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全12話アニメ脚本をエブリスタのコンテストに投稿する 製作日誌編10/14−20

製作日誌の10月14日から20日分、及び連続もの製作講座を掲載しています。

掲載内容:
10/14の製作日誌 ……簡易シナリオの各話メモ、調整
10/15の製作日誌 ……簡易シナリオ1話
10/16の製作日誌 ……簡易シナリオ2話
10/17の製作日誌 ……簡易シナリオ3話
10/18の製作日誌 ……簡易シナリオ4話、5話
10/19の製作日誌 ……簡易シナリオ5話ラスト、6話、スケジュール見直し
10/20の製作日誌 ……簡易シナリオ6話ラスト、7話
製作講座 「連続もののリズム感」
製作方針の変更のお知らせ

現在は簡易シナリオを一通り書き上げている最中ですので、週に一度まとめて製作日誌の掲載を行うような感じになります。
製作日誌といっても、基本はその日やった作業をメモしているものに、note用に少し書き足している程度なので、「なんか進行遅れ気味だな」とか「本当はもっとアクショナブルにしたいけど」のような、ぼやきみたいなものは全然書いていませんので、なるべく今後はそういったライブ感? が出るような描写も多少入れていければと思います。

10/14の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.簡易シナリオ(各話メモ、1話〜)

前回までに基本的なデータや簡易シナリオ用の全12話の各話に何を書くかのメモを行った。本日より1話から順番に簡易シナリオを作成していく。必要な場合は、都度人物データや舞台データ、時系列データなどを追加、修正していくこと。

簡易シナリオのポイントは、各話の中での起承転結的展開と、その流れの中でのエピソードの過不足の調整。細部までは描かなくてよいが、場面の舞台は書いておく。これは例えば以下のようなもの。

簡易シナリオでの舞台:
●第七ラボ・施術室
 アルタイルの視覚補助デバイス「モノアイ」の装着。
(中略)
●同・廊下
 外に出ると、心配そうに待っていたベガが声をかけて「見える?」と。

「部屋から出たらベガが待っていて」のようにも書けてしまえるけれども、わざわざ「同・廊下」と表記しておく、ということ。場所が移動した、というのは映像作品に限らず、ちゃんと把握しておくことが大事です。

10/15の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.簡易シナリオ(1話)

1話の終わりまでを執筆。アニメーション用なので、かなりテンポが早く場面展開が多いものでなければ、大きなブロックとしては前半で2から3、後半で3つくらいあれば良い。最近は情報が詰め込まれる傾向にあるので、20分から25分程度で20から30あるのはざら。1分1場面にすると20場面程度になるが、想像してみれば毎分ころころ変わるというのが如何にテンポが早いか分かると思う。

10/16の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.簡易シナリオ(2話)

1話完結ものでなく、10話あるいは12話で一つの大きなストーリーになっているものの場合、1話2話がセットになってある程度その作品世界と主人公(たち)が達成すべき目的が提示される。

この「目的」が作品の進むべき方向性ともなるが、視聴者がそれを理解できないまま進むと、作品のテーマや、そもそも何の作品なのかが分からなくなる。昨今、同時期に大量に作品があるため、どんな作品でどういう方向性なのか(あとで大きく視聴者を裏切るとしても)を提示しておかなければならない。それができなかった作品は、別の魅力で引っ張っていかざるをえず、辛い。特に脚本の段階でぼんやりした状態の作品は、出来上がったものもぼんやりしてしまうので要注意である。

10/17の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.簡易シナリオ(3話〜)

3話はアニメーション作品では鬼門となる話数、と世間では思われています。鬼門ではなくても、一つの判断材料のように言われます。実際3話まで見て何も理解できないといった作品は、その後も見続けてもらえる確率は低くなるでしょう。

では具体的に3話は何をすれば良いのか?

一番簡単なことは「大きな事件を起こす」です。1話で既に事件が起こっている場合は、それを拡大する方向か、あるいは別方面での事件を起こすということですね。
重要な味方が死んでしまう、ということをやった作品の印象で、以降、作品の雰囲気によっては「誰が死ぬんだろう?」という穿った見方をされてしまいがちな3話です。期待に応えることも必要なので、何かしらのインパクトを準備しましょう。

10/18の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.簡易シナリオ(4話〜5話)

3話までが無事に終わったら、次は4話5話6話でそれまで説明してこなかった部分の説明や紹介と、後半に向けての話の展開の準備を行いつつも、勢いを落とさないようにメリハリをつけます。作品によっては4話や5話で一旦落ち着く回を入れる、というのも良いでしょう。ただその間にも、後半に向けた準備を着実に進めましょう。重要なことをそれとなく誰かに言わせる等、です。

