哀悼

石牟礼道子さんが亡くなった。

私は本屋が好きなので、旅行をした時に真っ先に書店(古書店)に寄りたくなる。

石牟礼道子さんの本と出会ったのは熊本の橙書店でだったと思う。

水俣に行き、そこで再び石牟礼道子さんのことを想った。

「苦海浄土」を読もうとしたが挫折した。

少し読みやすそうなものを探し「はにかみの国 石牟礼道子全詩集」(石風社 2002)を手に取った。

“海が

天井の夕映えを 懐胎しつづけていた“

“インドの砂漠から

匍匐してくる 太陽よ”

地球大の眼差しと、その言葉が喚起する豊穣なイメージ。

彼女の書く文章に魅了された。

水俣病を背負い生きて来られた彼女の途轍もない人生の旅を想うと、

私の短い人生の中からは彼女を送る相応しい言葉が見つからないけれど、

ただ、愛を伝えたい。

もう一度、「苦海浄土」を読んでみようと思う。

彼女の本に手を添えて

合掌


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