お笑いファンの在り方

 お笑いファンの在り方みたいな話題は、デリケートでありながら度々SNS上で議論されてきた。が、ここ数日になって何故かその議論が活発になっている。正直これといった正解を出すのは難しいが、僕なりにどう在るべきかを書いてみた。


1. 顔ファンってどこから?アリ?ナシ?

 ここ数日で最も議論されてるのがこの話題である。界隈では“顔ファン”という言葉に割とネガティブな印象が付いているが、僕は別に顔ファン自体は悪いことではないと考える。実際僕も芸人さんに対して男女問わず「この人かっこいいな/可愛いな」と思うことはあるし。

 では、どのラインからを顔ファンとするのか?個人的にTwitterで見かけた中でしっくりくる意見があった。

 う〜ん、これすぎる。そもそも我々は“お笑い”ファンなのだから、ネタなりラジオなりTVでの立ち回りなり、ビジュアル以外の何かしらを面白いと感じていると思う。それらが全て失われて、秀でたビジュアルだけが残ったとして、それでも推すのなら“顔ファン”と言われても致し方ないだろう。重ねて言うけど、だからといって否定する気はさらさらない。けど僕自身は顔ファンにはなるつもりはない。ネタもトークも面白くなくなったら恐らくちゃんと離れる。それだけ。

2. 評論・分析はアリ?ナシ?

 まあ〜これも難しいラインだよね。そもそも何故評論・分析という行為に対する当たりが強くなったのかといえば、恐らく2022年M-1チャンピオンのあのネタからだろう。これに関しても評論・分析自体は別にいいと個人的には思う。僕もしてるし。ただ、技術的な面とかに無闇に首を突っ込むと釈迦に説法と捉えられかねないので、感想程度に留めておくのが無難かなと思う。あの人が言ってるのは恐らくそういうことなんじゃないかな。

 一方で、たまに評論の皮を被った、ただの悪口や貶めたいだけの駄文なんかもTwitterではちらほら見られる。これは断じて容認できない。絶対に投げ返されない安全な場所から石投げてるだけじゃん。そんな奴はお笑いファンなんか名乗る資格はないし、まずSNSから出てってください。要は芸人、というより人前に立つ者へのリスペクトがあるかどうかってこと。

3. 金落としてる奴、ライブに通ってる奴が偉いのか?

 見出しでこんな書き方はしたけど、実際金落としてる人は偉いとは思う。何せそのコンテンツの発展に直接的に寄与してるんだから。じゃあライブに行ってない、TVやラジオでしか追えてない人を見下して良いかと問われると、当然NOである。古参と新参の関係も同じ。ライブに行けないのには色んな理由があるのだから(ex: 金欠、地方住み)。これはよく言われている事だが、そういったライト層を見下すようなファンが蔓延るコンテンツは長くは続かない。

 ただ、ライブでしか味わえないワクワクがあるのもまた事実。なので行けるなら是非行ったほうがいい。経験者は初心者を見下すのではなく、ライブの良さを伝えるようにしてほしい。まあお笑い界隈は割とそういった空気は醸成されてるから良いと思う。要は、個々人の身の丈にあった推し方をしましょうや、という事である。

4. ライブを途中で抜け出すのはアリ?ナシ?

 絶対ナシ。

 冗談はさておき、これはもう御法度中の御法度だろう。寄席で他の人には目もくれず、推しの出番だけ見て退出、というのはよくある話だが、これはもう推しを含めた全芸人への冒涜だと思う。せっかくの寄席なんだから新しい推しを探すくらいの心持ちの方が楽しいでしょ、絶対。それでも他の人に興味ないってんなら、単独ライブだけ行けばいい。
 
 そもそも途中退出なんて、マナーの面でもよろしくない。今はお笑いライブの話だが、これがもっと格式高い演劇とかクラシックの公演でも、果たして同じ事ができるのか?お笑いライブだからというのは、やっていい理由にはならないと思う。

 「そういう人も笑わせるのが芸人の仕事でしょ?」という意見も散見されるが、そもそもそんな奴は推し以外で笑うつもりはさらさらないと思うので、客として扱う必要があるのかすら疑問に感じる。それで芸人さんの実力が云々とか言ってる人は、どうせ何に対してもケチをつけるのだろう。

追記


 こちらは僕が普段聴いているラジオ『ダイヤモンドのおもしろ座り話』のとある回なのだが、タイトル通りアンチについて語っている。是非聴いてみて、芸人さんに対しての向き合い方(?)を今一度振り返るきっかけにしていただきたい。



 以上、僕の考えるお笑いファンの在り方である。冒頭でも述べたけど、お笑いファンに限らずどの界隈のオタクにおいても推し方に模範なんてない。人様に迷惑をかけたり、法に触れるようなことがなければ推し方なんて自由である。分かり合えなければ自衛すればいい。推しともオタク仲間とも適切な距離感で付き合うことが大切だと考える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?