女性医師とキャリア女性に贈る離婚のすすめ①


はじめに

離婚は大変です。それはもうしたことがある人間にしかわかりません。結婚の比ではありません。が、離婚をして後悔をした人は結婚をして後悔をした人よりずっと少ない気がしています。離婚時に必要だった手続き、などなかなかない経験なので記しておこうとおもいます。

私と元夫のスペック

離婚は条件、状況によりかなり難易度が異なりますので、関係のある事を参考にしていただければと思います。
私が夫と離婚をしたときの状況はざっくり、婚姻期間2年強、未就学児1人、自分相手ともに医師(年齢差10未満)、慰謝料なし、財産分与あり、養育費あり、ローン残債ありの持ち家あり
です。自分で書いておいてなかなかに難易度が高い笑。
円満離婚ですが、決めることは盛りだくさん、という状況です。

離婚を決めたら

概要を理解する

自分たちが離婚をするにあたり必要な手続きは何のか、決めておくことを理解するのに役に立ったのは書籍と弁護士です。
インターネットにはたくさんの情報があふれていますがそれが正しいのかを判断するだけのベースの知識がなかったためにまずは概要をつかむことにしました。
幸い、学生時代の友人が弁護士でしたので、法律の初学者が読むような、医師であれば標準○○学、のような書籍がないか聞いたところ、日本加除出版の離婚調停、という本をお勧めしてもらいました。(正確には新版が出たから譲るよ、ともらいました笑 この場を借りて御礼でもいえばいいのかな笑)
これは初めて離婚をする人間には何を決めていけばいいのかという概要をつかむのに本当に役に立ちました。

その後に弁護士の先生に会いに行き、自分が書籍で勉強をした知識の確認と今後の概要を教えていただきました。この弁護士の先生まで紹介してくれた友人には本当に感謝・・・
円満に離婚をするのに弁護士は必要だったか、ということに関しては私の場合には依頼をしてよかったと思っています。

離婚の合意に至る(X)

今更なにを、という感じではありますが、実は最も難しいことは離婚の同意に至ること、です。双方が離婚をしたい場合には全く問題ありませんが、どちらか一方でも離婚をしたくない場合には離婚届けに無理やりサインをしてもらうことは不可能です。今このノートをご覧になっている方は様々な理由で離婚をしたいのだと思いますが、離婚の同意にさえ至れば後はすべてなんとかなります。(このノートの意義とは笑)
2人の話し合いのみで離婚に合意できるときを協議離婚、合意に至らなければ調停、そしてそれでも合意に至らなければ離婚訴訟が必要です。わたしは協議離婚をしていますが、調停や訴訟は本当に疲弊するようです。

私の場合には、離婚の同意が得られなければ離婚裁判で”婚姻関係の破綻”を証明できる可能性の高い5年以上の別居、を選択するつもりである、と。それは私にもあなたにも何の意味も持たない無為な時間であると考えている、と元夫に伝え、結果的には離婚することそれ自体につまずくことはありませんでした。私の性格を熟知し、冷静で聡明な判断をしてくれた元夫には非常に感謝しており、今でも子どもを通しよい関係を続けています。

親権(X+数日)

円満離婚でも、いやむしろ円満だからこそ一番の争点かもしれません。一般的には母親が親権を獲得できる可能性の方が高いと思います。父親が獲得するのが難しいという問題や共同親権などの問題もありますが割愛します。元夫と私は元来別居であり、主に子どもの世話をしているのは私であり、よい父であることに疑いはないが、それでもあなたが親権をとることは難しいので裁判はやめましょう、と伝えました。ここでも冷静で聡明な判断をしてくれた元夫には感謝しています。

面会交流(X+数日)

ここまででなんとかわいそうな元夫、と思われる方も多いと思うのですが、彼が出した数少ない条件は、子どもが親をそこまで必要としなくなるまではできる限り多くの面会交流をさせてほしい、というものでした。妻と夫という関係は終わりますが、子どもの両親であるという事実は半永久的に続くものであり、子どもが父から愛情を実感しながら成長していくということには何の異論もありませんでしたので、現在は週に最低1泊2日程度で娘と元夫とは会っています。私も一緒に会っているので、そもそもが週末婚でしたので、彼と合う頻度はあまり減らず、変わった友人関係が続いています。
あまり会えない可能性が高そうであれば公正証書に月に何度、と記載するとよいと思いますが、私と彼はお互いを忌み嫌っているわけではなく信頼していますので、都度相談、としか記載していません。

養育費(X+数日)

親の義務ですので、必ず支払い義務があります。彼の社会的地位を考えても踏み倒される心配は全くしていませんが一応取り決めて公正証書に記載しています。一般的な養育費算定表を用いて額は決定しました。必ずしもこの額にしなくてはいけない、というわけではなく、裁判所に決めてもらうことになるならばこの程度の額、というのが養育費算定表です。ですから、どうか離婚してほしいので月50万出します、だって合意に至ればありだとは思います。

