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全12話アニメ脚本をエブリスタのコンテストに投稿する 製作日誌編10/09−13

製作日誌の10月9日分から13日分、及び連続もの製作講座を掲載しています。

掲載内容:
10/9の製作日誌 ……構成プロットのレヴュー
10/10の製作日誌 ……人物や舞台リストの更新
10/11の製作日誌 ……フロー図更新
10/12の製作日誌 ……人物データ作成
10/13の製作日誌 ……簡易シナリオ準備
製作講座 「連続もの構成のポイント」

10/09の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.書き終えた構成プロット(v0.1)のレヴュー

構成プロットについてレヴューを行ったが、簡単にポイントをまとめると「アニメーションであり、かつ、キッズ向けっぽい企画募集なので、あまりシリアスに寄りすぎないように注意する」ということである。

どんなに優れた内容であっても、募集内容とマッチしていないものは相手も求めない。だから好きなように構成、構想したあとで、しっかりと募集内容、あるいは自分が設定したテーマ等について、内容や方向性が合致しているのかということを吟味する必要がある。

短いもの(例えば30分アニメ1本等)であれば最終的なアニメ脚本になってからでも修正は容易いが、全10話以上、あるいはシリーズものとなるとそうもいかない。特に大昔のような1年や2年放送するのが普通、といった時代ではなくなってしまったので、基本的に短期勝負となる。
そういった場合、ちょっとしたベクトルの違いの修正が難しくなり、結果、ターゲットとなる客層を取り逃がしてしまいがちである。

10/10の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.人物リスト更新
2.舞台リスト更新
3.小道具リスト更新
4.時系列表更新
5.フロー図更新(特にメインフロー中心)

構成プロットを一応終えたので、次は簡易シナリオに移る前に、各種データをざっと整理しておく。

特に一度12話までざっとあらすじを書き終えた状態で、メインフローを整理し直すというのが重要である。長いものになればなるほど、話は複雑になりがちで、複雑になるほど伏線や情報の出し入れにミスが増える。これを防ぐための予防線になるのが、フローに基本的な情報の流れを記入しておくことと、こまめな確認である。

10/11の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.フロー図更新(各話フロー中心)
2.舞台リスト更新(名称など)
3.小道具リスト更新(必要なもの追加、名称など)

※連続ものの構成のポイントについては、今回の製作講座参照のこと。

10/12の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.人物リスト更新(メインキャラクタの名前、基本データ)

人物作成のポイントについては、また後日の製作講座にて行う予定にしておくが、実写とアニメーションでは多少事情が異なってくる。特にアニメーションはより記号的であるから、それを意識したキャラ付けが必要となる。ただあまりに記号的にすぎると、ステレオタイプになったり、数多ある他の作品との既視感が強くなってしまう。

実際にアニメーションにする際には、キャラクターデザインの方の癖などもあり、そういった他の作業との親和性も考慮して作った方が良い。ただ今回はあくまで作品の企画募集なので、そこまで考える必要はない。

10/13の製作日誌

本日の作業内容は以下です。

1.簡易シナリオ着手(各話のメモ、タイトル見直し、バランス調整)

今回から1話ずつ全12話の簡易シナリオの作成に入る。
簡易シナリオでは、今回はアニメーションにする予定なので、映像、特にアニメーションとしての見せ方をある程度踏まえた構成や画面、場面の作り方を心がける必要がある。

ポイントについて製作講座を参照してもらうとして、全12話の簡易シナリオの前に、まずざっと各話のメモを取る。最低描くべき情報を書き込んでおく。

次にこれを見ながら、全体のバランスを取る。情報の過不足もあるし、テンポや各話の雰囲気の面で、同じにならないように注意しなければいけない。

連続もの製作講座「連続もの構成のポイント」

今回から製作講座として、その製作段階で関連ありそうなポイントをまとめることにしました。

第何回、とはしないので、都度都度適当に書いていくつもりです。

連続物、前後編なら2話、前中後編なら3話、あるいは連続ドラマであれば現在は10話程度でしょうか。4話や6話の短いものもありますね。アニメーションであれば日本の場合は1クール(※クールは1年を四分割したその1期のこと)であったり2クールであったりしますが、以前は1クール13話あったものが現在は大半が12話、あるいは10話に減っています。

みなさんなら、こういった複数話の作品をどう作るでしょう?
プロットを練って、それに従って書いていき、詰まったら直す。
構成を特にせず、ある程度ざっくりと決めた上でまず書いてみる。
逆にしっかりと構成を練ってから、それに合うように物語を当てはめていく。

長いもの、かつ、話数が決まっているものというのは、人によっては苦手な方もいるでしょう。それは長くなればなるほど起承転結でいう承が多くなるからです。
起承転結では承が一番難しいですからね。その難しいものが増えれば増えるほど大変になるのは当然の話です。

また尺が決まっているものが複数話あるという状態は、全体を一つの話と考えた場合、何度もインターバルがあるということです。

想像してみて下さい。1時間のテレビ番組で全くCMが無い場合と、何度もCMが入る場合。前者は映画のように切れることなく流れますが、後者は気持ちが15分や10分で切れてしまいます。

連続物の作品は、このインターバルが曲者ですね。

なので、CMに入る前に「このあとすぐ!」といった煽りや、「真相はCMのあとで」といったような予告する手法が一般的になってしまった訳です。

連続物を作る場合、実はこれに似たようなことを心がける必要があります。
具体的には「始まり」と「終わり」がポイントになります。
興味を引く「終わり」を作り、それを引きずって「始まる」ようにする、ということですね。

そこで話を作る時に、各話の「終わり」から作ります。

毎回どういう話で終わるのか。どんな引きの絵や台詞にするのか。そういったことを考えて、そこから逆算した始まりにします。

とても基本的なことなのですが、これがきっちりとなされている作品は多くはないです(それなりにやってはいるけれど、ぴったりハマっている作品は少ないです)。
終わりから作るというのはある程度慣れが必要になってくるので、どうしても普段頭から作ることが染み付いていると、難易度の高い作業になります。
けれど、物語は途中が多少だれたり砕けたりしても、終わりをしっかりと閉めることの方が大切なので、いくつか作品を作って「しっかりと終わる」あるいは「次へと続くおわり」が描けるようにしておいて下さい。

次が見てもらえる保証が皆無といっていい現代、「次のお話」を意識した作りができるか否かは、「起承転結がしっかり描ける」ことよりも重要な技術です。
人間は勝手に「間」を補完してしまうので、テンポや展開が早い作品が重宝される現代では「次」を期待させることが、重要視される作家の資質の一つになっていると思います。


徐々に製作日誌編の掲載間隔が開いていますが、設定関連の調整が増えれば増えるほど、特に書くべき話がなくなってきます。
また資料編を一気にアップしないように注意していることもあり、どうしても間が開きがちになります。ご了承下さい。

凪司工房


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