「犬と強盗」

ある日のペットショップ
「強盗だ!犬さんをよこせ!」
犬を服の中に入れ逃げる強盗 。

「へっへっへ こいつと俺は人里離れて暮らすんだ」
しかし路地裏で警察達に包囲される
「犯人につぐ!金をやるから犬を返せ!」
強盗
「いやだ!金なんかいらねぇ!
飾り者じゃあねんだよ 俺もこいつも!」
撃たれる強盗
犬をかばって倒れる
強盗の鼓動は止まった

その後 彼の墓には誰も来る事はなかった

強盗は普通のサラリーマンだった
金に困っていた訳でもなく
笑顔をたやさず
営業成績は悪くはなかったが
いつも一人だった

強盗された犬は年老いていた
犬の檻の前には誰も来なかった
なぜなら 愛想を振る舞う事もしなかったので
いつも一人でいた

そう、
あの強盗がやって来るまでは。

強盗は愛想を振り向かないで一人でいる犬に
憧れていたのかもしれない。

犬はその後 ペットショップに連れ戻されたが
逃げ出し
強盗の墓の前に現れ
吠え続けた なんと言っているのかは
僕にはわからなかった

しかし多分 死神にこう言っていたのだろう。

「強盗だ!ご主人さまを出せ!」と、、、

2019 3/6 shinji naito

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