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最後の雄姿を見れなかった夜

クリスマスイブの夜には不幸話を聞くお笑い芸人のテレビ番組があるらしい。それに便乗して今夜は2020年の現地観戦の中で一番不幸だと思った試合について書こうと思う。

クリスマスイブからちょうど10週間前の2020年10月15日、この日はナゴヤドームに中日vs阪神のカードを見に行っていた。ちなみにこのナゴヤドーム、2021年からはネーミングライツが導入されバンテリンドームナゴヤという名前になる。

いやバンテリンドームて
そのためナゴヤドームという名前ではひとまず最後の現地観戦となった。

この試合に行くことによってナゴヤドームの阪神戦現地観戦は10年連続となった。ちなみにこの試合が阪神のナゴヤドーム今季最終戦である。ギリギリだった。

この日に決めたのはそれだけの理由ではない。阪神にとって功労者ともいえる藤川球児が引退を表明。9月1日に引退会見を行い、ちょうどこの日から一軍に昇格したのだ。
スポーツ紙によるといわゆる「引退巡業」であり、各地方のファンに最後の雄姿を見せる機会を作るための昇格と言われていた。
前述の通りこの日が阪神にとってはナゴヤドーム今季最終戦。つまり名古屋のファンのために一軍昇格したのである。私もこれ目当てで行った部分が大きかった。

そして試合に入る。中日の先発は松葉、阪神の先発は岩田。
阪神は初回にアルモンテのタイムリーで先制されると4回にも大島のタイムリーツーベースで失点。一方阪神打線は松葉に前にランナーは出すもののなかなか得点できず7回裏終了時点で0-2と2点ビハインド。
正直この時私は「負けてもいいから球児を見せろ」とか思っていた。

しかし8回だった。阪神打線は中日のリリーフエース祖父江を捉え一死満塁。この場面で打席には斉藤和巳氏に溺愛されているボーア。

そのボーアが内野ゴロを打ち1点を返すと、この日左対策でスタメンだった原口が起死回生となる逆転2点タイムリーを打ち遂に阪神が逆転する。
「勝てる…勝てるんだ!」

9回裏、阪神は守護神スアレスを送り出す。
スアレスは先頭を三振に抑えたが四球とヒットで一死一二塁とする。
ここでバッターはLiSAに溺愛されているビッシーことビシエド。

ビシエドは初球を打ちセカンドライナー。これで2アウト…かと思いきやセカンドの植田の送球が悪送球になり二死二三塁と進塁打の形になってしまう。
世界よ、これが阪神の野球だ

正直この時点で嫌な予感はしていた。そしてその予感は的中する。
続く高橋周平が打った打球はレフトへ上がり、そのままスタンドイン。悪夢のサヨナラ負けとなってしまった。
中日の逆転サヨナラホームランは2012年6月8日の楽天戦で和田一浩が打って以来らしい。ちなみにこの日も現地で見てた。


そして足早に帰る阪神ファン。私もヒーローインタビュー途中に帰ってしまった。これが普通の試合なら何ら問題はなかった。
しかし冷静に考えてほしい。この試合は藤川球児にとってのナゴヤドーム最終戦である。そのことに気づいたのはナゴヤドームを出てわずか数分後のことであった。しかし後の祭りである。

ヒーローインタビュー後、沢山の中日ファンとほんのわずかに残った阪神ファンの前で藤川球児の引退セレモニーが行われた。在籍経験がないながらにも引退セレモニーを開いてくださった中日球団にはこの場を持って感謝したい。

帰り道、「今日は何のために行ったのか」と自問自答していた。これが2020年一番の不幸…というよりかは失敗体験談である。

あらためて藤川球児選手22年間の現役生活お疲れ様でした。実は甲子園で初めて見た阪神戦の先発が彼なのだが、その試合の想い出とかについてはまた今後気が向けば書こうと思う。