基本台帳から18-59歳の5000人を無作為抽出し、調査員が実際に訪問し、面前で書いてもらい回収するという非常に人件費がかかる丁寧な調査方法で、回収率は71.2%。質問数は71問で、エイズ関連の知識、思春期の行動、性行動、ピルに関する事項など多岐に渡っています。日高さんによると、この調査は当事者(セクマイ)と非当事者をすぱっと切り分けられて、その中で非当事者はこういう傾向で……と把握できるもので、お手本のような素晴らしい調査だそう。でも、すごくお金がかかるので、こういうのがもう一度できたら理想だけど……というものでもあるそうで。(統計調査はとても費用がかかるので、助成金や研究費が降りたとしても、この木原先生が行ったような理想的なデータを取るのは非常に難しいらしい)。

統計を集める際の従来の調査方法について。スノーボールサンプリングというものがあります。これは、起点となるある人にこういう調査をやっています、自分が回答したら知り合いにも協力を頼んでね、といって調査対象を増やしていくもの。これは人のつながりに依存するので、調査対象が似たような人ばかりに偏る可能性がある、というデメリットがあり、1984年に日高さんがこのスノーボールサンプリングを行ったときには、起点を多く作るという工夫をしたとのこと。また、掲示板や新聞広告を通じたやり方もあります。文字通り、掲示板や広告にこういう調査をやっています、と載せて参加者を募る方法。アメリカだと、よくこういうポスターが貼ってあって、ポスターの端に連絡先の書かれた付箋がずらっと貼ってあり、協力者がそれを剥がしてメールを送るらしい。(へぇーボタンを押したくなるね)。この方法のデメリットは、参加するのにハードルが高く、自発的な参加者ばかり集まってしまうということで、意識高い人ばかり集まってしまうというか、まあなんとなくその弊害は想像できますね。

今ではインターネットによる調査方法に光が当てられています。メリットはなんといっても安く済むこと、調査日数もかからないこと、匿名性、居住地域・回答時間に左右されないこと等たくさん。「経時的に反復した調査が可能である」という利点もあって、要するに同じ内容を時間が経ってからまた調べることが可能ということですね。日高さんはゲイ・バイ男性を対象に健康意識を根付かせるために、セーファーセックスに対する調査なんかを繰り返し行ったことがあるそうですよ。ネット調査のデメリットはそのまま、ネットを使える人間に限られることや、(昔は)ネット利用者が少なかったこと、対象者のランダム抽出が難しいなど。いずれの方法にしろ、「再現性」のある結果が出たか?ということが重要です。

日高さんは統計調査における苦労なんかもたくさん語ってくれまして、それなりの数を集め有効なデータを取ることは本当に大変なんだな……と初めて知りました。学生時代に家賃を滞納して、謝礼の500円図書カードを用意したとか(でも、結構返してくれる人がいたって!)、大阪のアメリカ村で街頭に立って信じられないくらい真っ黒に日焼けしながら若者に調査を依頼したとか。さらにはこうした調査を行う上での足での苦労だけでなく、研究費をもらうための苦労や、調査を許可してもらうための苦労(LGBT関連は、まだ行政の対応が芳しくなかったりもするようで)などもあります。少しでも回収率をあげるために、回答用紙を見やすいデザインにしたよとか、ネット調査をしたときにバナー広告(白人男性の腕のデザインらしい)を出したんだけど、全然クリックしてもらえないから肌の色を日焼けさせてゲイビっぽくしたらめちゃクリック数あがったよ!とか(笑)、そんな話も。統計調査を行う上での苦労話が表に出てくることってあまりないと思うので、貴重でした。

これまでの調査から判明していること

すべてを取り上げるのは無理なので箇条書きでざっと。

・ゲイ・バイ男性を対象にした1999年の自殺未遂の調査。カムアウトしている人ほど自殺未遂率が高く、友人にカムアウトしたことがない人の自殺未遂率を1としたとき、カムアウト人数が1人の人は1.5倍、2-5人の人は1.6倍、6人の人は3.2倍と上がっていく。

・2001年大阪アメリカ村での街頭調査。これはよくメディアで孫引きされて、ざっくり「同性愛者の自殺未遂経験は同性愛者でない人の●倍」と伝えられているが、この街頭調査で得られた結果では、レズビアン・バイ女性に関しては自殺未遂との相関が認められていない。ゲイ・バイ男性の自殺未遂率は、異性愛者の自殺未遂を1としたとき、5.98倍となっているが、女性では関連が見られなかった。

