見出し画像

僕がアフリカの優秀な人としか働かない理由。

どうも、アフリカ系男子のナイケルです。


アフリカ歴が長くなりすぎて台風の恐怖を忘れておりましたが、こちらのニュースや画像をみてマジでビビっています。

明らかにデカイですよね。いつもみるのと全然違う。

暴風域にお住まいの皆様、本当に最大の警戒をしてください。ご無事を祈っております。


さて、本題に入りますね。

こんなツイートをしましたが、140文字と僕の表現力ではTwitterでは伝えきれないと判断して、noteで書くことにしました。あ、noteでも伝えられないかもしれません。


事前に断っておきますが、これから否定的な表現を結構しますが、決して特定の人を批判したいとかじゃなくて、あくまで僕自身の力不足により、この考えに至っているのだと受け取ってもらえると嬉しいです。


弱者のために何かしたいですよね

アフリカで活動するときのモチベーションって「貧困を解決したい」とか、基本的には弱者である方々を対象にしたプロジェクトをやりたい人が多いと思います。


僕もそうです。ワクワクするアフリカが大好きな反面、解決しなければいけない課題も多くあるのがアフリカです。アフリカ歴7年目ですが、いま特に感じていることは、「教育を受けていない人」に突出した才能が無い限り、社会的弱者になってしまうケースが多い。


日本もそうですよね。良い大学に入れるかどうかというより、頭が良いかどうかや家族や環境的に知識やお金に恵まれてる人の方が強者になる可能性が高い。


でもね、やっぱ日本って弱者に対しても優しいですよ。

生活保護なんてベナンには無いし、教育の質も世界的には高いです。あと仕事選ばなければほとんどの弱者はバイトで生きていけます。


ベナンはマジで大卒でも仕事ないですからね。マルチリンガルで修士号とか持ってるのに就職できないんですよ。どんだけブラック国家ですか。

国をディスってんじゃありません。不条理を嘆いております。


でも、弱者の皆さんと僕は働けません

少なくとも現場でそういう方々を見てますから、その方々に直接何かしたい意欲は結構あるんです。


だけど、僕は弱者と呼ばれる人とは働きません。

いや、働けないんです。


その理由は「弱者の方をマネジメントする力がない」からです。


実際に弱者の皆さんと働いてみた結果

僕な2013年に2年間、青年海外協力隊としてルワンダという国で活動していました。


その時はお土産屋さんをやってる現地の人たちの収入向上支援をやっていたんですね。


成功しているお土産屋のオーナーは話して分かるくらい優秀です。大学出て、海外に行ったりして良いお土産屋をみて、それをそのままこっちに持ってきたり、PDCAを上手く活用して右肩上がりに成長させていました。


全然売れてないお土産屋のオーナーは、まずヤル気がありません。お土産屋もやりたいからやったというより何となくだし、とりあえず店を作れば売れるっしょ的な発想です。聞くと学校には行っておらず算数も2桁足し算が暗算で出来ないレベルでした。


僕は全然売れてないお土産屋さんの支援をすることにしました。そりゃそうですよね。その時の僕はめっちゃモチベーションがあって、「2年間で彼らをめっちゃ成功させたるねん」なんて夢見ておりました。


空回りからのブチギレ

しかし、空回りしかしません。だってオーナーさん筆頭に、スタッフの皆さん全員ヤル気がないんです。誰でも出来るようにタスク化しても、僕がみてる時は一応やりますが、数日留守にするともうタスク化した紙自体どっかに無くなってます。


それでも最初は怒らずに「1日1日少しずつでも成長して成功しよう!」と元気付けながらやってきました。でも、ダメでした。スタッフの中には僕を嫌う人まで出てきて、オーナーも真っ当に稼ぐというよりはいかに観光客からボッタクリ価格で売るかしか考えていません。


ある日ついにブチギレてしまいました。怒鳴っている時にあまりにも店の皆さんがドン引きしていたので、一気に冷静になれました。そして思ったことがこちらです。


「そもそも外国人が勝手にきてやってるだけじゃん」

まるで、彼らの深層心理がテレパシーで伝わったかのように、ブチギレから瞬間冷却された僕の脳にこの言葉が飛び込んできたのです。


僕は「ごめん、僕にはあなた達に何も出来ることがないと思う。」と伝えて、そのお店の支援活動を打ち切ることにしました。帰宅してずっと考えてました。


僕が彼らにやっていたことはエゴでしかなくて、本気で彼らがその状況を脱したいと思っていないし、僕にどうにかしてほしいなんて思ってもいないのに、勝手に店にやってきて「改善しよう!みんなのために!」と言ってきた呑気な夢みる外国人です。


僕がすでに超有名な経営者で、彼らもそれを知っていたら「うおー!ぜひお願いします〜!」なんてなったかもしれません。でも僕はただの元ホストでバンドマンを目指して失敗したダメ野郎です。それすらも知られておりません。


