『ゲーム・オブ・スローンズ』

今更ながら『ゲーム・オブ・スローンズ』を第1章から第8章までぶっ通しで見た。見終わるまで実に2ヶ月を要したのだが、凄まじい達成感と満足感だ。

中世イギリスと思しき架空の国を舞台に、王家の間に分裂と戦乱が巻き起こる。様々なキャラクターたちが権謀術数を繰り広げる知的ゲームの側面を持ちながら、愛と葛藤の物語でもあり、バトルもあれば、ドラゴンも出てきて、もう何でもアリなのだが、全てのスケールがケタ違いだ。

喪失とは持てるものだけに訪れる悲劇だ。蓄積の多い王家ほど大きなダメージとなって襲いかかってくるわけだか、その度に人は「愛か、義務か」という選択を迫られる。義務を捨て愛を選べば、被害は甚大だ。しかし物語としては間違いなくそちらの方が面白くなるから、タチが悪い。

たしかに登場人物が多すぎて第一章の途中まではダルいのと、エンディングに向かっての尻すぼみ感はあるのだが、第2章〜第6章におけるキャラ作りの緻密な計算や、伏線の回収が素晴らしい。もうこれほどのドラマに出会えることはないだろうと思えるレベル。


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