日本でも取り組まれている「心の病」の鍼施術

こんな記事を見かけました。
近年、若い世代の心の病や自殺が問題視され続けています。

先進7ヵ国の若年世代ではいまだに死因第1位を占め、深刻な事態を抜け出してはいない。自殺の多くは、うつ病などの「ココロの病」が原因と見られており、自殺予防対策には「ココロの病」の治療が欠かせない。

このような「ココロの病」の治療の一環として、鍼施術が注目を集めているという内容の記事ですが、日本や中国での鍼施術では、じつはかなりむかしむかしから、精神的な病に向き合ってきた歴史があります。

そもそも心やカラダのバランスを崩し病にいたるまでの過程には、それなりの時間がかかり、体調を崩していく前兆がしばしば心や体の変化としてあらわれています。

【不安定な情緒、不機嫌は病の始まり】
「未病を治す」なんて言葉があります。
意味は、「未病」という「未だ発症していない病の前兆に気付いて、サッサと治療する」というようなことです。

すでに病気の症状が出る前に、精神状態や体調の変化に早めに気がついて、発症前に心身のバランスを取ることができれば、大病の予防にもなりますし、しつこい病気に生活をふりまわされることなく居心地良く過ごすことができます。

そんな機嫌や気分の変化を感じる段階でも、鍼灸師さんは「大病の前兆=未病」をみつけだして、早めの対策を鍼施術でおこなうことができます。

うつ病で気持ちが弱っている人は健常者以上に痛みに弱いし、アメリカ人は、日本人以上に痛みを伴う治療法を受け入れないという。
 ゆえにアメリカでは、「痛くない鍼灸」への関心が高く、うつ病の治療に取り入れる土壌が整っていたため、船水さんの講演には退役軍人、現役軍人、医師、研究者や講師、大学院生など大勢の専門家が集まったと考えられる。
 日本でも、痛くない鍼灸によるうつ病ケアを普及させるべきではないだろうか。

記事に紹介されていた「接触鍼」という方法は、近年、ストレスフルで運動不足な「刺激に対して過敏」な現代人にあわせた比較的新しい手法です。
イライラしてカラダのこわばりを感じる時、まずは「接触鍼」のような痛みの負担の少ない手法で心身の調整をはかってみるのも、よい選択枝なのではないでしょうか。

うつ病と診断されてから鍼施術を受診しても、それなりに体調は楽になりますが、時間をかけたひんぱんな施術が必要になります。
それよりも、不機嫌や不調を感じたら、はやめに鍼施術を受けてみることで、深刻な症状にいたる前に病の発見や対策に役立ちそうです。

うつ病の身体症状を見抜く
早期発見の窓口としても有効
 鍼灸には、早期発見の窓口としての役割も期待できる。
 なぜなら、うつ病によって体に現れる最もポピュラーな症状は、睡眠障害、疲労感、倦怠感、首や肩のこり、頭痛だが、これらの症状はいずれも、鍼灸治療の得意領域だからである。

・イライラする
・落ち込む
・慢性的に頭痛や肩コリ、背部痛を感じる
・睡眠障害がある
・疲労感や倦怠感
・先々の不安や後悔の気持ちがとまらない
こんな動機で鍼施術を受けに来られる方々が、ぼくの周りでも増えています。
また、忙しさやストレスばかりでなく、季節性の情緒障害も増えているこの頃。
手軽で気楽なココロとカラダの健康習慣として、鍼灸施術への注目が集まればなぁと、記事を読みながら考える時間があったので、シェアしておきます。


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