財産分与

私名義の財産、元夫名義の財産、子ども名義の財産、共有の財産がありました。正確に分けるのであれば元夫名義の財産の一部を分与してもらうことができたと思いますが、離婚したいというわがままを聞いてもらっているのは私でしたので、共有名義のものだけをわけ、お互いの名義のものはお互いにということにしました。車は2台とも買ったのは私でしたが1台あげました笑 子ども名義のものはジュニアNISAが主でしたが今後私が教育費を多く出していくだろうということで私が運用を引き受けています。

家の見積もり(X+3日)

最初に記した通り、築年数の浅いローン残債のある注文住宅に住んでいたために、実際に一番いろいろと大変だったのはこの家の件かもしれません。非常に心苦しかったのですが、建ててくださった建築士の方の信頼する不動産会社に相談し、見積もりにきていただきました。売るにせよ、売らないにせよ、少なくともローンは完済できそうな状況でしたので、売るのか売らないのかどうするかは保留、といたしました。離婚して1年がたった現在も私はその家に住み、彼からもらう養育費と私が払うべきローンを便宜的に相殺するという形をとっています。

弁護士①(X+4日)


離婚を決めてから弁護士に相談に行くまではなんと4日だったようです。私の場合は先にある程度のことを決めてから次になにをすればいいかを教えてもらうために行きました。これも前述の弁護士の友人に先輩の女性弁護士の先生を紹介してもらいました。

初回相談1時間は無料という弁護士事務所も多いと思います。その1時間の中でお互いの状況を伝え、何を決めるべきか、何が不足しているか、再来のタイミングなどを教えていただきました。

ローンの残る自宅の処遇に関してのみが不安定なことでしたがおおむね問題がなさそうなことがわかり非常に安心しました。もしも調停離婚となった場合などに依頼人の不利益とならないよう、彼も同じ弁護士に相談をするということはできないということも知りました。(何たる無知)

協議がまとまり離婚協議書を作成するタイミング、もしくは協議がまとまらず、代理人をつけて協議離婚を勧めるか、離婚調停に進むのかなどの判断が必要な場面が来た時に再来してほしい、とのことでした。

弁護士②(X+25日)

一度目の弁護士相談の2日後には元夫との間ですべての話が終わり、2度目の訪問に行きたかったのですが、私と弁護士の先生の日程が合わず少し期間があきました。ここからは1時間5500円の相談料でした。必ずしもうかがう必要はなかったのですが、公正証書を作る前に自分たちの考えていることが法的に問題がないのか、法律として正しい用語に直してもらう、などの専門知識をお借りするために相談させていただきました。その場で公正証書の原案を作ってくださり本当に仕事の早い先生でした。「1時間5500円なのですから、この場でせずに後で作っていただくほうが先生の儲けになりませんか?お仕事が早い方が儲からないなんて・・・」と本音を漏らしたところ、「誠実に仕事をすることが結果的には次の仕事にもつながります」とおっしゃってくださいました。人生で弁護士のお世話になったのは今回が初めてでしたが、また先生にお願いしたいと(なにもないのが一番)思っています。

公正証書 公証役場(X+40日)

並行して公証役場にも連絡を取り始めました。流れの大まかな確認や必要書類等をメールで事務の方とやり取りをしながら進めました。身分証明書などの提出もメール添付の写真で大丈夫であり、実際に足を運んだのは1回で済みました。印鑑証明や、ローン残債の残る物件を所有していましたので、不動産の登記謄本なども必要でしたがこれらもすべてメールで対応していただきました。

当日はマイナンバーカード、認印、手数料が必要でした。手数料は内容の複雑さなどにより異なるようでしたが、私たちの場合には3万円弱でした。

当日の手続き自体は30分程度、元夫と現地で待ち合わせ、別々の車で同じ家に帰り、子どもと3人で食事をしながらワインを飲んだことを覚えています。

ローン

結局離婚して1年以上がたった現在も家には住んでおり、結果的には売却をしないことを考えています。円満であること、財力が同程度であることなどいろいろな条件が重ならない限りには離婚前に売却する方がスムーズだと思います。財産分与、という考えはお互いのプラスの財産も、マイナスの財産もわけるものであり、仮にローンが売却益で完済できない場合にはマイナスの財産も分与すべきだからです。このあたりでトラブルにならないためにも弁護士相談は有用だと思います。

離婚(X+68日=Y)

離婚の前日まで、離婚を告げる前より予定していた夏休みの旅行に1週間程度行きました。娘と3人で穏やかな気持ちで楽しい思い出になりました。夏休み最終日の平日に私一人で離婚届を出しに行きました。ここまで怒涛の2か月弱、穏やかで、冷静で、聡明で、私を尊重してくれた元夫には本当に感謝をしています。


離婚をしたら

離婚届を出す(Y)

少々日本語が変ですが、離婚届を出した日をYとして離婚後の手続きに関して②でまとめていきたいと思います。

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