12/11 削る、という作業【考察】
削る。自分の書いた、贅肉のついた文章を。
細かくしすぎた表現を。
一瞬でそこまでわかったのか、と言われ得る解像度を。
主人公の性格に合わない表現を。
南雲麗は実感する。自分が、言われないと分からない気質であることを。
書き溜めた初稿の十万文字では、決して脱稿に至れないことを。
軽い縛りでも入れないと、すぐに表現を盛り込んでしまうことを。
削るとは、自分の表現に向き合う作業である。削って、削いで。削ぎ落として。残ったものが、真なる自分の表現で。
それは、人間においても同じ気がする。余計な人間関係や、しきたりや、規範意識を削ぎ落とした時。
人はなんであれ、本当の自身をさらけ出すのだろう。
もしかすると文学の先人は、単なるエンタメを越えて。
突き詰めに突き詰め、徹底的なまでに自己を煮詰めた作品を。
彼等は送り出していたのかもしれない。
今日はここまで。
おわれ
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