そんなやつの言うことなんて聞いてくれるわけがありません。


これに気づいた時、僕は本当に恥ずかしく思いました。


それからはブログなどで「現地の人が全然頑張ってくれない!ムカつく!」という内容を読むと、「それはそうだ。あなたは外国人で、呼ばれてもいないのに勝手にきて勝手に頑張ってるだけだから」と思ってしまいますが、僕もその一人だったので、その気持ちはよ〜く分かります。


でも、それはエゴです。その場所に一生住んで解決するくらいの覚悟がないと彼らの理解を得るのは無理だと思います。



それでもアフリカにいたい。なんかしたい。

これに気づいた時に、僕みたいな人間はアフリカにいるべきでないとも思いました。鬱状態のように思えますが、そんな時でもナイトクラブに行って踊り狂ってましたから僕はやはりサイコパスなようです。


で、僕は資本主義という世界を忘れたときに接するルワンダの皆さんが大好きでした。


勝手に来た日本人の僕に「このトウモロコシ美味いから食べる?」とか、風邪引いたときに「大丈夫?ねえ大丈夫?」と眠いのに毎時間電話で安否確認をしてくれて「いや寝たいんだけど」と思いつつも、なんか気づいたら目から汗が止まらないくらい嬉しかったり。


アフリカにずっといたい。
そして、やっぱり社会的弱者や不条理は無くしたい。


そういう想いが強くありました。


唯一、成功したケースは優秀な人だった

実はお土産屋の支援で唯一成功したケースがありました。

内藤さん写真

彼の名はフランソワといいます。


フランソワのお土産屋も、僕がきたときは全然お客さんがいませんでした。

それもそのはずまだオープンして間もない頃だったのです。


彼とは結局2年間やって店の売上は倍くらいになったんですね。

フランソワは義務教育も途中で終えています。社会的弱者ですよね。


でも彼のことをよくよく知ってみると、


・小学校時代ぶっちぎりの成績だった

・妹や弟の学費のために自分は学校を断念した

・独学で英語をマスター

・国際NGOで外国人と働いた

・でもなぜか親に「お土産屋やれ」って言われてやった

・将来は国際NGOを作ってルワンダを良くしたい


こんな感じで本来は優秀な方だったんです。しかも野心も強く、すでに外国人とも働いた経験値も積んでいた。


そしてマジで良い人なんです。彼は一度も僕にお金が欲しいと言って来なかったし、時間も日本人並みに守る。むしろ「僕は繊細すぎるようで、ルワンダが住みづらい」と母国なのにそう言っているくらいです。


つまり、僕の支援が上手くいったとかじゃなくて、彼にポテンシャルがあったからだけなんですよね。



だから僕は優秀な人と働くと決めた

実際、頭が良い=良い人ではないですから、優秀であればOKなわけではありません。



頭が切れる分、巧妙に騙したりもできますから、僕も優秀な方々と一緒に仕事して失敗談もたくさんあります。


でも今の僕の力では、優秀な現地の人と組まない限り、成功できる確率はものすごく低いと思っています。


優秀で、良い人で、野心がある人。


あ、優秀の定義についてですが、ここでは「高い水準の教育を受けている又は先天的に勉学が得意な人」を指します。


そんな人はどこでも成功できそうですよね。


でもアフリカにはまだ稼げていない優秀な人たちが沢山いるのです。同じ環境で生まれてたら絶対に僕の方が稼げてない自信がある人たちが、いっぱいいるんですよマジで。


彼らを1秒でも早く成功させることで、彼らの中の数名が、その国の社会的弱者を何とかしようとするんじゃないかと思っています。少なくとも僕よりは何とかする力があると思う。


そして僕の言うことは「外国人の遠吠え」としか聞いてくれなかった皆さまが、優秀な現地の人が言うことで「彼が言うならやってみようか」となるんじゃないかって思っています。


だから、今の僕は優秀な人としか働きません。


面接でも「優秀」「良い人」「野心」のどれかが欠けていたら落としていますし、働いて少しでも3つが欠けていると感じたら辞めていただいています。


うちの組織やプロジェクトが安定的に利益が出せるようになって初めて彼らを受け入れる体力がついたと判断したいと思います。


結局は僕の成長次第ですね。そして彼らと働けないのは僕がクズだからです。


そして今もアフリカに限らず社会的弱者の方と共に働いている方々が沢山いらっしゃいますが、その人たちを見下していなくてやってる方はウルトラハイパー尊敬していますし、マジで成功して欲しいと応援しています。


僕はクズなくせに、アフリカが大好きで居続けたくて、一丁前にデッケエ夢だけ持っちゃったもんで、人に迷惑と心配をかけ続けていますが、命が続く限りはがんばっていきたいです。


最後にもう一度、台風、皆さんご無事で!


人生賭けてアフリカで活動中ですが、ご飯を食べないと死んでしまいますので、いただいたサポートは僕の燃料として大切に使わせていただきます。