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太さの違う毛糸同士を同じ幅で編む方法


この話は、
【編み物中級者~上級者向け】の内容になってしまうかもしれませんので、予めご了承ください。


『色が気に入ったから、この色とこの色を使って何か編みたい…けど糸の太さが合わないorz』って経験ありませんか?

今日はその悩みを解消する話を書きますね!

まず結論ですが、

〖仕上げたいサイズ(幅の長さ)〗
に対して、
【太い糸なら何目必要か】
【細い糸なら何目必要か】
を計算して割り出し、太い糸と細い糸でそれぞれ必要な目数の【差】の分、増目するか減目すれば良いだけ

です◎


デザインにもよりますが、[太い糸から編み始めて、細い糸に切り替える際に増目する]という編み方の方が綺麗に仕上がりやすいと思います。

[細い糸から編み始めて、太い糸に切り替える際に減目する]方が、編みやすいのかもしれませんが、減目した箇所が穴になりやすい場合も多いと思うので、ご自身の【編む力の調子の具合】などを見極めながらやってみてください。


このブログでは、太い糸から細い糸に増目しながら切り替えるという方法で説明していきます。


ここからは、1つ1つ細かく順序通り、具体的に書いていきます。


§糸を選ぶ§

【色】だけを元に選ぶと、どうしても
・糸の太さ
・糸の素材
が異なる場合ってありますよね。

今回、糸の太さの違いを補う話を書くので、太さに関しては何でも良いのですが、もし、
『素材も違うけど…どうしてもこの色を組み合わせたい!』
と、思ったなら、
[洗濯方法が同じかどうか]
という点を参考にすると良いです◎

小物や日用品を編むのであれば気にしなくても良いですが、マフラー、セーター、帽子…などなど、定期的に洗濯する予定のアイテムを編む場合は、必ず
[洗濯方法が同じかどうか]
という部分を確認してから選ぶことをおすすめします。

