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“とても” 信念がありそうな歩き方(7月27日木)

真夏の直射日光をまともに浴びて歩くのはつらい。私は外出するとき、サングラスをして日傘をさす。
そんなこと一切なく、黒い長袖シャツに黒いズボンという服装で、満杯のレジ袋2つを買い物用キャリーカートに入れて、それを杖がわりに押しながら歩いている小柄なおばあさんを見かけた。ときどき見かけるおばあさん。腰を九十度曲げて、ゆっくりゆっくりの歩み。ほんとにきれいな九十度。顔はじっと前を見据えている。
なにもこんな暑い日のお昼どきに、黒ずくめの格好で歩かなくてもいいのに。誰か買い物を頼める人はいないのかな。自分で行くという信念があるのかな。
歩いては止まり、座れそうなところに腰かけて、休憩してはまた歩く。
そんなお姿を見て、「大丈夫ですか」と声をかけたことが一度ある。それはまだ、こんなに暑い日ではなかったけど。「大丈夫です」とはっきりした声が返ってきたので、ああ、これでいいのかなと思った。
きょうは本当は、私の日傘に入ってもらいたかったけど、先を急いでいたもので、追い抜いてしまった。どなたかの力になりたいのなら、まず自分に時間的余裕と体力がないと駄目だ。

歩きにくい身体で一人で外出するのは、とても勇気の要ることだと思う。私がもっと年をとったとき、あのおばあさんのように買い物に行けるか、自信がない。自信を持てるようになりたい。

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