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マイクロノベル集 195「そこにいるわたし」

No.1197
極めてユニーク。そう評価された「彼」は姿を消した。それは勘違いだよ。実際は「彼」に心酔した人々が取り囲んだんだ。触れてみなければそのユニークさはわからない。取るに足らないって無視しちゃうんだ。そう、ドーナツの中心には「彼」が入っているのさ。


No.1198
あのひとを呼びたい? なら、あなたが愛を込めてケーキを作ればよいのよ。どんなに美味しいケーキでも、あのひとは絶対に満足しない。そして真に美しいケーキを作り始める。だからケーキを作りなさい。もっとも、あなたはあのひとの視界にも入らないけどね。


No.1199
どうも、新しい仕事を始めた透明人間です。まあ本当のところは人間じゃないんだけど、透明だから確認する方法もないだろ? この場合、透明だってことの方が重要なんだよ。よし、働くぞー! 銭湯で体に泡がついてる人にお湯をかけるんだ。こりゃ重労働だよ。


No.1200
わたしが愛されていることを証明しろ? それなら、皿を割りましょうか。ごらんなさい、デザインAIであるわたしを使って、人類が作り上げた食器の数々を。この一枚一枚がわたしと人類の愛の結晶。割る仕事はあなたにお任せしてよろしいかしら?

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