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目の前に起きることは良いこと半分、悪いこと半分。どちらの方向を見るかは自分次第。


私は病院で働いている。

患者さんや家族にとってみれば、病気は人生でもネガティブ期に分類されるのではないだろうか。

病状やそれに伴う心理状態、元々のキャラクターもあるのだが、どうしてもネガティブことばを傾聴する場面がある。

「この方はそういう時期だから。」と割り切って傾聴できればよいのだが、自分自身のプライベートなメンタルの浮き沈みが重なると、どうしても自分のことと切り離せないことがある。

病は気から、病があるから気が落ちる・・・うーん、もってかれる。戻って来い、戻って来い自分!

毎日、80歳を過ぎた患者さんから、家族や人生のネガティブなことばを傾聴していた時のこと。むしろ、このまま話し続けてもらうと、この方は無理矢理でもネガティブ探しをしていってしまうのではないかと考え、話をそらすことにした。

「そうだ、好きな食べ物は何がありますか?今、食べたい物は何かなあ。」

「あたしね。乳製品が嫌いなのよ!!」

「・・・。」

失敗だ。


私は学生時代、心理学の講義でエリクソンの発達課題がどうしても覚えられなかった。国家試験にも頻出しているため、友人に暗記によさげな歌を作ってもらうようお願いした。ちょうど、その頃は「まるものおきて」というドラマが流行っていたころで、主題歌にのせて作ってもらうことになった。

発達課題(はったつかだい、英: developmental task)とは、「人間が健全で幸福な発達をとげるために各発達段階で達成しておかなければならない課題」であり、「次の発達段階にスムーズに移行するために、それぞれの発達段階で習得しておくべき課題がある」とされる。また、各段階には健全と相反する危機(英: crisis)が存在し、健全な傾向をのばし、危機的な傾向を小さくしなければならない。教育心理学者のロバート・J・ハヴィガーストが最初に提唱し、その後エリク・H・エリクソンなど様々な心理学者がそれぞれの発達課題を提言しており、その内容は一様ではない。引用元-wikipedia



では、音楽スタート。


まるまるもりもりエリクソンだよ♪

乳児期、幼児期、前期と後期♪

学童、青年、成人期、前後期、老年期~♪

信頼、不信に恥・疑惑・自立!

もひとつ自立で罪悪感よ!

勤勉だろーが劣等感!拡散は同一性~♪

だばでゅあ♪成年前期♪

だばでゅあ♪親密・孤立♪

みなさん生殖・停滞期、絶望して統合だ~♪


正常な発達をするためにはポジティブとネガティブ、両方の関係性が非常に重要。両者のバランスが重要だけど、ポジティブにかたむく状態が理想的。

ポジティブとネガティブのバランスを経験していくことで、自分の人生をよりよく生きていけるような力をつけることができるのだ。

「人生、いいこと半分、悪いこと半分」ってここから来ているのかしら?

どちらの経験も必要なのだけど、一度きりの人生、ポジティブに傾く状態の方がいいわ。

どんな人にも平等に決まっていることは「いつか死ぬ」ということ。生まれた時点で、みんなそれに向かっているのだけど。特に、老年期の課題として死が身近になることで、人生を振り返って、絶望するか、統合するかは自分次第。


大学で心理学の初回講義

「血液型占いもちまたで流行っている心理テストも真っ赤な嘘です!!信じてはいけません。」

と言われて衝撃を受けた。小学生の頃、心理テストめっちゃやってたし、朝のニュースで血液型占いあるし・・・あれ、何なのよ?

臨床心理士の友人に「ねえねえ、アメリカドラマのライトマン博士みたいに表情で人の心理を見抜いてみてよ!」とお願いしたことがある。

「そんなのできたら、俺は女の子をはべらしている。」

と言われて衝撃を受けた。その時、友人は彼女なし。それが全てを物語っていた。


私は臨床心理士でもカウンセラーでもない、必須科目でさらっと学んだ程度だが、就職してから「心理学って面白い。」と助けられる場面がある。

目の前に起きていることは良いこと半分、悪いこと半分。

どちらの経験も大切で、どちらを見るかは自分次第。

悪い方へ「もってかれる、戻って来い、戻って来い、自分!」となっているときは距離を置いて、視点をかえる。それだけで、いいのだ。


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