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天井が消えてお空になったみたい【エッセイ】

我が家に『HOMESTAR Classic』がやって来た。何のことかと思われるかもしれないがこれは簡単に説明すると家庭用のプラネタリウムがウチにやって来たよということだ。

これを使って天井に星空を投影すると、、「なんとお布団に寝そべりながら簡易プラネタリウムを体験できる」のである。上手くゆくとお部屋も暗いので子どもがすんなり寝てくれるかも。そんな想いを馳せながらこっそりと通販で購入した。こっそりということはもちろん無断で買ったので妻に叱られるかなって心配したけれども、妻もこのことに関しては意外にもノリノリだったので結局は事なきを得ている。ラッキーだ。

さて、箱を開封すると商品が出てきた。その球体状の青いボディに気持ちのボルテージがあがる。

これだな。ここから光が出てくるんだな。ホントだな。ホントに家がプラネタリウムになるんだな。信じていいんだな。信じてるからな。裏切るなよ。

家族みんなで期待にソワソワした。いつでも新しいモノが我が家にやってくる時はこんな感じだ。いずれ安くなったらペッパー君みたいなロボットも家に置きたい。

早く試したいので、すぐさまみんなで寝室に移動してお部屋を真っ暗にしたんだけど、動かし方が全く分からない。当たり前だ。初めて触るマシーンを暗闇の中、手探りで完璧に稼働させることなどできるものか。

仕方ない。いったん部屋の明かりを付け直す。子どもから「早くー!早くー!」と催促が入るが、無理なものは無理だ。取り扱い説明書をパパはこれから読まなくてはならない。全てはそこからだ。今しばらくジッとしているがよい。

「皆の者、黙って待機せよ。」

ブーブー聞こえるがそんなことは私の知ったことではない。

どうやら星空のディスクを本体にセッティングした上で、ACアダプタを本体に挿し込み、電源を入れ、天井に投影されたなら調整器をクルクル回しながら、ボヤけた焦点をくっきりとなる様に合わせなければならないみたいだった。

それぐらいの作業ならなんぼでもする。とにかく最後の調整作業だけは暗闇の中で行わなければならないことだけは注意だな。なにせ暗ければ暗いほど綺麗に見えるマシーンなのだから最後の微調整は暗闇の中でする。

世の中に全自動など存在しない。最後は人だ。

やがてHOMESTAR Classicが我が家の寝室で稼働した。

雨戸も閉め、出来る限り暗くした部屋の天井に星空が浮かび上がる。

感動した。

6歳になった娘はその星空の天井を見て、「天井が消えてお空になったみたい」とつぶやいた。

#エッセイ #プラネタリウム

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