・2016年、Reach onlineによる調査。LGBTが経験しているいじめ被害・不登校・自傷行為の割合は、異性愛者よりも高い。たとえば不登校経験は、都内の区が発表する数値では3%前後と言われているが、レズビアンの場合は23.4%、ゲイ19.6%、バイ男性17.1%、バイ女性26.9%、MtF33.1%、FtM34.7%であり、対象を10代に限定するとさらに数値が上がる。

・同調査より、「先生がいじめの解決に役立ってくれたか?」役立ってくれたという回答は全体の13.6%。(これはまあ、不登校経験者としてよくわかるものです……いじめや不登校時のオトナたちの問題解決能力のなさといったら)。

・2005年、MSM(男性と性経験がある男性)に行った調査。ゲイ・バイ男性における性被害経験率は高く、セックスを強要されたと答えた人は5731人中500人の8.7%。(参考:平成23年内閣府による調査では、異性から無理矢理性交された被害のある女性は7.7%。ただしこれは低めの数値であるという指摘もあるらしいので、あくまで参考として)。ちなみに谷口洋幸さんが国連の勧告についてお話してくれたとき(前回の記事です)も、同性間のDVについてちゃんと対策してます!?という勧告が国連から日本に対してあったらしい。いずれにせよ、そもそも同性間でも暴力や性被害が起きるんだということを把握し、対策を考えていくことは重要ですね。

・2017年、三重県立高校の2年生を対象にした大規模調査。LGBTS当事者は約10%。内訳として、LGBTが2.8%、Xジェンダーが5.0%、クエスチョニングが2.1%。その他(シスジェンダーで、「好きになる人の性がない・この選択肢の中にあてはまるものがない」と答えた人)については、年齢的にアセクシュアルと断定することも難しいので、留保。この調査は【今の】高校生ではっきりとしたデータが出たことが成果。いじめ被害、自傷行為に関してLGBTS当事者の方が非当事者より経験率が高く、また、「学校には自分が安心できる場所がある」「いざという時力になってくれる友人が居る」といった質問でも、はいと答えた割合は当事者の方が約20%ダウンしている。これはアメリカで行われた結果と近しい。

質疑応答

メモが抜けていて若干記憶が怪しいところが。すいません!

Q.統計調査を行う費用、スポンサー、調査をする上で発生する反発や説得過程について

釜野)文科省の科研費が降りる場合がある。2015年の全国調査は1票7000円、大阪市での調査は1票2000円、合計でそれぞれ800万/900万くらい。

日高)かかる費用は数十万~数百万でピンキリ。ライフネット生命と組んだり、最近では三重県に協力をいただいたり、コネクションができることはある。90年代は助成金がなくて、本気で公募を狙いにいって落ちるということが多々。5万円の助成金をもらうのに何度も電話したり会議を開いたり。最終的には家賃滞納。(「統計」を出すのにここまでしてくださるなんて……研究者の方に頭上がらず)。

Q.国がこういう統計調査をする可能性はないの?

釜野)国勢調査でSOGIについて調べようか、とやっと議題にあがったところ。ただ総務省の申請ハードルは高い。厚労省の国民生活調査とかに入れてくれればいいんだけど……まったくそういう話が出ていないというわけではないが、なんとも……。(道のりは遠い、的ニュアンスでしたね)。

Q.LGBT調査は結局どのような方法で行えばいいの?

日高)先ほど説明したように色んな方法がある。1999年の木原先生の調査のように、無作為抽出をして当事者/非当事者をすぱっと分けられれば一番いいけど、費用面で難しい。基幹統計で国がやってくれればなあ。でも、10年前と比べれば、「こういう調査をしたいんですけど」という企画の持ち込みはしやすくなりました。昔はそれこそ門前払いとか、話を出した瞬間怒鳴られるとかそういうこともあったが、今はむしろ相談に乗ってくれる。そして相談するにしても、アプローチ方法は多々。

Q.データの読み方、メディアでの報道のされ方など、統計のリテラシーについて

日高)回収率というものはすごく大事。回収率が出せないものや、再現性がないものは注意。あとは母数に注目すること。300人と3000人の調査結果ではまったく違う。対象者が誰か把握することも大事で、モニター調査だと偏りがある可能性がある。