10/19の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.簡易シナリオ(5話ラスト〜6話終わり)
2.スケジュール見直し(別企画と統合したことによるもの)

この日に、他のエブリスタのコンテスト用の準備を進めているものの中で、次のようなコンテストに、本企画を用いることができると気づきました。

こちらは小説のコンテストなのですが、ちょうど本作品の世界がここで言うディストピアに相当します。

そこで本企画の小説版も並行して製作することにしました。詳しくは後述します。

10/20の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.簡易シナリオ(7話〜)
2.noteへの製作日誌のアップ

1日に1話程度のペースですので、来週には一旦全12話の簡易シナリオが書き上がります。ただ後述しますが、小説版の下書きとして準備したものではないので、これを今度は小説用にアレンジをし直すということが待っています。

連続もの製作講座 「連続もののリズム感」

連続もの、全12話の作品を現在作っている訳ですが、一話完結式のものでない場合は、1話の中でのリズムの変化もありますが、全体を通して見ての各話のリズムというものもあります。

全部同じリズムで押し通す、というのもそれはそれで一つの選択ですが、昨今の制作現場の事情を鑑みますと、全12話激しいアクションでテンポの早い作品、というのは非常にしっかりとしたスケジュールと予算規模がないと不可能に近いです。

またずっと同じリズムというのは人間飽きてしまいやすいです。

ここでリズムとは何なのか、少し書いておきましょう。
映像作品であれば「アクション場面」なのか「対話、会話場面」なのか「時間経過場面」なのか、で見ている方の刺激や情報量、情報取得の方法が異なります。色に置き換えて、激しい場面なら「赤」、静かな場面は「青」とでもするなら、ずっと赤では見ていて疲れるし、ずっと青では逆に眠ってしまうかも知れません。

そういった場面のメリハリ、のことをリズムと言うのだと思って下さい。

12話もあると、その中でやはりアクションが激しく、テンポも早い回だけでなく、しっかりと対話による物語の展開が必要なダイアローグ中心の回も必要になってきます。

それらをどう配置していくかは作品のタイプにもよりますが、1話、あるいは2話はある程度しっかりとしたアクションが含まれるようにした方が、より興味を引きやすいです。ミステリものなら1話、あるいは2話で殺人事件が発生する、といった感じでしょうか。
また後半への転換点となる6話や7話、最終話への序章となる10話、11話なども何かしらアクショナブルな場面を含んだ展開にした方が、盛り上がりが生まれやすいです。

1話1話の小さな積み重ねで最後まで緩やかに見せていく作品、というものもありますが、それはどんな作品を考えているか、によります。しかし、現在ではやや挑戦的な内容と言っても良いでしょう。

長い作品、というのは最初は話の辻褄を合わせて最後まで書き切ることで疲れ果ててしまいますが、ちゃんと構成をして臨まなければならないようなものであれば、一度作品を俯瞰し、各話の役割を考えて、それに合ったリズムをつけてやるよう心がけましょう。

製作方針変更のお知らせ

前述しましたが、本企画はエブリスタ主催の「Project ANIMA 第3回キッズ・ゲームアニメ部門」向けとしてスタートしました。

しかし、今回同サイトの別のコンテスト「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「終末/退廃/ディストピア」」に、作品の小説版を応募できそうなことが分かり、並行して小説版の作成を行うことにします。

アニメ脚本と小説では、やはり表現手法が異なります。

アニメ脚本の方はとりあえず1話のみで良いので、当初は12話全部を締め切りまでに仕上げてしまうつもりでしたが、小説版の製作もすることになり、先に小説で1話、2話くらいの初稿を書いてしまってから、改めて脚本の1話以降を執筆することにしました。

今後の方針としては、まず現在着手中の「簡易シナリオ」を12話まで一旦書き上げてしまい、その後、それを小説用に調整します。それからレイアウト作業を経て、小説の1話と2話の初稿(これは応募用ではなく、まず一旦書き上げる原稿のこと。決定稿ではない)を書いてしまい、その後、アニメ脚本用の簡易シナリオ調整とレイアウト作業を経て、アニメ脚本の1話を書くことにします。

応募用のアニメ脚本1話と、小説版1話、2話(これで応募に必要な20000字程度になる予定)を書き上げた後で、どちらを先に12話まで書いてしまうかは現在のところ不明ですが、完成したらアニメ脚本版と小説版が見比べてもらえるので、それも良いかと思い、今回企画を若干変更しました。


最後に。
長々とここまでお読み下さり、ありがとうございます。
製作が全て終わった後で、また改めて製作講座のまとめ、のようなものを作ろうと思いますので、製作日誌については気が向いた時に「ああ、そんなのもあるのね」程度に眺めていただければ、と思います。

ではまた。

凪司工房


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