高専寮の実情
母校の高専寮が今ツイッターで軽く炎上騒ぎ(?)が起きてて思ったことがあったので、自分の経験から寮の実態をちょっとだけお話ししようと思います。
15~20歳の集団生活
高専寮は学校形態の性質上、高校生の年齢の子が親元離れて暮らしています。
もちろん規則は最少年を基準に作られているので、酒もタバコも賭博も禁止。
「学生用宿舎」なので平日は毎日学習時間を設けられています。
リーダー的な役割を持つ人がおり、寮長や役員は学生で構成されています。
と、ここまではだいたい全国どこの高専寮も同じです。
僕の母校はこれらに加え
・毎朝の体操と朝礼
・娯楽機器の持ち込み禁止
・無駄に厳しすぎる大掃除制度
などがあります。(他にも細かい規則はあるが割愛)
それでなにやら今回のツイッタープチ炎上は、上記規則の不満と低学年学生と指導学生とのいざこざが原因で起きたみたいです。
郷に入れば郷に従え
一人暮らしをしている人や、大学寮に暮らしている人と比べたら意味わかんない規則が多かったり理不尽だったりすることがあるかもしれません。(大学寮も意味不明な慣習とかありますが。)
ただこういう集団生活をする場合は基本スタンスとして「郷に入れば郷に従え。嫌なら出て行け。」がお互いストレスも少なく賢いのかなと思っています。
つまりAくんが、大掃除がきつすぎて「埃一つ残さない床にするのなんて意味がない」と声を大に騒ぎ立ててもそれほど意味がないわけです。
そもそもその集団は「なんだかわからないけど昔から大掃除は埃一つ残さないレベルまでやらなくてはいけないものだった」という認識の人が大多数だから。
例えばAくんがマレーシアの家庭にホームステイするのと同じで、「ある時期は断食しなければいけない」って文化があったらそれに従わなくちゃいけないんです。「断食なんて意味ない」っていっても向こうはそれが正しいと思ってるんで話は平行線になります。
でもどうしても断食したくなくてルールを変えたいってなったら、その家庭を説得するしかないんですね。みんなで集団生活してるから。
説得も難しく、ホームステイ間もない人に「食べた方が体にいいよ」って言われたとしても「いや今までこれでみんなうまくやってこれたから」ってなります。
じゃあどうしたらいいかというと、自分が家庭の中心になればいいわけです。
でもそこまでの努力をするなら自分が変わるか、家庭を変えた方が楽だし早いと思いませんか。
寮生活も同じ話で、自分が変わるか住む場所を変えた方が省エネになります。
あまりにもひどい規則があればそれは時代とともに変わっていくでしょう。じゃないと寮に住みたくなる人がいなくなって運営できなくなるので。
ただし規則を盾に度のすぎた行動をする人は、どんな立場の人であれ組織によって自浄されるべきです。そして幸運にも寮にはその仕組みが整っています。
声を大きくすることも必要ですが、自分の目的にあった適切な行動を取るのはもっと必要ですね。
それよりもっと楽しめ
規則だのなんだのつらつらと書きましたけど、実はそんなのそこまで重要じゃなくて、高専寮の1番の強みって友達ができることだと思ってます。
それもこの先関係がながーく続くだろう友達。
住みやすさとかを求めてもいいですが、周りに目を向けて同年代の子とか、その人を通した自分とかを知れる機会をもっと活用すべきです。
15歳で寮に入るってことは、1番心がぐちゃぐちゃな時期に無限に話し合える同年代(先輩)が近くにいるってことです。
このメリットを考えたら、しょーもない規則のためにちょっと自分を変えるぐらい造作もないことです。
体罰教育レベルの人格形成に関わる慣習がその寮になければ、入寮して、友達とたくさん話して、たくさん考えるのが最適解なのかなって思ってます。(バカみたいに厳しい高専寮が未だに残ってたりするので、そういうのは入らないべきかも)
・・・
ちなみに僕の母校は高専寮の中ではあれでも規則、組織共に全国トップレベルでしっかりしてると思います。
高専在学時と卒業してから計15高専以上の寮事情を聞きましたが、あれほどちゃんとしているのは他にありませんでした。
それぐらい寮運営って難しいし、みんなが良いって思える場所にはなかなかできないんですよね。
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