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2020年2月26日 ひかりの輪セミナー初参加

セミナーは夜からである。
しかし私は、めずらしく朝から起き、気合いを入れて準備していた。
まず風呂に入り、念入りに色々色々したあと、さらに上がってからも念には念を入れて色々色々色々とする。
下着からワンピースから全て、昨日から熟考準備していた一式に身を包み、髪を整え顔を作る。

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電車に乗ってまず池袋に向かい、デパートのラルフローレンで代表への差し入れを買う。
そして喫茶店でお手紙をしたためた。

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朝からそのようにバタバタしていたため、その日はあまりスマホをチェックしていなかった。
手紙も書き終わりやっと一息つくと、スタッフのHさんから、既に数時間前にDMがきていたことに気が付く。

『ヨガをやるので、動きやすい格好で来て下さい』というような趣旨のことが書かれていた。

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が、時既に遅しである。
私はとりあえず上の画像をHさんに送り、お返事遅くなってすみませんこんな出で立ちでもう向かってますと返信した。
考えてみれば充分に予測できる事態だったのだ。初めからヨガ教室と言っているだろうが。何を浮かれてニットワンピなどをチョイスしているのだろうかこのバカ女はという話である。
しかしYouTubeなどで輪の動画を見まくっていた私は、勝手にあぁいう講座を、座って聞くだけだと思い込んでいたのである。
仕方あるまい。下にスパッツ的なものを履いてきていただけまだ良かったと思うしかない。
とりあえずデパートのトイレに行き、一度服を脱ぎ下の補正下着だけは外し、エコバッグにしまった。その他メイク等最後の身支度を整え、エコバッグを駅のコインロッカーに入れて、電車で東京本部最寄駅へと向かう。
完璧とはとても言えないが、自分なりにやれることはやったのである。後はなるようになるしかない。

電車を乗り継ぎ千歳烏山に着き、予定通り駅前で会員のKさんと落ち合う。
駅から会場まで道案内するために、わざわざ来てくださったのだ。普段のHさんの連絡の取り方といい、常に色々ときめ細かくフォローしてくださる感じで、大変にありがたい。
Kさんも、おっとり穏やかで優しそうな雰囲気の、初対面なのに話しやすい感じの女性であり『これから未だに公安監視されている元テロリスト集団にいく』という現実が、夢物語妄想の類のような気がしてくる。

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が、しかし、駅前の踏切を渡ればすぐ、あの有名な垂れ幕が目に入る。
内心もうキタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━!!!!!といった心境である。
ネットなどで画像は何度も見た。しかし肉眼で観測するのは初めてである。いよいよ『噂のヤバい現場にいる』感が高まってきた。
不謹慎なwktkが抑えられない私をよそに、もはや慣れているのだろうKさんは、自分達を糾弾するそれに目もくれずナチュラルに通り過ぎてゆく。
余計なことを口走りそうな自分やニヤける表情筋を必死に押さえ込みつつ、後をついてゆく。
ごく普通の商店街を抜け、ちょっと奥まった路地に入ると、わずか数分でそこへとたどり着く。

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(三階以上は一般住宅なので晒さないでください、と輪公式の方からお達しがあったので、一応ボカシはかけましたごめんなさい)
あの、かの有名なあの建物、テレビやネットで見てずっと憧れていたそれが、今、確かに目の前にある。
憧れの場所についに実際に来たという感動と、事前に覚悟を決めてきたとはいえその物騒な雰囲気へのビビり、入り乱れる感情を抱え私が建物を眺めて立ちすくんでいる間に、
既に慣れ親しんだ日常なのであろうKさんは、何でもないようにテクテクと敷地内へと入っていく。Kさんの穏やかそう善良そうな雰囲気と、その物騒な景色のギャップ。ずっとニュースなどで見て憧れていた『あの独特の雰囲気』の鱗片が今目の前で繰り広げられている。

建物入口前にある、輪専用の交番?詰め所?のようなところで、公安さんに名前などを聞かれるという。高速道路の出入口にあるような、小さい簡素な小屋である。
さすがに私のビビりはピークに達していた。しかし、そこからそのイメージはどんどんと崩れてゆくこととなる。
警察官というだけで一般的に厳つくて威圧的な男性をイメージしがちだが、そこにいたのは私服でまだ20代程に見える細身で爽やかな好青年であった。
チェックといっても、本当にただ名前を聞かれるだけである。しかも偽名でもいいらしい。つまりどんな人達が出入りしていのるか、把握できていればそれでいい雰囲気であった。身分証提出などもしないし、荷物検査や金属探知機なんかもない。某夢のネズミ国よりチェックがゆるゆるなくらいである。大きなお世話ではあるが私は逆に、代表の身の安全の方が心配になってきた。世に、彼を狙っている輩は未だ沢山いるのだろうに、こんなにも隙だらけなセキュリティで大丈夫なのであろうか。
私は大分拍子抜けしていた。しかし『怖いヤバい組織に潜入する』というイメージが、どんどん崩れてゆくのはこれからであった。
物々しいのは入口のバリケードだけで、中は一般的なマンションの一室である。だが、私にとってはニュースやワイドショー、ネット動画などで何度も見ていた憧れの場所である。それが今、まさに目の前にあるのだ。ついつい一々テンションが上がる私に、スタッフさんは苦笑していた。頭の片隅で空気を読まず騒いで申し訳ないという気持ちは一応あったものの、子供の頃から数十年間、ずっと憧れ続けた場所にいる、ずっと憧れ続けた人達に囲まれているのだ。私のテンションは最高潮でありもう抑えきれるものではなかった。
そんな私に苦笑しつつも優しく見守ってくれたHさんに「今は騒いでてもいいけど、セミナー始まったら収録するから静かにしてね」釘を刺される。

