まるちゃん

まるちゃんに出会った。あのちびまる子ちゃんのまるちゃんである。
3日、4日前の朝の通学中、ただ大学を目指して歩いていた。

そこに偶然、私の少し遠くの方で、まるちゃんは全力ジャンプしていた。全力でジャンプしながら前に進んでいた。
隣にはお父さんだと思うが、小さなリュックサックを片手にゆっくり歩いていた。
まるちゃんは全力ジャンプ、そして大きく踊りながら歩いていた。

おかっぱの髪の毛がバザバサ揺れるまるちゃんを見て、ほっこりしたと同時に私は泣きたくなった。
「昔の自分みたいや...」 私も昔はああだったんかな、そうやったよな、懐かしい、

私はよく歩きながら空を見上げる。でも見上げるのは5秒にも満たない、一瞬。
人の目が気になるのだ。空を見つめているのを見つめられているのではないか、
そう考えると空を見つめられない。
でも空綺麗やな、でもここでまた見るのって変じゃないかな、と、馬鹿らしいがいつも、よく考える。

まるちゃんの後ろで、私はまるちゃんの幸せを願った。
まるちゃんの将来が、自由で幸せでありますように。
まるちゃんには広い世界が必要な気がする。
と勝手に想像したり。

そう静かに祈って、私は信号に引っかかるのだった。

まるちゃんありがとう。

道ゆく人たちに追い越されながら私は歩いていくのであった。

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