※ただし、洗濯方法が同じであっても、洗った後に片一方だけが縮むリスクは0ではありません。

これらの点を参考に糸を選んでみましょう。


《私の実例》

今回私が使いたいと思った毛糸が

太:Parasolアクリル極太
カラーナンバー:113
素材:アクリル100%


細:Off Time 純毛並太
カラーナンバー:1004
素材:毛100%


の2種類です。

洗濯表示は、アイロンの温度以外は全て同じですね◎


なので、自宅で一緒に手洗い(40℃限度)できる糸同士のようですね◎


§使う棒針(かぎ針)の号数を決める§

違う太さの毛糸同士を同じ幅で編むためには、使用する棒針(かぎ針)は統一した方が良いです。

このときにまず、
◆ザックリ柔らかく編みたいなら太めの針
◇キッチリピシッと編みたいなら細めの針
いずれの方向性が良いか決めます。


◆太めの針を選ぶ場合

太い糸を編むための目安の号数の一番細いものを選びます。

《私の実例を元にすると》
Parasolの方に記載されている
棒針:12号
かぎ針:9号
を選びます。


◇細めの針を選ぶ場合

細い糸を編むための目安の号数の一番太いものを選びます。

《私の実例を元にすると》
Off Timeの方に記載されている
棒針:7号
かぎ針:7号
を選びます。


※ただし、あくまで目安です。正解はありませんので、ご自身が作り上げたい物の雰囲気をイメージして選んでください。



《私の場合》

私の個人的な好みが、機械で編んだかのような細かいピッチに(編み目同士の感覚を狭く)仕上げたいので、細い棒針を選びます。

(何故かこの棒針は号数表記ではないのですが)
棒針:4mm
かぎ針:6号
を選びました。

因みに、糸に対してあまりにも細過ぎる棒針を選ぶと、編みにくい場合もありますので、ご注意ください。

私のおすすめはあくまで毛糸の表示に則った針選びです。


§試し編み§

自分の手で編んでみて、どの糸が何目で何cmになるか知りたいので、試し編みをします。

※普段、端を綺麗にするために、次の段を編む際に一目飛ばして編む人もいるかもしれませんが、試し編みの際は、端も飛ばさず編みます。

注意①

試し編みの目数は最低限20目は欲しいです。

試し編みする際の目数が多いほど、太い糸と細い糸の【目数の差】に信憑性が増します。

注意②

柔らかく編むように心掛けましょう。

普段から柔らかく編める人は問題ありませんが、私のように握力や指先の力が強いタイプは、糸本来のポテンシャルを潰さないように、気持ち緩やかに編むことが大切です。


上記2点に気を付ければ、後はガーター編み4段も編めば割り出せますので、この行程は惜しまず行うことをおすすめ致します。


《私の場合》

選んだ棒針とかぎ針を使って、
20目×4段(3回)編みました。


たったこれだけの試し編みでも十分計算できます◎


§みんな大好き計算の時間§

まず概要をサラッと書いた後に、一つ一つ丁寧に説明しますね。

〖工程1:仕上げたい長さに何目必要なのか割り出す〗

①試し編みした物の長さを測る
②1目あたり何cmなのか割り出す
③仕上げたい長さを②で割る
<①~③を、太い糸、細い糸、それぞれ計算しておきます。>

〖工程2:太い糸と細い糸の目数の差を確認する〗

工程1を元に
(細い糸の目数)-(太い糸の目数)=目数の差

〖工程3:目数の差の分をバランス良く増目(減目)するよう計算する〗

工程1、工程2を踏まえて
(仕上げたい長さに必要な、太い糸の目数)÷(目数の差)=何目毎に増目(減目)すれば良いか出てくる



〔解説〕

〖工程1〗

【太い糸】
①20目編んで、約11.5cmです。

※私の写真の写し方が下手なので、長さが違うように見えたらすみません。

②11.5(cm)÷20(目)=0.575(cm)
なので、太い糸は1目あたり0.575cmの長さであることが分かります。

③18(cm)÷0.575(cm)=31.3(目)
今回、仕上がりの長さを18cmにしたいので、18を②の答えで割ることで、31.3目必要なことが分かりました。
→今回のデザインは偶数に揃えたいので、[32目必要]ということにします。


【細い糸】
①20目編んで、約9cmです。

※私の写真の写し方が下手なので、長さが違うように見えたらすみません。

②9(cm)÷20(目)=0.45(cm)
なので、細い糸は1目あたり0.45cmの長さであることが分かります。

③18(cm)÷0.45(cm)=40(目)
18cmに仕上げるためには②の答えで割ることで、40目必要なことが分かりました。


〖工程2〗

40(目)-32(目)=8(目)
なので、太い糸から細い糸に変える際、8目増目が必要ということが分かりました。


〖工程3〗

32(目)÷8(目)=4 (目)
なので、細い糸に切り替える際、太い糸を4目編む毎に1目増やせば同じ幅(18cm)で編めることになります。
(→4目編んだら1目増やす、4目編んだら1目増やす………)


※勿論、以上の私のデータを元に編んでいただいても大丈夫です◎

ただし、編み物は編む人の手の力、調子によって仕上がり幅や大きさが前後してしまいますよね。なので、私と同じ目数にしても綺麗に幅が揃わない場合もある、ということは念頭に置いておく必要があります。

何事も、自分の手で試し編み→自分に合わせて創作活動を楽しむのが一番だと思います〃⌒∀⌒


以下の画像を活用して、ご自身でも計算してみてくださいね☆
🔻計算の説明🔻


🔻図解付きの説明🔻


《私の実践※応用編とも言えます》

上記の計算を元に、私は
・太い糸68目
・(切り替え時17目増目)
・細い糸85目

の物を編んでいきます。

これを最終的に端同士を合わせて、袋状のスヌードに仕上げます。

縄編み模様も入れていきます。

『増目して幅を揃える。』
という部分をメインに解説する目的なので、スヌードの詳しい作り方はほぼ省略しますのでご了承ください。


☆太い糸で68目編んでいきます☆

仕上がり時、袋状へと折り畳みたいので、
・裏面→鹿の子編み17目
・縄編みA4目
・鹿の子編み6目
・表編み2目
・裏編み2目
・縄編みB6目
・裏編み2目
・表編み2目
・鹿の子編み6目
・縄編みA4目
・裏面→鹿の子編み17目
として編みます。

必要な長さを編んだ状態がこちらの画像です。

ここから、
・裏面になる部分で計8目増目
・表面になる部分で計9目増目
の計17目増目していきます。


〖増目する際のコツ〗

★基本は、計算した〖工程3〗の数を元に、全体的にまんべんなく増目するのが望ましいです。

★その上で、私のように折り返して裏面部分と表面部分に分かれる場合は、裏面と表面、それぞれ増目の数を同じにする必要があります。

★今回の私のデザインのように、どうしても両面の増目の数を揃えられない場合は、表面側の増目の数を多めにすると綺麗に仕上がります。

★縄編みなど、立体的に飛び出す模様を入れる際は、極力その模様に増目を施した方が模様が映える仕上がりになります。

★模様に増目する際は、両端を増やすよりも、その模様の中間に増目した方が綺麗に仕上がります。


☆実際に17目増やしました☆



この画像では、どこを増目したのか、ほとんど分からないかもしれませんね。


糸を変えて編むときの注意点です。

※鹿の子編みやゴム編みなど、下段の編み目に対応して編む場合、増目の分はとりあえず表編みにしておくと、増目部分が目立ちにくいです。
(糸を変えた次の段以降から本来編みたい編み目に編んでいくと、切り替え時の違和感は少ないです)