釜野)対象者や調査目的などが明らかになっているか?という点を見る。たとえばLGBTの割合に関しては、ずっと電通のWEBモニターの数字が取り上げられてきたけれど、あれがメディアとかで使われてしまうのは、研究者からすると「えっ」という感じ。

このときだけちょっとピリッとした雰囲気になったのは、日高さんが釜野さんの大阪市の統計の回収率(28.6%)に苦言を呈されたからですね。

日高)28%の回収率というのは、あまりにも少ない。これで得られた数字を「日本」の統計として国際機関などに報告しないでほしい。

釜野)回収率をあげるために、封筒のデザインに気を使うとか、「大阪市協力」という文字を入れてもらったとか、ペン1本と督促1回を行ったとか、工夫はしました。今回の調査はあくまで試験的、実験的なもので、スタート地点に立てればな、というものだった。

日高)ひとつの調査を行って、ひとつの結果を得る、というのはとても大変なこと。もし自分がやるのであったら、謝礼品がつけられるような予算がでる地域でやるとか、用紙も14ページなんかにしない、質問数を減らしてA3裏表1枚くらいでやります。(欲張ってすべてを得るのは無理、的なニュアンスだったと私は解釈しています)。

釜野)1点だけ思い出したので補足しておくと、予算について、大阪市で調査ができそうというのが思いのほかトントン拍子で進んだので、他でやる予定だったところから費用をかき集めたりなんかもしました。あと、なんだか弁明ばかりになってしまうけれど、「下方修正」というのはメディアの言葉で私の発言ではありません。(アセクシュアルを入れるかは微妙とかそういう話に続いたっけかな?……ちょっと覚えてません)。

Q.今後、統計をどのように扱っていけばよいか?

日高)調査を踏まえて、新たな法律・政策ができるとか、そういう風になればもちろん一番いい。あとは研究者たちで働きかけてゆく。また、議員質問などで盛り込んでいく。それも、上川あやさん(世田谷区議)ばかりがパイオニアになって、こういう調査では被害に遭う人がXX%と判明していますが……みたいな発言すると、みんなそのデータを真似して使っていくけど、そういうんじゃなくて、他の議員も他のデータにも着目して。自分は統計で「知らないことが明らかになる」ことがすごいと思っている。たとえば、最近した福祉関係の調査では、「白杖を持っていると舌打ちされた経験がある」という人がとても多いということがわかった。(まさに見えないことが可視化されていますね、すごいな統計!)。

釜野)統計調査はすぐに役立つ結果ばかりが出るわけではない。どう活かすか?ということが大事。基礎統計というのもやっぱり大事なので、とにかく結果が出たあとにすぐ要不要を判断するのでなく、活かす方法を考えていくこと。

感想

・統計ってめっちゃ大変……!! お金もかかるし時間もかかるし、んでもって理想的な結果が出る可能性は低い。とてつもない苦労があるのだなと初めて知りました。でも最後の日高さんの白杖のお話のように、普段見えていないことがデータで出てくるというのは、すごい力がありますね。

・データの読み方については、われわれ一般人はもちろんメディアのリテラシーも低いんだなということがよくわかった。日高さんの孫引きの話しかり、釜野さんの電通の数字の話しかり……。

・面白いとおもったのはアセクシュアルやクエスチョニングの話が双方から出てきたこと。アセクシュアルにしろクエスチョニングにしろ、一時的な状態であるという可能性があるので、確かに性的マイノリティに含むかって微妙ですよね。外部が定義づけて当てはめるものでもないし、まあグレーはグレーのままでよいのではないかと。私は両方自認の人間なんですが、アセクシュアルとクエスチョニングは両立可能な概念だと思っています。

・あともう一つ興味深かったのは、釜野さんの異性愛者という表現に気を使った、異性愛の説明が一番難しいというところですね。「異性愛者」という言葉は同性愛者という言葉と比べると一般的に認知されていなくて、ヘテロの人にヘテロですか?と聞いても伝わらないことがあると。異性愛者が「自分は異性愛者だ!」と自認していないこともあるので、大阪市の調査では性的指向の設問に「1.異性愛者、すなわちゲイ・レズビアン等ではない」と書き加えたとのことでした。異性愛ってすなわりマジョリティ、思春期の頃から自分のセクシュアリティになんの疑念も抱くことなく好きになったりセックスしてるんだろうから、きっとそうなんだろうなあ。自分が異性愛というカテゴリーにいることに気づくこともないのは、わかる気がする。


長月(19/06/01)



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