20180209ヒットマンズレクイエム(2007;監督:マーティン・マクドナー)

 好きな作品の作者の別作品を追いかけたくなる。比較を通してより深くその作者が表現したいものに迫れると思うからだ。

 「スリービルボード」に続いての本作。2作品を通して監督が興味を持っているのは、友情、小人(障害者)、バタフライエフェクト(ある一つの行為が予期せぬ所で他に波及していくこと、(日本語で言えば“風が吹けば桶屋が儲る“)当たりだろうか。

 「スリービルボード」では気づかなかったが、キリスト教の影響も随所に見られる。(この監督に限らず多くのヨーロッパ圏の作家に共通しているのかもしれない。日本の監督からは仏教や神道などの匂いはあまり感じられないのでこの当たりはとても興味深い。)

 殺し屋が意図せず少年を殺してしまったことにより、罪の意識に苛まれ二度と殺しをしないと決意するという話だが、単純な勧善懲悪の話では終わらない所が観客の思考に繋げる仕掛けか。

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