※増目を終えた時点で、目数が予定通りに増えたか、確認しておくと失敗を防げます。

※増目のやり方にもよるかもしれませんが、ついつい力が入ってしまいやすくなると思います。しかし、細い糸へと切り替えるので、柔らかく優しく編むように心掛けた方が仕上がりは綺麗です。


☆同じ幅で編めました☆



今回使用した糸はアクリルで、熱に弱い素材なのでこのまま最後まで仕上げていくのですが、コットンなどを中心に、熱に強い素材の糸であれば、この状態で一度裏面から当て布やスチームを利用してアイロンがけすると、より綺麗に仕上がるはずです。

よければ参考にしてみてください。


☆完成形はこちら☆

輪にしてから、袋状に綴じ、スヌードに仕上げました。



また、写り的に見にくいかもしれませんが、約17cmに仕上がりました。


スヌードの作り方は🔻こちらの記事🔻にまとめました。必要な方は活用してください。


§実践を踏まえて§

今回、私が想定していたスヌードの仕上りサイズは
・幅18cm
・周囲70cm
でした。

仕上りサイズは
・幅17cm
・周囲約70cm
に仕上がりました。

▲縄編みなどを筆頭に、模様編みを沢山入れる場合は、想定する仕上りサイズ(幅)は少し大きめに見積もっても良さそうです。

▲鹿の子編み、ゴム編みも特に仕上りサイズが変動しやすそうです。かなりこだわって編む場合は、試し編みの時点で、鹿の子編みやゴム編みにて10段程度編んでみても良いかもしれません。

とは言っても、計算通りに編むことで太い糸と細い糸を組み合わせても同じ幅で編むことに成功しました!

仕上がったスヌードも大満足です!

皆様もよかったら参考にしていただいて、是非是非編み物ライフをエンジョイしちゃってくださいね〃⌒∀⌒

必要な人が活用できますように☆


以下、今回の取り組みにまつわる感想文を書きます。

私は普段、何か物を作る際、
ペペペッとメモ書きでサイズなどを決めて、
チャチャチャッと計算して、
シャシャシャッと編み始めて、
速攻で欲しい物を仕上げてしまうタイプなんです。

ですが、最近色々と思うところがあり、価値観の変容への取り組みの一環として、

[自分が普段やっている作業を一段階ずつ記録してみる]

という行動にチャレンジしてみました。

まぁハッキリ言ってめんどくさい気持ちは強かったです笑


でもやってみてる内に、
『私って普段結構難しいことを簡単にこなしてるんだなぁ…。』
とか
『普段は何気なくやってたけど、文字に起こすと結構色々考えてやってるんだなぁ…。』
などと、
[何気ない自分の行動って、結構頑張ってたことなんだな!]
と感じる発見を繰り返してました。

これはある意味【新しい自分】を見付けられたような感覚で、取り組んでみて良かったと思います。


そして、やってる内に
『どうせ書くなら、図解も欲しいよね…。』
などとまたせっせと取り組み出し、気付いたらこのブログを作ることを楽しんでいました*⌒ω⌒

これまで、何度も何度もDIYブログが上手く作れず、挫折を繰り返してきたのですが、今回のブログはとっても自分で満足できるブログに仕上げられました!

それがとっても嬉しいです☆

調子に乗りやすい私は早速
〖スヌードの編み方編〗
も書こうかと思い始めております笑
分かんないけど!
(丁度、洗い替え用というか、2本編みたかったので)


たまたま私のこれまでの職歴的にも、これまでの時代背景的にも、

仕事=スピード重視

という感覚が強く、
『速く仕上がることこそが一番重要!』と、何となく感じていたのですが、今回のこの取り組みによって、
『自分の何気ない行動(活動)の中にこそ、新しい可能性の種は眠っているんだな。』という部分が少し理解できた気がします。

だから、自分が行う作業一つ一つを観察するって結構大事だという風に思えるようになりました。


まだしっかり腑に落ちてはいないので、今後もまた機会を見計らって自分の行動(活動)を見つめることに取り組んでみようと思います。

とにかく、スヌードとブログ、2つもの作品が仕上がって良かったです☆すっごく嬉しいです *⌒艸⌒



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