東京本部は、本当に普通の広めのマンションの一室である。
数枚仏像の写真などが飾ってあったりぽつぽつと宝具?的なものがあったりするものの、仰々しい祭壇があったりなどのカルトっぽさがほぼない。拍子抜けする程にない。ちなみに、洗面所にはごく普通に代表の使用済み歯ブラシやタオルが置いてあり、トイレをお借りすれば『男性の方はなるべく座って使用して下さい』との注意書きが貼ってあった。平和である。平和ではあるが別の意味で興奮した。
皆が集まる部屋の、隣の部屋の引き戸は閉じられていて『開けないで下さい』と赤字で書いてあった。
「この奥に、今度こそ何かヤバいものが…?」とつい凝視してしまった私に、スタッフのHさん「そこは代表の私室だから開けちゃダメだよ」
別の意味で興奮した。
東京本部が、普通のマンションの一室なことは知ってはいた。だが、要はマンションの一室を借りてセミナー会場として使用しているのかと思っていたのである。
しかし、ここは代表んちなのだ。
普通に、代表が暮らしている代表の家なのである。『オウム真理教後継団体施設に潜入』どころの話ではない。団体施設に来るつもりしかなかったのに気が付いたら『好きな人の家』なうである。個人的にはそっちの方が余程大事である。

そしてスタッフさん達は、アホな私のために、ジャージのズボンを貸してくださった。細身の方しかいないというのになぜあったのか、わざわざワイ🐷が入りそうなサイズの物を探し出して用意しておいてくださったのだ。
とはいえなにせ🐷ので、それでも履けるか一抹の不安はあったものの、いざ履いてみたらスルリと入りジャストサイズであった。これ程当社比とはいえダイエットに励んでおいて良かったと思ったことはない。
ついでに、上記した通りなんせスレンダーでスタイルのいい方しかいないので、サイズが合う人がいないのだろう。私が「普段運動とかしないので適した服装をあまり持っていない」と言うと「ずっと誰も使ってなかったから、よかったらあげるよ」と譲ってくださったのだ。これ程🐷で良かったと思ったことはない。今でも家宝として大切に手元に置いている。

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(本当は、色々とアレがソレで面倒だからツーショット写真はうpするなと、公式からお達しを受けているのである。ごめんなさい。
見つかってお叱りされたら下げる(コラ)ごめんなさい。
だって見てくれ。見てほしい。私の人生のピークの瞬間ですよコレ)
自分から行動し始めさえすれば、長年の夢が叶う瞬間というのは、いつ何時いきなりやってくるものか分からんのが人生というものなのだ。
セミナー後、スタッフHさんがアッサリと「代表とツーショット撮ってあげようか」と言ってくださった。こちらとしては後○kg程痩せたら自分からお願いしようなどと長年温めてきた夢だったのだが、そりゃあ撮ってあげようか言われたら、撮ってもらうに決まっている。
もうせっかくのチャンスなので、逆痴漢で訴えられないギリギリまでくっついたろと思った。さり気なさを装ってだいぶ接近しても、代表は何も言わない、動揺もしない、置物のようにそのままそこに立っている。さすがだなぁと思った。
シャッターを切られる寸前、思い切って隙を見て、腕にくっつき胸を押し付けてやった。もはや完全にただの痴漢である。入口の公安に突き出されたら現行犯性犯罪前科一犯である。代表は相変わらず置物のようにそのままそこに立っている。
二枚目のシャッターを切られる寸前には、胸を押し付けたまんま、肩に顔をのっけてやった。もはや我が今世に一片の悔い無し。安らかに成仏できる。さすがマイトレーヤ。

その後、スタッフHさんを交え三人で個人面談もしてもらったりして、夢のような体験をさせてもらった。
ずっと憧れていた芸能人の、楽屋に入れてもらった感覚に近い。
帰り際「夜遅いので気を付けて帰ってくださいね」なんて言ってもらったりした。めちゃくちゃトキメキながらも、心の片隅で「世間一般的には、夜道よりココのがアブナイ場所なんだよなぁ……」などと失礼なことを思ったりした。

帰り際、振り返ると、その建物は相変わらず、物騒な垂れ幕が悪目立ちする仰々しさでそこにそびえ立っていた。行きはKさんと一緒だったが、今は一人なので、思う存分しばらく眺めていた。
ここは、世間一般には『危ない怖い場所』なのだ。マンションを外から眺めた印象では、確かにその通りに見えるだろう。
その存在だけは、良くも悪くも有名な団体。
だけど、そのハードルを越えさえすれば、中にあんなに幸せな空間があることを知っている人間は、多分そんなに多くはないのだ。

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