2015春分その2_2

拝啓 全国の痔主さま

むかしから、一度わずらうと寺までもっていく病といわれている「痔」。
東洋医学的な痔の原因から考えれば、今後ますます痔をわずらうひとは増える一方です。 #恥ずかしい話  


【いきづまり占いとしての、痔】
そもそも痔とは、肛門部がうっ血している状態です。ここの血行がいつも潤沢であれば、痔をわずらうことはありません。
しかし、現代人のライフスタイルでは、肛門部をうっ血するまで追いこむような習慣が、たくさん見受けられます。


【息づまりの痔=呼吸に注目!】
骨盤の中には腸がおさまっています。毎日リズムよく呼吸をすることで横隔膜が上下すると、腸もほどよくマッサージをうけて活発になります。骨盤内の血行もよくなり、肛門部がいつものびのびします。ふかい呼吸で鼻歌が出るようだと、排便もスッキリ!

●浅い呼吸では、横隔膜の動きがわるくなり重心があがります。骨盤も固くなります。
このタイプの痔のかたは、息がつまり腸の蠕動運動を止めてしまうような生活環境がないか、もういちど見直してみましょう。
つめこみ過ぎのスケジュールや精神的なストレス・先々の心配事・イライラ対人関係のトラブルなどなど。
息づまりは、痔主さんへの道まっしぐらです。


【行きづまりの痔=血行に注目!】
ほとんどのかたに思いあたる不摂生に、過食・寝不足・運動不足・眼精疲労があります。
このままの生活が続くと、やっぱり身体は「行きづまり」のサインを出します。お尻にきゅうくつな違和感を感じたら、早めに人生をきりかえるチャンスをもらったと考えてみましょう。それぞれ、どの原因に心当たりがあるのか以下でチェック!

●過食の行きづまり
過食をするひとは、腸内にこなしきれない食べこぼしが停滞します。また、肉のアブラや香辛料の効きすぎる食事は、腸の血行を乱す原因となります。過食やこれらの偏食をすることで、腸内環境が調わないと、血行不良による痔になります。

●寝不足の行きづまり
睡眠は一日の疲れをぬく、大事な回復のための働きです。手足を布団の中におさめ、身体のなかの回復に集中できる時間を十分にとるようにしましょう。
睡眠の質が悪いと、疲労が蓄積します。疲れた身体は内臓をひきあげる力が弱まります。食べすぎた覚えもないのにポッコリ下腹が出てきたら、内臓が下がって腸の血行が悪くなっている可能性アリ。どんなに眠っても目の下にクマがあれば、睡眠で疲労が抜けきっていないサインです。

●運動不足の行きづまり
骨盤内におさまっている腸は、いわば「長い筋肉の管(くだ)」です。手足や足腰の筋肉とも連動しています。毎日適度に身体を動かす習慣を持ちましょう。全身の筋肉を刺激していると、腸の血行もよくなり丈夫になります。

※子どものときに運動不足だと、腸の筋肉が鍛えられることなく成長してしまいます。もともと腸が弱いかたでも、大人になってから適度な運動を心がけると腸への血行がいつもうながされ、うっ血しにくくなります。反対に、足腰を使った全身運動をしなくなると、とたんに骨盤内の血行がわるくなり、痔主さんに。一日オフィスで座りっぱなしというかたは、意識して足腰を使う時間をもうけましょう。

●眼精疲労の行きづまり
テレビやゲーム、スマートフォン、パソコンを使うお仕事で目を酷使すること。思いあたるかたも多いのではないでしょうか?
眼精疲労は、いわば目のうっ血です。ものを「見る」器官は目ですが、「見続ける」視力を支えるのは、首肩や背中です。
眼精疲労を起こすとき、こうした上半身全体がかたくこわばります(肩がこるのも、うっ血症状のひとつです)。上半身に血のめぐりが集中することで、下半身にある骨盤内の血行が貧血します。腸に血行が及ばない状態が続くと、痔になることがあります。

●薄着による行きづまり
肌寒い時期にも素足ですごし、足腰を冷やすような装いを好むかたは、冷えにより骨盤内がうっ血しやすくなります。


【全国の痔主さんへ】
むかし・むかしは、冷たい床に座り、寒い中で足腰を冷やして過ごしていたために、痔をわずらう人が多かったようです。
一方で今は、身体をふりかえる時間がどんどん少なくなり、お尻のことまで気がまわらなくなっています。
恥ずかしいからと「痔主さん」であることをカミングアウトすることなく悶々とお悩みのかた、いまや2人に1人は「痔主さん」であるという話も、よく耳にします。上に掲載した、さまざまな「いきづまり」をながめてみれば、痔をわずらう人が多いのもうなずけますね。おおらかな呼吸とのびのびした血行をとりもどして、今年こそ「痔主さん」へさよならしたいものです。
日常生活のどこに、いまの症状とむすびつく「ボタンのかけちがえ」があるのか、このnoteが少しでも皆さまのヒントになれば幸いです。


【まとめ】 
朝すっきり目覚めて早めスタート、のびやかに運動する時間的余裕をもちましょう。これで息が深くなり、全身の血行が1日よい状態を保ちます。ポイントは質のよい睡眠と、手足や足腰を十分使うこと!それによって、食べこなしをうながしましょう。骨盤内の血行がよくなり、腸の運動も活発になります。 

※「東洋医学の薬箱」というマガジンで、痔のタイプ別セルフケアを掲載予定です。せんねん灸のツボ動画解説あり。
よければこちらもあわせて、ご覧ください。

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