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ストンと予定が合う【吉玉サキさんと嘉晶さん】前編

思いもかけずスケジュールが埋まってゆくことがある。いや埋まるという表現は似つかわしくないかもしれない。ピタッとハマるのである。そして昨日がそういう日だった。

突如決まった東京出張、11時と15時にアポが決まっていた。朝から新幹線に乗って移動。道すがら夕方の予定についてどうしようかと思いをつのらせネットに発信していたところnote仲間の吉玉サキさんと連絡がとれた。

どうやら池袋で取材の仕事をしていて夕方のスケジュールは調整可能ということだった。意図せぬ巡り合わせに心が躍っていたところ、嘉晶さんからも連絡が入った。彼女も池袋近くにその日は居るというのだ。17:00以降ならOKということなので、三人でお茶でもしましょうという話になった。
こんな日があるのか。奇跡である。
ちなみに私は御二方とお会いするのは今回が初めてである。

17:00前に既に吉玉さんが池袋駅の西口に待機しているということだったので改札を抜け向かう。

東京は一つ一つの主要駅がでかい。でかいことは矛盾を含ませる。

東武方面が西口、西武方面が東口と書かれた案内を見て一瞬戸惑ったが、私は40歳の大人である。そんなことで挫けたりはしない。ちゃんと近くの駅員さんに「池袋駅の西口と云うのは一般的に言ってどの辺りを指し示しますか?」と適切な質問をしてこの場を乗りきった。

スタバの前にいらっしゃるというのでキョロキョロ探していると、吉玉さんらしき人を発見。私は声を掛けた。良かった。本人だった。

嘉晶さんが来るまでの間、何処かで過ごそうという流れになって、池袋の街を少し歩く。コメダ珈琲に入ろうとしたがあいにく満席で、結局は池袋の演芸場の隣りにある『カフェ・ド・巴里』という喫茶店に入る事になった。ネオンの看板に"巴里"の文字。パリか。フランスだな。何がフランスなのか店の外観からはよく分からなかったが、どうやらちょっと風変わりな喫茶店のようだった。もしフランス語で話し掛けられたらどうしよう?そんな時は「ジュ・ヌ・パルル・パ・フランセ」と言ってしのごうかとレ・ロマネスクのトビーさんに教わった呪文を心の中で唱えていた。この意味は「私はフランス語が話せません」である。

自動扉の前に立つ。自動扉が自動的に開いた。当たり前のようであるが問題はその開き方だ。横にスライドして開くのではなくて、予想に反して観音開きに自動的に動いたので二人して驚愕した。ビクッてなった。何だ、これは?

扉を抜けるとすぐに二階に続く細めのエスカレータがあって、その先には豪華なシャンデリアが天井にぶら下がっていた。社交場かな。

きっとこの喫茶店の前世はダンスホールか何かだったに違いないという感想を得た後、受付を済ませ禁煙席に案内してもらった。
店内に並ぶ置物と調度品の数々、これは会話のネタに困らない喫茶店だと確信した。本当は積もる話もあったんだけれども個性的な店内を肴にして会話する。

「これらの置物や調度品の数々は量産品だろうか?もしこれらが量産品なら製作者は相当勇気を振り絞ったはずだよね。喫茶店の数は日本に星の数ほどあるといえどもこんな個性的な置物を大量に作りおいて捌ききれるとはとても思えない。
受注生産品だとすれば発注者の頭のネジが飛んでいるだろうし、いつか売れる一点物として制作者が取り組んで作ったのだとすれば制作者の頭のネジが飛んでいる。」
その時の会話を要約するとこんな感じなんだけど、書いててますます分からなくなってきた。
そしてこんな話を初めて会った人と話している私も相当狂ってるし、フムフムと聞いてる方もどうかしてる。

でも舌の体操にはなった。空調が効きすぎて寒いくらいの店内の気温に反して、口が温まりだしたので改めて自己紹介から始めた。普段何の仕事をしているのかをようやく伝えた。私は文筆業を生業としていない。note内の私は吉玉サキさんの様にライター仕事や本を書く仕事をしていない日常系のnoterなので仕事のことはあんまり書かない。守秘義務とかもあるからね。

だから一年以上書き続けても日常的なことやエッセイで綴っている言葉以外では何をしているのか全く不明な存在だったのである。

公開されているオンライン上の情報は私の限られた側面でしかない。

(つづく、、)

ここのコメントを目にしてくれてるってことは最後まで読んでくれたってことですよね、きっと。 とっても嬉しいし ありがたいことだなー