プレゼンテーション1-1

美術界の”コロッケ” ー ラファエロ

 こんにちは。Naokiです。
 前回まではルネサンスの3大巨匠の、レオナルド、ミケランジェロについてまとめました。今回は最後の1人、ラファエロについてまとめます。先述の2人と比べると、あまり馴染みがないかもしれませんが、ルネサンスを築いた重要人物です。ヨーロッパの美術館を訪れると、彼の絵に触れる機会が多いので、ここで整理してみたいと思います。今回もよろしくお願いいたします。

金の卵を産みつづけた修行時代

 ラファエロ・サンティは中部イタリアのウルビーノという街で産まれました。レオナルドとミケランジェロと同じく、若くして両親を失います。しかし、従順で、素直でとてもいい子に育ちます。亡き父は芸術家で、ラファエロの最初の師匠となりました。父の死後、ウルビーノで活躍していた画家ティモティオに弟子入りし、温和で優しい画法を身に着けました。この時すでにその画風は一目置かれる存在になり、画家としてメキメキ実力をつけていきました。当時ペルージャ(サッカーの中田選手がいたところ)で一番人気の画家ペルジーノがたまたまラファエロの絵を見て、衝撃を受けたといいます。ペルジーノはこのとき、「この子は将来すごい存在になる」と直感したそうです。ペルジーノは16歳のラファエロを自分の弟子としました。ペルジーノは当時人気画家として、大量生産に励んでいました。時間がいくらあっても足りないくらい、制作活動に励んでいました。
 ラファエロは、小さい頃から、真似が大の得意でした。ペルジーノの作品も徹底的に研究して真似て描きました。サインがなければ、ペルジーノが書いたのか、ラファエロが書いたのかわからないくらいにまで成長しました。ペルジーノにとってラファエロは、自分の絵を忠実にコピーしてくれるので、仕事がかなり楽になりました。
 ペルジーノのもとに、ペルージャ両替商会館の壁画制作の話が舞い込みました。ペルジーノはラファエロとともに、「剛毅と節制と六人の古代の英雄」を完成させ、ペルジーノの最高傑作となりました。

フィレンツェへ


 ラファエロはペルジーノの作風を完璧にマスターし、次の段階へ進みたいと決心し、21歳のラファエロはペルジーノのもとを離れ、フィレンツェに向かいました。当時のフィレンツェはレオナルドとミケランジェロがいて、作品を競い合っていました。ラファエロは二人の絵を見て、ただただ圧倒されました。
(自分はまだ駆け出しの田舎絵師にすぎない)と痛感したラファエロは、このときも彼らの手法を徹底的に研究をし、自分のものにしていきます。特に惹かれたのはレオナルド・ダ・ヴィンチの、製作中のモナリザでした。ラファエロはモナリザを見て、感動のあまりに号泣したそうです。
(何としてもあの不思議な絵の魅力に迫りたい)と思い、レオナルド・ダ・ヴィンチ独特の構図や技法を早くもマスターします。しかし真似するだけで終わらないのがラファエロ。その技術をどう自分流に表現していくか、を常に考えました。彼の得意な絵はイエスキリストと聖母マリアを描く「聖母子像」です。これだけでもラファエロは何枚絵を書いたことか。我が子に愛情を注ぐ母親としてのマリアの、安らぎと慈しみに満ちています。絵を見るとレオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザに雰囲気が似ていることが分かるかと思います。

名声を確立し、バチカンへ

 ミケランジェロを翻弄させた教皇ユリウス2世はラファエロの絵をとても気に入り、当時25歳のラファエロに、自分の居室の装飾を指示しました。これがバチカン美術館の中にある通称「ラファエロの間」と呼ばれている署名の間です。ラファエロの傑作がこの部屋にある壁画「アテネの学堂」です。この絵にはラファエロが尊敬しているレオナルドとミケランジェロが描かれています。

女好き

 彼の絵の才能は誰もが認めたのですが、彼の唯一の欠点は無類の女好きということでした。数々の女と交際をしたラファエロは、諸説ありますが、性病にかかって亡くなります。37歳でした。

 これまでルネサンスの巨匠についてまとめてきました。西洋絵画をちょっとでも面白く見るには、まずはレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ。この3人を知れば少しは面白く西洋絵画を鑑賞できます。イタリアに行くと教会や美術館が観光のメインとなります。写真を撮って、はい、では次、ではとてももったいないです。飛行機代やそれなりの日数を使って旅行をするのであれば、少しでも面白く西洋の美術を鑑賞したくありませんか?
 西洋美術に関しては、一旦ここでお開きにして、次回は中東に焦点を当てたいと思います。テーマががらりと変わりますが、今ニュースで見る中東問題。なんか複雑そうだな。。。と目を背けていませんか?異国情緒溢れる中東諸国は旅行先としてもとてもおすすめですが、中東の情勢を知らないと、楽しい旅行がそうではなくなってしまうかもしれません。複雑な中東問題をまとめたいと思いますので、次回からもよろしくお願いします。

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