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アナログの魅力満載。名大生が作ったボードゲームで市民が交流、地域の宝を再発見!

名古屋大学博物館 学生運営スタッフ団体 MusaForum(ムーサフォルム)

インターネットをはじめ、電子マネー、人工知能(AI)、リモートワークなど、何かとIT化、デジタル化が進む昨今ですが、アナログな魅力でじわりと人気を集めているのが「ボードゲーム」。昭和の時代に一世を風靡した「人生ゲーム」は今年、令和版としてリニューアル発売され話題を呼んでいます。
そんなボードゲームを囲んで人々が交流する場を作ろうと、地元の建築士会と名大博物館がイベントを開きました。ゲームを企画、制作したのは名大博物館の運営をサポートする学生団体「MusaForum」の有志たち。どんな取り組みなのか、体験参加してきました!

参加者にゲームの遊び方を説明する学生たち(青色Tシャツ)

地元ネタの“対戦型”ゲームで参加者が交流、白熱!

「あんかけスパと味噌煮込みうどん、すがきやラーメンの“麺カード”3枚で1コインGet!」「豊田から飛騨までサイコロ何回振れば着くかなぁ」・・・12月中旬の日曜日、名古屋商工会議所の一室に設けられた会場に飛び交う笑い声。家族連れや夫婦、若者がゲームを囲んで一喜一憂しながら、和やかな空気が流れます。

参加者が興じたのは「東海3県をバスで巡るすごろく」と「東海地方の名物カードを集めるゲーム」。
すごろくは、各地の地名が記載された地図上で、サイコロを振ってバス(駒)を進めながら“乗客”を増やすゲーム。時おり訪れる「指示カード」の命令でスタート地点に戻らされたり、対戦相手の乗客を奪ったりしながらゴールを目指します。
カードゲームは、名物を描いたカードを引いて、あんこ、味噌といった「原料」や愛知、岐阜といった「産地」などの共通項をそろえてコインを荒稼ぎ!?ゲームが進むにつれ初対面の参加者同士で交流が生まれるなど、対面イベントの魅力を発揮する企画となりました。

カードの“役作り”を親子で熟考中!
「駒」となるバスや乗客は3Dプリンターで制作

#地域ボードゲーム
特定の地域の歴史や文化、自然、食べ物などをテーマにしたボードゲームのこと。すごろく型のボードゲームだけでなく、カードを集めるゲームや地域を実際に巡るゲームなど様々な形があり、近年、地域の魅力発信などを目的に各地で企画されています。

参加者同士が交流を楽しみ、地域の良さに気付いてもらいたい

仕掛け役は(公社)愛知建築士会名古屋名南支部。街づくり活動として、地域住民に地元の良さを再発見してもらえるような市民イベントを開催しようと、名大博物館とMusaForumに企画を持ち掛けたのがきっかけでした。
同支部から学生に出した“お題”は「名古屋の課題をボードゲームで解決すること」。イベントの企画実行役に手を挙げた学生8人が、今年3月から企画に乗り出しました。

MusaForumのメンバー8人と担当教員の梅村綾子特任助教(左奥)

すごろくゲームのチーム名は「TTB(Tokai Travel Bus)」。リーダーを務めた重松颯太さん(理学部2年)は「東海地方の課題は、旅行先に悩むこと。ゲームを通じて行ったことのない場所を知ってもらい、次の旅行先の参考にしてもらいたい」と話します。
カードゲームのチームは名古屋駅の土産物店を巡って調査した結果、名古屋には全国から多種多様なお土産品が集まっているのがユニークな一方、ご当地の名物が分かりにくいことが課題だと分析。リーダー役の片田はるかさん(環境学研究科博士後期課程1年)は「お土産屋さんの気持ちになって、名古屋と東海地方の名物を知ってもらうようなゲームを作りました」と説明します。

家族連れも地元感たっぷりのカードゲームを満喫!

1年近くかけて企画から制作、イベント進行まで準備

ゲームで使うカードやすごろくの駒、盤面はすべて学生たちの自作で、名物カードは「赤福餅」「うなぎパイ」といった有名な商品から、あまり知られていない銘品まで約60種類も作成。メンバーが名古屋駅構内の土産店を1軒1軒巡ってリスト化し、それぞれのメーカーや販売会社に連絡を取り、イラストの描写や商標使用の許可を得るなど交渉しました。
最も苦労したのはテーマの決定で、「メンバーの思いが一つになるよう何度も何度も話し合い、同じ方向を向いて制作できる内容にしました」と片田さん。「博物館教育に興味があり、何もないところから企画してイベントをつくる経験をしてみたかった」と目を輝かせます。

初対面の参加者同士がゲームを囲みながら打ち解けていきます

イベントでの気付きを踏まえ、さらなるバージョンアップへ

メンバーは今年3月のキックオフを経て、地域ボードゲーム作りの講座を10回以上受講し、現地調査やテーマ選定、ルール作り、制作作業など一連のプロジェクトに取り組んできました。
MusaForumの事務局を担う梅村綾子特任助教は「学生たちは今回のゲーム会での気付きをもとに”手直し”に取り組んでいて、今後の展開に向けやる気も十分のようで、とても楽しみです」と、学生たちのさらなる成長を期待します。

今回のボードゲームは名大博物館にて体験可能です。遊んでみたい方は博物館事務室にお声掛けください。

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