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マイクロノベルちょいす 010「集めよう」

No.987
「その箱は開かないよ。外で遊ぼうよ」うるさい。「そもそもその箱はとある夫婦が娘のためにね」うるさい。「口の利き方を知らねぇガキだな。いいぜ、持って行け。ただし条件がある。この先にそいつとセットの箱がある。必ず開けろ」その箱はまだ見つからない。


No.1000
ようやく山頂に到着。空を飛ぶ者なら一っ飛びだけど、ぼくは一日がかり。その一日で、走る者は島の端まで往復するんだって。想像もつかない。帰宅したらもう夕飯時。みんな食事の準備中。「地を這う者よ、なにを見つけた?」俳人級メニュー。「松茸ぇ!!」


No.1025
まぜろまぜろ。たくさんの存在が力を合わせる。それが美しいんだ。まぜたら分けろ。最強の勇者チーム。神の軍勢。愛に目覚めた魔族の眷属。猫ちゃん大好き集団。「いらないのがあるよね?」え、そうかな? あら、ネズミつかまえたんだー。えらいねー。


No.1040
どんな道具にAIを搭載するのがよいか、我々はアンケートを募りました。その結果、はさみが選ばれました。このAIはさみは切り絵が得意です。花、動物、空、海、宇宙が作り出されました。まだAIの複製こそ作れませんが、雨が降る前には解決するでしょう。


No.1064
現実の畑に比べたら楽な物だよ。水をまいて、雹が降ったらカバーを掛けて……。収穫の歌は母が歌うと間延びした校歌みたいだった。今はそれをぼくの娘が歌っている。摘んだ演算素子はトラックに積まれる。どこかでバーチャルの畑を作るために。

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