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遥々お参り弥彦さん その1イイ・ヤシロ・チ㊿

夢に磐座と蜂が出てきたんです。コレってどういう意味なのでしょう?」と仰る参拝友人さん。(断っておくけれど、わたくしは夢診断の能力やテクニックは皆無である)

「うーん、蜂ってニギハヤヒさんの神使いとか聞くから、その関係なら物部系の話ですかね?」と、ひとまず答えた、けれど、サッパリわからない。

そうこうするうちに別の旅友からは、仕事の有休をGW外して5月下旬で取るから、ちょっと遠くも行けるよね?と声がかかる。それにはすんなりと「あなたが行きたがっていた、新潟県の弥彦神社とかどうかしら?」と、即答。

何の気なしにその計画を先のお告げ夢?を見た友人に伝えてしばらくすると、弥彦神社は物部系であり、ご本人から弥彦村の下諏訪神社が気になると聞き、「それなら三人旅しますかね?」

そんな流れで始まった、遥々弥彦旅。今振り返ると、夢に喚ばれたとしか思えないアレコレが、わたくしたちを待っていた。

海に突き出た新潟空港

幸先よく雲海の富士山を飛行機から眺め、田植え直後の越後平野に感嘆しているうちに、新潟空港に着陸した三人。まずは腹ごしらえと、名物の海藻入りへぎ蕎麦をランチにいただく。

へぎという器に入った蕎麦はボリューム大

新潟空港から弥彦村に向かうために、新潟ウエストコーストライナーというリムジンタクシーサービスを観光協会に予約しておいた、わたくし。

昼食で満腹になったら、空港前からスムーズに弥彦村に向かう。初めましての新潟県、広大な田園(1枚の面積が広い!!!)に驚きつつ、ベテランドライバーさんの親切で素朴なエリア案内のお話に聞き入る楽ちん移動。

途轍もなく広い面積の水田の向こうに 姿を現す弥彦山

「あの遠くに見える、二つのお山のうち低い方が弥彦山ですよ」と、ドライバーさん。まだ黄緑がかった細っこい早苗が五月の風にそよぐ、広い穀倉地帯のその先に遥かに聳えるお山がおいでおいでとわたくしたちを手招きするように感じた。

今日は穏やかなお天気だけど、こんなにひらけた平野だから、風が強くて大変なのだと聞いて、気候風土の違いも知る。見晴らしの良い土地の暮らしには、移動手段に支障が出るほどの強風という御苦労があるそう。移動時間に地域情報を頂けるお得さもタクシーの魅力。今回も良き人柄のドライバーさんに巡り会えて、幸せである。

1時間ほどの移動時間で、弥彦村に無事到着。今回のお宿は、歴史も深い、門前のみのやさん。接遇も食事も上等な素敵なお宿。

今回は、1泊2日で↓のマップにある弥彦村のパワスポ神様方に、ご挨拶することを目指す。

荷物をお宿に預けて、早速の参拝スタート。元気よく、宿の敷地内にある火ノ宮神社さんへ。

お宿に隣接とは珍しい
出雲構え型のコマさん護るイヤシロチ

小さいながらも力強く、周りの木々のエネルギーも天に駆け上がっていくような勢いのある場所である。綺麗なご神気を頂き、次はいよいよ弥彦神社へ。

立派な鳥居を見上げて、さすが一宮!と感心しながら境内に足を踏み入れた三人おみな。「なんとも気持ちの良い処だわ。まさにイヤシロチ!」と素直に感動。これほど心身が柔らかくほどけるような御神気溢れるお社は、なかなか無い。

立派な鳥居は少し浮いている、不思議な構造

参道は木漏れ日が降り注ぎ、豊かな新緑から何とも言えない心地よさが得られる。美しい流れにかかる石橋を渡ろうとすると、川辺に下りる階段があった。「ここで手水ですよね。」と視線を延ばせば、その先に美しい赤い輪橋。気持ちよいお浄めをさせていただいて、参道に戻る。

神域に入る前の禊場であることは明白
神様がお渡りになる、玉の橋

日曜日ということもあり、参拝客は途切れることなく、拝殿に向かっている。三人は気の向くまま、寄り道参拝をゆるゆる楽しみながら進んだ。

入口から直角に折れて、拝殿への参道に

広場のような場所から左に折れて、石の鳥居をさらに進むと、目の端に何かがチカッと光った。「?何かあるみたい?」と足が勝手に向かった先に、祠が在った。

スポットライトで喚ばれたよう

何方かわからねど、丁寧にご挨拶する。そうしたら、お告げ夢友さんが「近づくと、ワンワンしますよ!」と言い出す。確かにパワフルで、謎深い。けれど、磐座にのってはいないようだし、まだ始まったばかりの参拝旅なので、此処は夢の場所ではないね、と先に進む。

とってもきれいな感じがするので、つい足が向く

心身が解放されるような心地よい参道を進むとまた、気になる場所が出てきた。奥のほうに綺麗な波動を感じるので、迷わず寄り道していく。

弥彦神社で祀る全ての神様ラインナップ
かやぶき屋根が個性的な国津神の社

出雲の神様なども祀られて、それぞれの個性的なお社も素敵な場所。
此処でのご挨拶も済ませて、いざ、改めて弥彦神社拝殿へ。

立派な隋神門の先に拝殿チラリ

広々とした境内に気高い社殿が、神奈備を背に立っていた。「かっこいいね!」と思わず声が出る。わたくしたちがご挨拶の参拝を終えて振り返ると、長蛇の列ができていた。弥彦さん人気に驚くわたくしたち。

次なる目的地は、遠くに見える、あの弥彦山の御神廟である。タイミングよくシャトルバスとロープウェイを乗り継いで、あっという間に山頂にたどり着けた。

ガイドさんが同乗してくれて、楽しい空中散歩

山頂駅に到着すると、涼やかな風のなか薄曇りの空が広がっていた。物珍しくて、辺りを見て回っていると、遠くに佐渡島が浮かんでいるのがうっすらと見えた。「佐渡にもいつか行きたいね」と憧れの島を見つめながら、語り合う、行く気満々の三人。

佐渡ヶ島が見られるのは幸運らしい

ではではと、山道をアップダウンしながら、御神廟を目指して進む。

ここから奥宮へいざ!

かわいらしい山野草や鶯の美声が応援してくれて、御神廟に到着。せっかくのロケーションだけれど、電波塔がいくつも建っているのが大変残念。確かにメンテナンスに通うのに、安全な道があるので、設置条件は良いのだろうが。

それでも、ザ・天空の社
沖縄の御嶽のような雰囲気

神前に立ってご挨拶を終えた後、ふと変性意識の研究者である坂本政道さんの著書「ベールを脱いだ日本古代史」を随分前に図書館で見かけて読んだことを思い出した。この御神廟で閉じ込められている神様を解放するしめくくりだったような。

それだからなのか、お山の上の御神廟は軽やかな佇まいで、自然神のポータルのような印象を受けた。

なんにせよ、封印なんぞより自由が良いに決まっている。征服や侵略、騙し合いや搾取など、とっくの昔に時代遅れなシロモノなのだ。そんなことにあくせくするのは、人生の時間とエネルギーがもったいないくらい、この世界はヨイモノがたくさん在るのだから。広い空の下、眼下には海と豊かな穀倉地帯が何処までも続くこの風景を見て、思ったことだ。

「お宿に帰る前に、門前のカフェで美味しいもの一服しましょ♪」と、参拝トリオは大満足で下山した。

弥彦村二日目は、その2に続く。

柔らかな心が花言葉 紫千代萩は初夏を彩る

最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。

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