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拾ってきた小さな命は儚くて

小学生の頃、いつも学校が終わるとランドセルを家に置いて一目散に遊びに行く公園があった。何の変哲もない、滑り台とブランコ、砂場があるステレオタイプの公園だ。

いつものように学校の友人と公園で待ち合わせをしていると、ミーミーというか細い鳴き声が聞こえて来た。声がする方に行くと薄汚れた段ボール箱の中に、子猫が数匹いた。まだ、目も開いていない、ちまっとした子猫。

いつからここにいるのかしら?母猫は?

段ボール箱の中をのぞきながら、そっと子猫にふれてみる。猫はビクッと動いて、さらに大きな声でミーミー泣き続けた。

「ねえ、どうしたの?」

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